第5話 偉い?人・・・なのか?
「アーツの取得、おめでとうございます。次は採取又はドロップについてです。」
「はい、サクサクいきましょう!」
「まず、採取ですが素手でそこの木の根元にある草を引き抜いてみてください。その後には鑑定も忘れずに。」
「はい。よいしょっと。結構簡単に取れた。えっと、< 鑑定 > 」
【薬草】
品質D レア度 1
効果:そのまま食べると5%回復するがかなり苦い。
おおー薬草だったのか、序盤からいい感じだ。他にも適当にとってみよう。見た目が違う5種類を3本ずつくらいとってみた。鑑定結果はこんな感じ。
【香り草】
品質D レア度1
効果:いい香りのする草。料理に活用されることがある。
【気絶し草】
品質 レア度1
効果:食べると気絶状態になるくらいまずい。食べることはお勧めしない。
【毒草】
品質D レア度1
効果:微弱な毒を含む草。微弱なといってもHPが徐々に減っていってしまうため注意!
【魔薬草】
品質C レア度3
効果:MPが回復できる草。非常に珍しい。月の光を浴びて育つと言われている。
【麻痺草】
品質D レア度1
効果:食べると麻痺にかかり1分は動けない。主に狩猟時に役立つ。
かなり毒草があったようだった。毒草なんていかにも毒ですよーという、赤と白の斑点がある草なのでわかりやすかった。毒も調薬を使って活用できるといいけど・・・。魔薬草ってなんか呼び名が・・・。レアなものであることはわかるけど。とりあえず、集まったアイテムを持ちナビさんの所に戻る。
「たくさん、採りましたね。」
「途中から熱中してしまいました。」
「では、そのアイテムをアイテムボックスに入れましょうか。ユウキ様の腰にあるサイドカバンに入れてみてください。そのアイテムボックスの容量は無限です。ですが、生物は入れられません。」
「容量が無限なのはいいですね〜。」
「アイテムの確認は、メニュー→アイテムから確認できます。それと、アイテム一覧の右上にある=のマークを押すとアイテムが簡単に整理できますので是非ご利用ください。」
「よかったー、さっきの戦闘で素材がいっぱいドロップしてて整理するの大変だなーって思ってたとこだったんですよ。」
「満足していただけてよかったです。ドロップもちゃんとアイテムボックスの方に移動していることも確認できてよかったです。魔物を倒したドロップ品はすぐにアイテムボックスに移動しますが、採取したものは手に持てる範囲であることが条件となっておりますのでお気をつけください。」
「了解です。」
「使用したい場合は、アイテムにタッチし、使用するを選ぶことでアイテムボックスから取り出すことができます。何度でも出しいれは可能ですので安心してください。」
「わかりました。」
「これでチュートリアルを終了するのですが、ご質問はございますか?」
「んー、今は特に思いつかないです。」
「何かお困りでしたら、メニュー一覧のヘルプを使って検索可能ですのでご利用ください。」
「はい。」
「それでですね。普段ならこれで、始まりの国に送り出すんですが・・・まだお時間をお借りしてもよろしいでしょうか?」
「?どうかしたんですか?」
「そのですね。ユウキ様の種族の方に問題がございまして、『天龍』という種族はドラグニュートの中の激レアの種族でして、存在できるのが1人のみなんですよ。もしも、この種族が出た場合運営の上層部の方に報告しないといけなくてですね。そのお時間をいただきたいのですが・・・。」
「え、ナビさんを生み出した方々を?!で、でも、私何したら?!?!」
「大丈夫だと思います。特殊な種族なので悪用しないようにっという忠告だけだと思いますので。」
「うぅ、悪用とかはせずにのんびりするつもりなので大丈夫だと思います。
・・・・よし。覚悟できました。呼んじゃってください。」
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ?これから呼ぶのはただのバカですから。まあ、よびますか。アシストコール!」
