第11話 カレーパーティー
危ない危ない。食材買い忘れるところだった。市場に向かう。
「いらっしゃい。お嬢さんこのプルの実甘くて美味しいよ!他にも調味料として、塩と砂糖をうちは売ってるよーどうだい買っていかないかい?」
プルの実は林檎のような赤い実だ、おいしそう。
「それじゃあ、お姉さん。プルの実を1つと砂糖と塩を一袋ずつ頂戴。」
「あははは!お姉さんなんて歳じゃないよ。私はマリンダだ。呼び捨てで構わないよ!じゃあ、砂糖と、塩は300Gずつ。プルの実は100Gだよ。全部で700Gだ!」
「じゃあ、マリンダさんこれでちょうどね。小麦粉とか欲しいんだけど出回ってる?」
「小麦粉かい、それは〜生産ギルドで売ってるよ。他にも調味料とか珍しい物も売ってるから見てきなさい。魚や、肉は自分で取りに行くしかここらは無いけどね。」
「そうなんだ。マリンダさんのところは旬の果物を主に売ったりしてるの?」
「ああ、果物は森の近くで採取できるからね。」
「じゃあ、果物はマリンダさんのところで買うことにする!あと、砂糖とかも!」
「あははは、そりゃあ、ありがたいね。よろしく頼むよ。あんた、名前はなんだい?」
「私はユウキだよ。よろしくねマリンダさん!何か美味しいものが作れたら、持ってくるね!」
「あぁ、楽しみにしとくよ!」
笑顔で送り出してくれたので、料理に精を出して行かないとね!
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生産ギルドにようやく到着!
どこで、食材が買えたり、生産スペースが使えたりするのか、近くの人に聞いてみた。
「こんにちは、小麦粉とかを買いたいんですが、どこに売ってますか?」
「食材の販売は、左側の受付で行っております。右側の受付は生産スペースの貸し出しのためのものとなります。」
「わかりました。ありがとうございます。」
早速、左の受付に向かう。
受付には水色の髪のお姉さんが居た。
「いらっしゃいませ。何をお求めですか?」
「えっと、ミルクと、小麦粉と、ココアが欲しいんですがありますか?」
「はい、ございます。ミルクは1リットル400G、小麦粉は、一袋250G、ココアは小袋100Gとなります。どうされますか?」
今の所持金は2800G。
「じゃあ、ミルクは2リットルで、もう2つは1つずつで!」
これで、1650G
「他にご注文はございますか?」
その後、油や野菜、調味料の中にスパイスセットっていうのがあったから買って、器とかも数枚と、ガラス瓶も買って、残りの所持金350G。
使いすぎた。
まあ、あとでまた稼ぎに行くかな。
さっき案内された通り右側の受付に行く。今度は茶髪の男の人がいた。
「こんにちはっす。生産スペースのご利用ですかっす?」
「あ、はい。時間制限とか利用金額とか教えて欲しいんですけど。」
「はいっす。1時間で100Gっす。最高、6時間のご利用が可能っす。今日はどうするっすか?」
「えっと、3時間でお願いします。」
「じゃあ、300Gっす。・・・はい、丁度っすね。空いてるとこならどこでも使っていいっす。ごゆっくりどうぞっす。」
「わかりました。」
私こういう言葉遣いの人少し苦手なんだよね。あはは。少し急ぎ足で、個室に向かう。個室は別料金だったりするかと思ったけど違うようでよかった。そして、私の所持金50G。何も買えないなこれ。
よし!気を取り直して、お菓子から作ろう。
まず、初級料理セットを取り出し、
レシピ/お菓子/クッキーを選択する。材料を分量を量って用意して、調理!と答えると。
【丁寧に作られたクッキー】
品質:B 出来上がり度:6
効果:空腹ゲージ10%回復
HP5%回復
丁寧に作り上げられたクッキーなのでHPも回復する。
ができあがった。
料理やプレイヤーが作り出した生産品は品質と出来上がり度、効果が記入される。他の人のものを見たこと無いけど、なかなかいいものでは無いかと思う。
次はちょっと、砂糖の分量を変えて作ってみた。
【甘めのクッキー】
品質:B 出来上がり度:4
効果:空腹ゲージ8%を回復
甘すぎないが、食べ過ぎるとのどが渇くため、空腹ゲージが1%減。
こんなものができた。
甘すぎたら空腹ゲージが5%減って感じになる可能性があるから、これ以上は試さない。
次は飴だ。これは、プルの実を絞った果汁を加えたら美味しいのではないかと思って作ってみた。
【飴玉(プルの実味)】
品質:A 出来上がり度:7
効果:空腹ゲージが2%回復
プルの果汁が入ったプルの実味の飴。
この飴は一回の調理で5個できあがった。材料もそんなにいらないから、いいかもしれない。他の果物はマリンダさんのところで仕入れよう。
