第3話チュートリアル①
「それではチュートリアルを始めます。」
「まずはじめに、ステータスの確認のため『 メニュー 』と声に出してください。」
チュートリアル説明をしているナビさん(勝手に名前つけた)の言う通りにやってみた。
「《メニュー》」
すると、メニューと書かれた文字が目の前に現れ、その下に《アイテム》《装備》《ステータス》《アーツ》《好感度》《フレンド》《ログアウト》《ヘルプ》という表示が現れた。
おおー。と感心しているとナビさんが詳しい説明をしてくれた。要約するとこうだ。
《メニュー》と唱えるとその他の装備や、アイテムの閲覧・使用、ステータスの閲覧などができるようだ。
この《好感度》と、《アーツ》のことはβテスターの人たちの書きこんだ掲示板に記載してなかったので正式版からのものなのだろう。
まず、好感度システムは、この《ファンタジー・テクニカル・スキル》の世界のAIが組み込まれたNPCの好感度を表示するようだ。この世界には8種族あるが、国は9個ある。それぞれの種族たちの国と私たちプレイヤーが最初に訪れる国である。この国は様々な種族が集まるところでもあるため、特に差別的なものはないらしい。
その9つの国の好感度を表示するようだ。国に住むNPCと仲良くなると、買い物するときに、値段が少し安くしてもらえたりするようだ。他にもメリットはいくつかあるようでなかなか楽しそうだ。
次にアーツは、スキルのレベルが上がることで覚えるアーツの一覧のようだ。レベルが上がることで覚えるアーツもあるが、経験していくうちに覚えていくアーツもある。スキルも似たような感じがあるため、なんとなく納得した。
私が微妙な顔をしていたのを見ていたのか、ナビさんが声をかけてきた。
「何かわからないところがございましたか?」
「え?あ、えっと、戦っているうちに覚えたとしてもすぐに使えるのかなー?と思って。」
「それは、大丈夫です。戦闘中に覚えたアーツは、戦闘の邪魔にならないように左の方に『ひらめきにより、アーツ名〇〇を覚えました。』というログが流れるので見落としはなくなるとおもいます。」
「へー。」
と、ユウキは納得したようだ。
「アーツ名を唱えることで使用はできます。まだ何も覚えてない状態なので短剣のアーツを覚えてみましょう。魔法のアーツはユウキ様は・・・光と風ですので、〔ライト〕〔ヒール〕〔ライトボール〕〔ウィンドボール〕となります。
魔法はレベル1から使えるものがあるので、こちらを使用することによりスキルレベルが上がりこのほかのアーツを覚えていきます。しかし、ゆうき様は魔力操作というスキルをお持ちでないのでまずそちらのスキルをおぼえることから始めましょうか。」
「よろしくおねがします。ナビさん!」
ナビさんが急にきょとんっとした顔になった。かわいい!って違う違う。
「失礼しました。ナビさんとは、私の名前でしょうか?」
言われて気づいた。ごく自然に叫んでしまった。
「あ、そうです。すみません、勝手に名前つけてしまって、気に入らなければ呼び名変えます。はっ、それ以前に名前ってありますか?名前があるのにナビさんなんて安直な名前つけてしまって・・・。」
「落ち着いてください。私に名前は元々ないんです。あったとしてもNO.1216とかですし・・・。ナビさんっていう名前結構気に入っていますのでそのように呼んでください。」
慌てて謝罪をする私に感謝してくれるなんてこのAI・・・じゃなくてナビさん優しい!!
「それでは気を取り直しましてっと魔法操作についてお話ししましょうか。」
「はい、よろしくお願いします!」
「まず、ユウキ様に私が魔力と呼ばれているものを流しますので目を閉じて感じてみてください。その感覚を維持し、右手に集まるイメージまで成功することで《魔力操作》を覚えることができます。では、始めます。」
ナビさんが私の肩に手をあててきた。そのあとじんわりとその部分が暖かく感じるようになってきた。ナビさんの言う通りに目を閉じてそれを感じ取ろうと試みた。んー、はっ!なんとか、身体全体に循環してる感じを掴む。ナビさんの魔力が消えかけるが、自分の魔力というのもギリギリで感じられた。それを右手に集める。
ピロン♪《魔力操作》を取得しました。
おおーこんな感じに取得できるのかー。面白い!いろいろ試してみよう!
その前にナビさんから短剣スキル覚えるためにどうすればいいか聞かないと。
「ねぇねぇ、ナビさん。ナビさん?」
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【ナビさん視点】
ユウキ様の肩に手を当て、魔力を流して見守ること1分。驚きを隠せない様子で見つめている。
(ぇ。嘘、あんなに早く魔力を感じ取るなんて。ユウキ様・・・凄い!でも、私はこのチュートリアルが終われば次の人のチュートリアルに移らなければならない。うぅ〜ついていきたい!この人のそばで戦いたい!!でもどうすればいいんだろう?あの人にコールしてみようかな?)
ついていきたいという考えを持ち、どうすればついていけるか自分より上層部の人に聞こうとしていたナビさんに声がかかる。
「・・ね・・ぇ、ナ・・ん。ナビさん?」
(はっ!)
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「はっ!すみません。聞いてなかったです。なにかお困りごとですか?」
「あ、《魔力操作》を無事に習得できたので次に短剣スキルを覚えたいんですけど・・・。」
「あ、はい。無事に習得できてよかったです。では、短剣アーツを覚えるためにまずバトルの仕方ついてお教えしますね。」
「はい、よろしくお願いします!」
チュートリアル長いかなー?ようやく、魔法を使えるようになりました。魔力操作はスキル習得画面にはなくて、属性魔法のどれかを取っていればチュートリアルの中に組み込まれる仕組みになってます。ステータスの確認は次回やるつもりです。