第40話 王妃と王女
訂正部分
前を前を瞬時に→前を瞬時に
で来て→出来て
扉を開けて入るよううながらされたので、私が入ると。右下から圧迫感を感じたので前を向いたまま瞬時に右手に剣を装備しソレに突きつける。
「・・・お見事!」
「まあ、これぐらい出来てくれないと困るわねぇ。」
お見事と褒めてくれたのは右下から殺意を向けていた男。
次は優しそうな女の人。
「そろそろその殺意消してくれません?うちの契約獣が貴方を殺しますよ。」
「これはこれは、失礼しました。なかなかの人材だな私の弟子にならないか?」
「カルマ!俺の職場で勧誘すな!悪かったな。急にテストしましょうなんて、王妃様が言うもんだから。まったく。私がここのギルドマスターのセルビスだ。よろしくな。それでこちらは・・・」
「自己紹介は自分でしますわ。私がはじまりの国の王妃のノエリアと申します。」
「あ、私ははじまりの国の王女レミリアです。よろしくお願いします。」
王妃のノエリア様はおっとりした優しそうな夫人。王女のレミリア様は活発そうな赤と青のオッドアイの女の子。
うむ。かわいい。はっ!私はレズじゃないからな。今更だが・・・違うと・・・思う。自信がない。
まあ、そんなことどうでもいいんだ。さっきから、カルマ?っていうやつがじっとこっちを見てくるんだが。やめてほしい。
「あの、こっちを見ないでくれます?うざいです。」
「・・・うざっ?!」
「ブハッ!カルマに向けてうざいって、ガッハハハハハハ!!」
セルビスさん爆笑に入りました〜
そのセルビスをカルマさんが殺意を向けて睨みつける。
「セルビス、黙らないと消しますよ。」
「まあまあ、落ち着いて、カルマ。えーっとユウキさん。貴女の自己紹介はしてくれないのかしら?」
あ、忘れてた。
「失礼しました。私は異界の冒険者、ユウキと申します。一応Aランク冒険者してます。」
「「「?!」」」
王妃様とギルマス、カルマが驚く。
レミリア様はよくわからない感じかな?
首をかしげているかわいい。
「なんで、皆さんそんな反応なんですかね?よくわからないんですが。ここの門兵にも、ギルドの受付嬢さんにもそんなに驚かれたんですが・・・」
「自分で気づいてないの?あのね?異界の冒険者がこちらに来て二週間経ってないのよ?!どうやったらAランクになれるの!」
とノエリア様。
「えっとー、東のボスを仲間にして、西ボスを蹂躙したりしたくらいかな。」
「お前が、西の街道に居座ってた竜を倒したやつか!」
とセルビス。
「東のボスって言ったら、ライトニングウルフを仲間にしてるの?」
とレミリア様が聞いてきた。
「ええ。してますよ。名前はヒカルです。大事な家族ですよ。」
「ねえ!見せて!ユウキの契約獣!」
と急にテンションが上がるレミリア様。
「いいですよ。でも、お話が終わってからでもいいですか?まだ、いつ帰るとかどうやって帰るとか知らないので。」
「うん!いいよ!あ、私のこと、呼び捨てで呼んで!」
「え?でも、さすがに・・・」
「レミリアが気に入ったのなら、いいのよ。呼び捨てで。私のことは様付けじゃなかったらなんでもいいわ。」
「じゃあ、ノエリアさんとレミリアで。」
「うん!」
「あらあら、レミリアがこんなに気にいるなんてユウキのどこが気に入ったのかしら。」
「?ユウキが強いってことは両肩の契約獣みればすぐだよ。右肩にいるのは、ダークネススパイダーだし、左肩のはまだ小さいけど、ルフだよね?」
「よく、わかりましたね。正解です。レミリア。」
「え?ルフ?あの伝説の古代獣?!」
とまた驚くノエリアさん
「どこでそいつと契約したんだ!」
とセルビス
「ここに来る途中。契約獣の1人が遺跡を見つけまして、そこに魔獣石の状態で発見し、孵化させました。」
「遺跡だと!?そんなもの調査しても出てこなかったぞ!」
「何かしら条件があったんじゃないですか?」
「条件か。ありえる。それをお前は満たしていたのか。くぅ。その条件が何かさえわかれば!良かったんだが・・・」
なんだろう遺跡マニアっぽいな。話題を変えよう。
「それで、いつ帰城するんですか?」
「今日でもいいし、明日でもいいわよ。レミリアはどうしたい?」
「ユウキの契約獣見たい!」
「ふふふ。他の契約獣って何がいるのか聞いても?」
「えっとー、先ほど話したライトニングウルフとフレイムウルフとレアゴーストですね。」
「っ。・・・それは、また規格外ね。特にレアゴーストとかは。」
ウインディとヒカルじゃなくてアテナ?