これで一応、ゲイル爺さんのクエストはいつでも完了する。でも、今覚えているのは3種類。マフィンも少し工夫して作っておく。
【丁寧に作られたココアマフィン】
品質:A 出来上がり度:7
効果:空腹ゲージ10%回復
HP5%回復
丁寧に作り上げられたココア味のマフィン。ココアの苦味は砂糖でバランスよく調整されている。
【丁寧に作られたマフィン】
品質:A 出来上がり度:7
効果:空腹ゲージ10%回復
HP5%回復
丁寧に作られたマフィン。甘さが調節され、とても美味しい。
よし、2種類できた味が違うだけだけど。
お菓子はこのぐらいにしてメイン料理にはいろう。
野菜と、スパイスがてに入ったから、カレーにしようかな。残念ながら米はないからナンでも作ろうか。先にナンだな。
【丁寧に焼き上げられたナン】
品質:B 出来上がり度:8
効果:空腹ゲージ10%回復
HP20%回復
丁寧に焼き上げられたナン。このままでもいけるが、スープと組み合わせると空腹ゲージの回復が10%増加
【丁寧に作られたカレー(中辛)】
品質:A 出来上がり度:10
効果:空腹ゲージ60%回復
HP40%回復 MP10%回復
丁寧に作られたカレー(中辛)。食べると攻撃力が一定の時間10%上昇する。
効果対象時間:1時間
これ、大丈夫だろうか。世に出して。出来上がり度10ってMaxのことだよね。んー。これはプレイヤーにあげるのはやめとこう。
そんなこと考えてたら、
コンコン!
ビクッ?!
「はい?!なんですか?」
「すみません。作業中のところ悪いんですが、お話よろしいですか?」
「えっと、何の用でしょう?」
「突然すみません。ここの、生産ギルドのものです。扉をお開けしてそちらに入らせてもらってよろしいでしょうか?」
「えー、えっと、ちょっと待ってください。」
少し片付けよう。カレーはアイテムボックスにしまって、材料も、しまおう。お菓子は出しておこうか。味を見てもらいたいし。よしいいかな。
「あ、お待たせしました。入ってきてもらって構いませんよ?」
「では、失礼します。」
「あ!さっきの材料販売してた人ですよね?どうかされましたか?」
入り口から入ってきたのは、材料販売してた水色の髪のお姉さんだった。
「あぁ!先程の!あのですね。その、お恥ずかしいのですが、いい香りがこの個室から漂ってまして、味見をさせていただきたくてまいりました。」
「え?味見ですか?」
「はい!冒険者様が、スパイスセットをお買い上げになりましたよね?それを使う他の冒険者様もいらっしゃったのですが、こんなにいい香りを出す人はいなかったんですよ!それで、堪らずここにきてしまいまして・・・。」
顔を少し赤め、うつむきチラチラとこちらに視線をよこしながら、恥ずかしそうに言った。
「スパイスの料理ですか。うーん。あれはあまり外に出す気は無くてですね、自分だけで食べようと思ってたんですが・・・どうしても食べたいですか?」
「どうしてもです!お願いします!」
うっ。美人さんが頭を下げている。心苦しいです。条件付きにしよう。まあ、簡単なものだし、大丈夫だろう。
「では、ある条件を呑んでくれたら出しましょう。」
「っ!なんでしょう!」
食いつき早っ
「えっとですね。まず、この部屋の外で並んでる生産ギルドの人も食べてもらいます。ただし、冒険者には出せないです。そこをあなた方に説得してもらうこと。あと、ここで買う材料の値段を値下げして欲しいとかダメですか?」
「まず、前者の方はこちら側からお願いしたかったことなので承ります。後者はギルドマスターじゃないと・・・。私の一存では決められないので・・・。」
「そのギルドマスターさんに食べてもらってそのあと考えてもらうことは可能ですか?」
「それは、大丈夫だとおもいます!」
「その場合、私が外に出ないとダメですよね?ここから。それだと他の冒険者に顔がばれてしまう可能性があるんですが・・・どうしましょう?」
「それに関してはお任せください。ギルマス連れて来ればいいだけなんで!!すぐに連れてきますね!」
そう言って美人さんはドアから飛び出していった。
「連れてくるだけって、え?ちょっと待って、くだ、さいって行っちゃったよ。」
んー。お皿の枚数足んないよね。一応準備しとこうか。量は足りるかな?まあ、いいか。材料の値段下げてもらえればいくらでも作れるし。今お金ないけど。お菓子の方も味見してもらおうかな。ゲイル爺さんのクエストは今日行けそうにないな。明日行こう。
扉の外の声がだんだん小さくなって・・・いってないよ?!さらに大きくなってる!!