『んあ?!なんだNo.1216?なんのようだよ。俺は今、5徹してこれから安らかな眠りにつくんだよ!邪魔すんな。』
え、何このひと。
「わかりました。じゃあ、安らかに眠ってください。『天龍』の種族としてこの世界で生きる彼女の支えは私がやっておきます!」
『ファッ?!今なんつった?『天龍』?!あれに当たったのか嬢ちゃん。』
「あ、はい。」
『マジかよ、アレ当たるはずない種族だったんだが・・・。んー。まぁ、嬢ちゃんなら大丈夫だろ。確証ねぇけど。』
『てかよう、なんだよおまえ。No.1216ってこんなキャラだっけ??おかしいなー。』
「む。私、その名前捨てたんで、その呼び方やめてくれます?怒」
『捨てたって、なんて呼べばいいんだよ。』
「あなたには教えたくないし、呼ばれたくないので言いません。」
『なぁ、嬢ちゃん。こいつになんかした?』
「えっと、特に何も?」
「ちょっとユウキ様に話しかけないでください!バカ上司!!」
『・・・。え。様?おかしいだろ。他の奴らプレイヤー様って呼んでんだぞなんでこんなにAIが発達してんの?!・・・まさか?!』
「?」
『嘘だろ。嬢ちゃんあんた何したんだ本当に。こいつの好感度Maxじゃねぇか。嬢ちゃん、メニュー一覧の好感度ってとこ選んでみ。そこの一番上に出会ったNPCの名前とその横に〇〇%って書いてあるからそこにこいつの名前があるか確認してくれ。』
「えっと、わかりました。」
ユウキはメニューとつぶやき、好感度の所をタッチした。
《好感度》
< 始まりの国 >
ナビ ・・・・・ 100%
??? ・・・・・??%
??? ・・・・・
???
「あ、ホントだ。ナビさんの名前が書いてあって100%になってる。」
『確認できたみたいだな、ってかナビさんw安直じゃねぇかw』
「それでも!他の人はつけてくださらなかったんです。特別なんです!そこで私を転生してください!チュートリアルの係ではなく、フィールドに住む魔獣として!!」
『なんで、NPCじゃなくて、魔獣なんだよ。』
「それはユウキ様がサモナーだからです。契約したいからです!」
『転生するのは構わないが、何になるんだ?』
「はっ?!ユウキ様!何になって欲しいですか??」
「え、うーんナビさんは私の近くで遠距離攻撃してくれたり守ってくれたりしそうだから・・・。身を隠したり素早く動くことが得意な感じがいいなぁ。」
『んー。それだとこれらの中から選んでくれ。』
〇 ブラックスパイダー
〇 シャドウスパイダー
〇シャドウキャット
〇シャドウウルフ
『あ、ちなみにシャドウスパイダーは始まりの国付近にレアでスポーンするよう設定してあるぞ。』
「レアなんですか?!是非これで!!どうかな?ナビさん!」
「ユウキ様の希望ならなんでもいいです!それにしましょう!」
『お、おう。じゃあ、時間かかるからとりあえずここでお別れな。ナビも一度お別れしとけ。フィールドに転送できるようになったらメールするからメールを確認したら北のフィールドに出てきてくれ。』
「わかりました!ナビさんまた後でね!あ、それと。次に会う時までに新しいナビさんの名前考えとくね!」
「え。名前変えるんですか?!私はナビさんでも別に・・・。」
「だって。次に会うときはナビさんとしてではなく新しい仲間としてずっと一緒に過ごしたり強くなるのに新しい名前の方が断然いいと思うんだ!もし嫌ならそのとき断ってくれてもいいから!」
「新しい仲間。・・・っ!た、楽しみにしておきます!!だから、新しい名前、お願いします。」
「それじゃあ、ナビさんまた後で!」
「はい!行ってらっしゃいませ!」
こうして、新しい出会いのための約束をしてユウキはようやくこの世界に降り立った。
ついに次回から本編です。とりあえず、週に2回更新するペースでいきたいと思います曜日とかはとくにきめてないです。宜しくお願いしますm(_ _)m