「レアゴーストは人の形を成しているのかしら?」
と質問される。
「ん?そうですが?」
「そ、そう。」
なんでだろう。ノエリアさん、冷や汗かいてる?
「ふむ。話変わるんですが、ノエリアさんははじまりの国の薬師メリルおばあちゃん知ってます?」
『ちょっと、ユウキ?!』
突然のことで、私をマスターと呼ばず名前で呼ぶアテナ。
「ええ、知ってるわ。親友だったのよ。惜しい人を亡くしたわ。」
哀しそうな目に変わるノエリアさん。
アテナ?聞こえてる?
『どういうつもり?マスター!』
あら、戻っちゃった。
いやぁ。どうせ後でバレるんだから今バラそうかと。
『私の心の準備というのがあるのよ?!』
「ノエリアさん。私の契約獣の1人をここで呼んでも?」
『ちょっとー!!』
「その、レアゴーストかしら。危険じゃないわよね?」
「全然危険じゃないです。この世界のレアゴーストが普通どういうものなのかは知らないですが、うちのアテナは悪い子じゃなく良い子ですから!少し恥ずかしがり屋ですが・・・ふふっ。」
「・・・わかりました。喚んでください。」
「ああ、喚ぶといってももうそばにいるんですけどね。最初から。ほら、アテナ姿を見せてあげて!」
「え?」
『マスターの馬鹿。むぅ。』
頬を膨らませたアテナが姿を現す。
「っメリル?!」
『・・・お久しぶりね。ノエル』
「一体どういうこと?!病気で死んだんじゃあ。」
「メリル、今はアテナという名前なのでそっちで話を進めると、とある研究を成功させた感じですかね。」
「とある研究?」
「不死です。」
『マスターの馬鹿!なんで言っちゃうかなー。幻覚魔法で姿なんかごまかせるのに。』
「知り合いが目の前にいるのに話せないなんて悲しくないの?」
『っ!そ、それは。』
「この前のパーティだって、一緒に楽しみたかったのに。すぐ二階上がっちゃうんだもん。私は家族を一人ぼっちにしたくて家族として暮らしていこうなんて言ってないよ?わかった?アテナ。」
『う、うぅー。ますたぁー。あ、ありがとう。』
「そう。メリルは不死になったの。体は死んだけど魂のみで生きているということね。それにユウキという新しい家族もいて幸せでいるなら私は満足よ。」
「なかなか手のかかる子ですねぇ。アテナは。昔からこうでした?」
「ええ。こんな感じよ。おばあちゃんなんて呼ばれてるけど、ずっと子供みたいなの。だからよくしてあげてマスターさん♪」
『子供じゃないもん!大人だもん!』
「ふふ。頑張ります。」
『んもう!』
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少し話が弾んで、外を見ると夕方近くになってしまっていた。
「あらあら、こんな時間になってしまったわね。今日はもう遅いから明日帰りましょう。レミリアも眠ってしまったようだし。」
「そうですね。明日の朝またお迎えにきますね。エルフの国の宿取ってこないと。」
「取る必要はないわ。セルビス、宿の準備は済ませてあるのでしょう?」
「ああ、皆さんが楽しく話してるうちにとっておいた。レイアがな。」
「レイア?誰ですか?」
「私よユウキ様。ここに案内したのも私。」
「ああ、そういえば、そうでした。すみません。わざわざ。」
「いえいえ。これも私の仕事だから気にしないで、さて、ご案内しますね。」