えっとー帰りたくなったよ?めっちゃログアウトしたい衝動に駆られてます!
しばらくして・・・。
コンコン!
「あ、はいどうぞ。」
「失礼する。私が、生産ギルドマスターのジェイドだ。サブギルマスが、どうしても食べたいとあんたの個室に乗り込んだあたりのこと悪かった。謝罪する。」
「え。いえいえ。別に大丈夫なんで、頭あげてください。というか、さっきの美人さん、サブギルドマスターだったんですね。私の名前はユウキです。よろしくお願いします。」
「あいつ、自己紹介もしてないのか!本当にすまん。あいつの名前はルキアだ。それで本題だが、食べることについてはいいのか?冒険者には出せないとか言ってた理由はなんだ?」
「あ、えっとですね。まあ、料理の鑑定して貰えばわかると思います。」
「では、鑑定してもいいか?理由ははっきり知っておきたいのでな。」
「はい。いいですよ。」
鑑定OKだと伝えると料理を鑑定し始めた。驚愕の顔になり、唾を飲み込んだ様子を見てやっぱり、やばいんだと察する。
「あー、これはヤバイな。今冒険者に伝えるのはヤバイ。」
「でしょう?だから口止めもお願いしたいところです。私はまだ目立ちたくないので。」
「わかった!ああ、それとな、値下げの件別に構わないぞ。美味しいものに変わるなら食材も嬉しいだろうから。」
「え、本当ですか?!やった。」
「他にいるものあるか?」
「あ、お皿足りないと思うので、お願いします。追加が欲しかったら材料費払ってくれれば作りますって伝えてください。それと、女性の方にはお菓子もあるのでそちらもどうぞとお伝えください。」
「いいのか?そんなこと言って。作らされるぞ?」
「まあ、ここ貸し切れるのあと2時間だし、他の生産はできそうにないと思ったので、いいんです。」
「わかった。伝えてこよう。では、またあとでな。」
「はい。」
あはは今日は料理のスキル上がりまくるな。まあ、ステータスあげるのにもちょうどいいかな。生産してても強くなれるってこのゲームいいよねー。
コンコン!
今日3回目。扉が開かれる。
さてさて、頑張りますか。
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ふふふ。わたしはやりきった。もう宿に帰ってログアウトしよう。疲れたー。
あと2時間の貸切だったはずが、ギルドマスターまでノリノリで3時間伸びるしカレーはお代わりされまくって、追加を2回も作らされたし。お菓子は全種類3回作らされた。レパートリーは、レシピを使えば増やせるけど、増やしたら終わらない気がしたのでやめた。
ログアウトすると、午後7時夕食どきだった。そういえば、今日はカレーにしたんだった。当分カレーは見たくないかな。
ステータス
名前:〈ユウキ〉
種族:天龍
メインジョブ:サモナーLV2
サブジョブ:短剣使いLV5
HP 60
MP 80
攻 18
防 12
魔攻 12
魔防 11
速さ 14
器用 12
運 10
《スキル》
< 風魔法 LV4 > < 光魔法 LV3 >
< MP回復 LV3 > < 短剣 LV7 > < 採取 LV5 >
< 蹴りLV5 > < 殴りLV3 >
< 料理 LV1→Max >
< 調薬 LV1> < 鑑定LV6→8>
< 魔力操作 LV5 > < 召喚魔法LV2 >
< 錬金LV1 >
所持SP 12→23
所持金 50G