第22話 北に行く前に準備!
〜武器屋〜
「ガッツさーん。ただいま〜。」
「おう!ユウキか。おかえり!無事に終えたか?」
「うん。終わったよー。ちょっと大変だったけど。それでね。今日、北に行かないといけなくなってね。いい防具屋を教えてくれないかな?」
「いい防具?・・・それなら後ろの二人に聞けばいいんじゃないか?」
一瞬悩んだ仕草をした後ニヤニヤしながら、二人を見て言い出した。
「うぐ。わかってるくせによう。」
苦虫を潰したような顔になる二人。
「ガハハハ、やはりか。あいつも同じことしてんのか!」
「あいつ?」
「俺の弟だ。ファイと言うんだがな、あいつは防具屋をやってるんだ店の名前は “ソウテツ” だったと思うぞ?」
「へー。」
「わしから連絡を入れとくから、ユウキの方は大丈夫だろう。」
「そこは俺たちも大丈夫って言ってくれよ!」
ツッコむラタ。
「それは、ユウキ次第じゃのう。まあ、大丈夫だろう。」
「じゃあ、そのソウテツっていうところ行ってみるね!連絡よろしくね!」
「おぅ!任せとけ!」
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「防具屋を知ってたなら教えてよー。まあ、挨拶も兼ねてだったから別にいいけどさ。」
「悪い。ここでも、紹介状的なもの必要だと思ってさ。ユウキの後にくっついてればもらえるかなーって。」
と、ノア。
「はあ。まあ、君らに紹介されてても、聞くけどね。信頼できてないので。」
「信じてないの?!俺たちのこと!」
驚愕!って顔して聞いてきた。
「だって、トッププレイヤーとしての働きを一度も見てないもん。信頼はできないかな。本当にトップ?」
「いや、それは君が全部取って行っちゃったからで・・・。」
「良いところはお前が取ったんじゃねえか!」
「そんなこと言われても、普通に冒険してるだけだもん!」
「「はあ。」」
よくわからないがため息つかれた。
「普通じゃねえだろ。絶対。」
「ああ。そうだよなぁ。」
黒龍と似たようなことしてるし。聞こえないけど、なんかこいつらがやるとイラつく。
〜防具屋〜
「こんにちはー!ユウキといいます。ファイさんいらっしゃいますかー?」
「ん?ユウキ?・・・あぁ、さっき兄貴がそんな名前のやつの連絡して来たな。どんな防具が欲しいんだ?」
「私は、軽装備がいいです。素早く動き回りたいので。それとフード付きの装備とかありますか?」
「軽装備か。・・・そういえばお前、料理するんだってな?菓子作れるか?」
「お菓子ですか?作れますよ?何か希望あります?」
「甘かったらなんでもいいが。」
「んー。じゃあ、ケーキ作りますね。
オリジナル/ケーキ/フルーツケーキ/調理!・・・・よし、できた。」
「なんか、いっぱい果物乗ってんな。」
「はい。ファイさんは甘いもの好きなんですよね?クリームも甘めにしましたけど大丈夫ですか?」
「甘いものだったらなんでも食う!安心しろ!すぐになくなる!」
甘いもの好きのドワーフで防具屋さん。面白い設定だ。ガッツさんとは逆だなー。あ、ケーキはこんな感じ。
【フルーツケーキ★】
品質 B 出来上がり度8
効果:空腹ゲージ25%回復
HP回復10%
多くの種類のフルーツが盛られたケーキ。
甘めに調節されたクリームでコーティングされたケーキ。甘党の人にはちょうどいい。
うん。私も甘党だから。美味しくいただけるね。
「うめぇ!クリームはもう少し甘くてもいいぜ!フルーツもみずみずしいものばかりだ!よし!満足した!初回の防具料金タダにしてやる!あと、フード付きのマントがあるが、それでいいか?色はどれがいい!!!!」
マシンガントークで感想を言い、防具に関して話したファイ。
「とりあえず、落ち着いてファイさん。」
「はっ!悪い悪い。つい興奮しちまった。」
「ふふ。じゃあ、マントの色はね・・・灰色かな〜?黒だとこの髪が目立っちゃうから意味ないしね。」
「わかった!じゃあ、あとの軽装備も含めて、こんな感じでどうだ?」
「えっとー?」
【魔道フード(灰色)】
レア度4
効果:防御+10 魔防+50 速さ+15
説明:状態異常の魔法攻撃を防ぐ代物。
魔法攻撃の威力を半減させる効果を持つフード付きマント。
【ウルフ耳】
レア度4
効果:防御+5 速さ+5
説明:ウルフのフサフサの耳を表現したネタ装備。髪の色に合わせて色を変える。
【ウルフの革鎧】
レア度2
効果:防御+10 魔防+5 速さ+15
説明:狼の皮を使った革鎧。ウルフ特有のスピードが少し加算される。
【ウルフのアームガード】
レア度2
効果:防御+5 速さ+10
説明:グレイウルフの皮を使ったアームガード。ウルフ特有のスピードが少し加算される。
【革ベルト(尻尾付き)】
レア度4
効果:防御+5 速さ+10
説明:革のベルトに狼の尻尾が付いているネタ装備。スピードが少し加算される。
【黒の靴】
レア度3
効果:防御+5 魔防+15 速さ+20
説明:闇魔法が付与されており、足音を完全に消してくれる靴。主に暗殺者や、ハンターに向いている。
「・・・・・・・・・・・・・。」
うん。ちょっと待とう。深呼吸していると、後ろの二人が心配そうに声をかけてきた。
「お、おい?どうした?」
「大丈夫か?」
ノア、ラタの順だ。
「大丈夫。ネタ装備って文字を二度みてそれをなぜ勧めた!って聞きたいけど。大丈夫。」
「「はっ!?」」
驚く気持ちはわかる。私は絶賛驚き中だ。
レア度もおかしい。革鎧は普通だと思う。なぜ、狼耳何だ!尻尾付きベルトってなんだ!狼は好きだけども!かわいいなー。って思っちゃったけども!