「はい。」
そう返事をするとノエリアさんもレミリアを抱えて立ち上がった。
「あれ?ノエリアさんと同じ宿ですか?」
「ええ。そうですよ。護衛なのなら守ってくださいね♪ちなみに、カルマはこの国に雇われた元凄腕暗殺者の護衛です。私たちを守ってくださっているの。この国にいる間は守ってくれる予定なのだけど。ユウキがそばにいるなら任をといてもいいわよ?」
「えっとー?夜の間に襲われる可能性があると?」
「えぇ。そういうことになるわね。」
「ふむ。別に構いませんよ。ちなみにこれから行く宿は広いですか?それと契約獣は大丈夫ですか?」
「契約獣は大丈夫よ。広さも十分あると思うわ。三人が寝る部屋ですからね。」
と答えてくれるレイア。
「なら大丈夫だと思います。」
「ほう?自信があるのですか?それは挑みがいがありますね。」
挑戦的なカルマ。
「挑むんですか。」
面倒くさそうにきく。
「挑みますの?」
「だって気になりません?私の仕事を知っていてなお私をいらないというんですよ?」
まあ、凄腕の元暗殺者だって聞いてるけど。とりあえず、大丈夫だと思う。私の家族は強いから。私、もっと精進しないとね。あ、SP振り分けてない。宿に着いたら振り分けよう。もちろん、みんなのも。結構たまってそうだよなぁ。
あれ?そういえば西のボス戦前って振り分けたっけ?もしかして、そのせいで威力が弱かったのかな。振り分けてたら楽勝だった?・・・いや、そんなことないよ。多分。
そんなこと考えているユウキに、
「私を無視ですか?いい度胸ですね?」
殺意を潜ませた笑顔で言い放つ。
「あ、ごめん考え事してた。」
「・・・ふふっ。そうだ、いいこと思いつきました。私と勝負しましょう。私が負けたら何かスキルをお教えします。もし私が勝ったら私の弟子になりなさい。」
妖しい笑みを浮かべ、勝負を持ちかける。
「えー。弟子って、私。エルフの国永住とか無理だよ?」
「そこは大丈夫。私があなたにつきまとう・・おっほん。パーティメンバーとして加入するだけですから。」
今完全に、つきまとうって言った。絶対言った!!
「つまりストーカーですか。」
「そう・・・違います!」
「ノエリアさん助けてください。ストーカーがいます。」
「ストーカーはいけないわねぇ。エルフ王に通達しとこうかしら。でも、勝負っていいんじゃない?」
「王に通達とかやめてください。あなたが言うと冗談に聞こえない。」
「冗談じゃないもの。」
「やめてください。本当に!!」
形無しだな。ノエリアさんには。今度からノエリアさんに助けてもらおう。
「本当に勝負するんですか?なら、契約獣達と作戦会議しないと。宿の方も確認したいし。」
「まあ、妥当な判断ね。下見は大切だもの。レイアさん案内してくださる?レミリア、起きて、移動するわよ。」
「んん〜?けいやくじゅうみせてくれるの〜?」
寝ぼけている。かわいい。
「レミリア、宿に着いたら契約獣見れますよ。」
「ほんとう!?起きゆー!」
起きゆーってなんだ!かわいいな畜生!
「おはようございます。レミリア。」
にやけた顔で挨拶をしてしまった!気持ち悪がられてないだろうか?
「おはよ・・・う。」
赤くなって俯いた。りんごのようだ。あ、この世界ではプルの実のようだ?