「いや、似合うと思うぞ?なかなかの性能だしのう!ユウキはスピード重視なのじゃろう?じゃあ、今この辺で手に入る素材でスピードを高めるといえばウルフじゃからな。」
「いや、かわいいなーとは思ったけど。ウルフ攻め過ぎじゃないかな?」
「だめかの?」
なんでドワーフで男のくせにうるうるさせた目でこっちを見るんだ!やめろ、気持ち悪い!とは言えないが!気持ち悪い!!
「うぅっ。・・・・・でも・・うぐ。ぐぐぐぐ・・・・・・・・・わかった。・・・・・・この装備もらう。」
「えらく長く葛藤したな。じゃが心は決まったようじゃな!早速装備してくれ!もちろん最初はフード付きマントはつけるんじゃないぞ?」
「チッ。ばれたか。ハイハイ着けませんよー。」フード付きマント着て隠そうと思ったのに。チッ。私は渋々、装備する。
「ふむ。見立て通りじゃな!さすが似合っとるわい。ユウキ、ほれ、こっち向け。」
「むう。なに?「カシャ」・・・はっ?」
「なかなか綺麗に撮れたの。」
「ちょっと待ったぁぁぁ!今、なにをした!」
「ん?カメラで撮ったんじゃ。これから兄貴とかに見せようと思うてのぅ。」
「なんで!?」
「お前さん街の中ではフード外さん気じゃろう?それでは見えぬではないか。この街の者たちは見たいのに。」
「見られるのが恥ずかしいから、隠すんでしょうが!こら!流そうとするな!写真を消しなさい!」
「もう無理じゃい、流したからの。」
「ファイさん。ちょっと路地裏行こうか。」
「な、なんじゃい。そんな怒ることなかろう!ちょっ!そこの二人、装備初回無料にしてやるから助けろ!」
「いやぁ。これは、俺たちには止められない気がするが。」と引き気味に断るラタと、
「初回無料か!やる!」
やる気満々になったノア。
「ユウキ!俺とPVPしろ!それで俺が負けたらこの人を煮るなり焼くなりするがいい!」
「・・・おい、それはやめといたほうが。」
と焦るドワーフのファイさん。
「トッププレイヤーである魔王がいきがったルーキーをなぶり倒してやらあ!」
なにやら、いろいろなことを言い含めたノアさんが叫ぶ。
「ノアさん、何歳だっけ?」
「ん?俺は22の大学生だが?」
「その歳になって、魔王って呼ばれて喜んでるんだ。厨二病患ってます?」
ビュホォォー
冷たい風が吹雪いた気がした。
「「「・・・。」」」
1人は笑顔で固まり(ノア)。1人は引きつった顔で固まった人を見る(ラタ)。1人はオロオロしている(ファイ)。
笑顔で固まった人は手で顔を隠して、店の隅で泣き始めた。
私は、こいつらに当たってもしょうがないので、とある交渉をすることにした。
「ファイさん、もう送ったのはしょうがないとして。次も防具はまともなもので、安く!売ってくれますよね?」
「お、おう!わかったからもうその顔はやめてくれ。」
おかしいな。普通に笑って交渉に挑んだんだけど、まだ殺気があったかな?
なんかすすり泣いている人の声が聞こえるけど無視しよう。ってか、このゲーム泣けるんだ。初めて知った。こんな形では知りたくなかった気もする。もう写真を撮られないために、フードマントを装備して扉に手をかける。
「じゃあ、私は先を急ぐので失礼しますね。」
「え?これ放置するの?!待ってこの場に置いてかないで!」
なんか、懇願するラタさんがいる。
ノアさんを置いていこうとラタさんがでようとするが、
「まて!せめて、店から出すの手伝え!このままじゃ他の客に迷惑じゃ!」
ファイさんが、ラタさんの装備を掴み捕まえる。
「他の客なんて来ないだろ!」
なんか、ギャーギャー騒いでる人がいる。これでは目立ってしまう。スキル隠密をすぐに使う。
「あれ?ユウキ!どこいった!1人だけ逃げるなぁー!」
ガンバレー(笑)ラタさん!私は家族を迎えに行かなければならないんだ!
さらば!
ステータス
名前:〈ユウキ〉
種族:天龍
メインジョブ:サモナーLV9
サブジョブ:暗殺者 LV2
HP 75
MP 80
攻 32 (+55)
防 17 (+40)
魔攻 18 (+35)
魔防 17 (70)
速さ 30 (+85)
器用 13
運 16
《スキル》
< 風魔法 LV6 > < 光魔法 LV5 >
< MP回復 LV8 > <短剣士LV3 >
< 採取 LV6 > < 蹴りLV6 >
< 殴りLV4 > < 調理師LV4 >
< 調薬 LV3 > <鑑定士LV1 >
<魔力付与LV3 > < 召喚魔法LV8 >
< 錬金LV2 > <隠密LV5 > < 隠蔽LV5 >
< 威圧LV1 >
契約獣
ウインディ(フレイムウルフ)LV1
ヒカル(ライトニングウルフ)LV11
称号 なし
所持SP 14
所持金 8250G