なんか、赤くなって俯くのはユナちゃん以来な気がする。他にもいたかな。まあ、大丈夫だろう。
「ユウキ。あなた私の娘を惚れさせる気?なにその笑顔、私でも堕ちるわ。ほら、そこの男2人も見てみなさい。耳真っ赤よ。だらしない。」
「う、うるさい!不意打ちだったんだからしょうがないだろう!」
とセルビス。
「・・・・・・。」
無言で顔を隠すカルマ。
「笑顔?レミリアの発言で、可愛いなーって思いながらにやけちゃっただけですよ?」
「にやけの笑みが、それだったら、満面の笑みはどんなものなのよ。」
「さあ?」
「・・・まあ、ユウキ自身が知ってるわけないわね。鏡でもない限り見れないものね。」
「まあ、レミリアも起きたし、いきましょう!あ、レミリア、おかし食べる?」
「!食べる!」
「はい。クッキーしか今出せないけど。」
「ありがとう!・・・もぐもぐ!美味しい。サクサクでホロホロ!」
「そんなに美味しいの?クッキーって喉乾くのよね。」
「あ、飲み物もありますよ。」
「それ、ポーションじゃない。苦いのは嫌いなのよ。」
「これは自作です。甘いですよ。なにがいいです?プル、イーチ、グレー、ナナ、モン、ロン、ゴンの実味がありますけど。」
「え?甘いの?・・・じゃあ、イーチを頂戴。」
「私!プル!」
「はい、どうぞ。プルがこっちで、イーチはこれですね。」
「・・・なあ、それ俺にもくれないか?ポーションの方。ナナのやつが飲みたいんだが。」
とねだるセルビス。
「いいですよ。はい、ナナの奴です。」
「ぁ。私も欲しい。」
「カルマは敵なのであげないです。」
笑顔で断る。
膝を折り、地面に手をつけorzのポーズをとるカルマ
「じゃあ、私はくれる?ロンのやつ飲みたいわ。」
とレイア。
「はい、ロンのやつです。」
「じゃあ、みんなで飲みましょう!」
「「「「せーの!!」」」」
ごくごくごく・・・
「うまっ!」
「美味しい!」
「甘いわね。」
「わあー。おいしー。」
セルビス、レイア、ノエリアさん、レミリアの順。
「ユウキ、これの作り方後で国に売ってくれないかしら、お金は払うわ!」
「別にいいですよ。簡単に作れますし。」
「おかーさん。クッキーも食べてみて!」
「あら、そうね。いただくわ。・・・!美味しい。普通のクッキーじゃないわね?!」
「え?普通のクッキーですよ?私の作ったやつですけど。」
「ユウキ、料理ができるの?!」
「ええ。まあ。」
「それなら、これから行く宿で、作ってくれない?私たちに!材料とかはその宿にあるものでいいわ!」
「2人分ですか?」
「私も食べたいんだが・・・。」
また、カルマが食いつく。
「あなたは敵でしょう?」
「だめか?」
服にしがみついてきた。
やめて欲しい。痴漢として叫んでやろうかと思ったとき、カルマが急に飛びのいた。
「ぐぅっ!!食らったか。」
『私のユウキ様に触るな!!!』
「っ?!どこから声が?」
この声は案の定ラウのようだ。
「ラウ?守ってくれてありがとね?」
よしよし、と撫でてやる。
『ユウキ様、この汚物消しとばしていいですか。』
と怒り心頭のようだ。
「消しとばしちゃダメだけど、今夜寝込み襲ってくるそうだからそのときは半殺しにしていいよ。私と、ノエリアと、レミリアを守ってくれる?」
『勿論です!』
意気込むラウ。
『マスター私ももちろん守るからね?』
負けじとアテナも言い張る。
「期待してるよ。・・・さて、カルマさん?頑張ってくださいね?うちの家族もやる気になったので、そう簡単に勝てないですよ?」
「・・・そうみたいですね。また、後で会いましょう。ユウキ。」
影に紛れ消える。
あのスキル欲しい。私が勝ったら要求しよう。
さて、今夜はどんな夜になりますかね?




