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姉弟初めてのVRMMO  作者: 神白
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第96話 再会!

まあ、とりあえず近寄って見た。


めっちゃ、シエルは嫌な顔をしていた。

『…』


まだ他の天使やらにはあってない。神殿の入り口を見つけたので入ろうとすると、シエルとクィナが何かに弾かれた。


「…?なんだろ。透明な見えない壁?」


『何者ですか?』

お、白い翼の生えた天使が現れた。


「こんにちは、この神殿の中には入れないのですか?」

『異界の者がここに何用だろうか?』

「ここに来るための地図を手に入れたので、来て見たんです。」

『…!地図を?………貴女は入っても構いませんが、後ろの2人はご遠慮してもらえますか。ここは神聖な神の住む場所。悪魔と堕ちた天使には踏み込んでいただきたくない。』


ちらっと後ろの2人を一瞬見て、汚物を見るような目になる目の前の天使。

少しイラっときた。


「2人も一緒に行きたいんだけど?」

『それは無理です。この神殿に貼られた結界が、彼らを阻むでしょう。』


結界?嗚呼、さっきのか。

なら壊せばいいんだね。


「そう、なら。正攻法で入るのやめます。」

『はい?』


魔力纏で魔力を操り腕と剣を覆う。

『っ!何するっ!!!』

「離れていた方がいいです…よ!!!魔蓮華!!!」


パキパキッパキイィィィィーン!!!!!


「あ、割れた割れた。さて、入ろうかな。2人とも。」

2人の手を引いて歩き出す。


『…お母様すごーい。』

『…天使界の最強の結界がいとも簡単に…』


『…………な!?待て!!』

後ろから魔法を打とうとする天使の魔力の動きを感知。


ひとまず無視。

まあ、魔力纏で2人覆ってるし、無傷だろう。


それにしても神殿ねー。なんとなく察しているけど…いるんだろうなぁ。


『なんで魔法が効かない?!』


『あの天使の魔法が…』

『弾かれてますね。変な感じです。まるで強固な結界が身を包んでいるような。』


「結界なんて作ってないよ?魔力で包んでるだけ。」

『だけではないと思うよ?』

『だけではないです。それで、師匠はここにどのようなご用事で?』


「んー?再会と、契約かな。」

『『え?』』


ピロン♪

クエストが進行しました。

確認してください。


ホイホイ。


エクストラクエスト[怒りを鎮めよ]



…ん?なんで怒ってるの?


ゴゴゴゴ…


何かが動き出す音が奥の方でし出した。


『あ、ああぁ…神龍様がお怒りになられてしまった!!貴様のせいだぞ!異界人!』


『っ!神龍様が?!』

『天使界の神龍って…まさか、悪魔界で伝わっている龍神様?!』

『師匠今すぐ逃げましょう!!』

『勝てっこないよ!』


ズシンズシンと動く音が聞こえる。特に怖いと思ってはいない。だから…


「よし、行くか。」

『『えぇ?!』』


「おーい、どこー?」


【………た。】

あ、いた。


【やっとキタァァァ!!!なんでなんで早く来てくれないんですか!嫌味な天使しかいないこの神殿でまたなんていじめからはやく抜け出したくて少しズルさせてもらったのに!なんで寄り道するの!なんでまっすぐに会いに来ないの!!すごくすごーく1秒でもはやく会いたかったってのに!なんで……なんで会いに来てくれないのぉ!】


…わぁ、泣き出しちゃった。


大きなドラゴンの像の姿で…

寄り道したのがそんなに嫌だったみたい…


「あー…落ち着いて?」

【ユウキ様のバカバカバカー!】


今の大きさではよしよしもできそうにないししたとしても嬉しいかどうかわかんない。像だからね。

そして、料理も無理そう。もう一度言うけど像だからね。


んー。

「……イナンナ。落ち着いて。」

【例え落ち着けと言われても落ち着いていられ……………今なんて言いましたか?】


「イナンナ、新しい名前気に入らない?…頑張って考えたのになぁ?知識の女神の名前。ねぇ、イナンナ。私はイナンナのこと大好きだけど…………イナンナは私のこと嫌い?もう一生許してくれない?………そんなの寂しいなぁ。」

【っ!!!イナンナ…?わた…しの……名前?】


「そう。………イナンナは…私のこと嫌いになっちゃったんだね。だから、名前なんか受け取ってくれないよね。契約して一緒に強くなっていけないんだね。」

顔を背けて、来た道に体を向ける。


【あ…あ、ああ!!もうっ!!私の負けです!!!行かないでぇー!!】

バハムート像は光り輝き、消えて、バハムート像がいた場所にポツンと綺麗で透き通った宇宙みたいな色の石が残る。


魔獣石というやつになったのかな?


ピロン♪

称号 神の使役者を取得しました。


名前はイナンナ。

早速孵化させる。


『ユウキ様ぁ♡』

「はいはい、遅くなってごめんって。」

小さな翼と小さなツノ、小さな体が私に抱きついてくる。頭を撫でてあやす。

手触りも鱗はすべすべ、鬣のところはサラサラ。


嗚呼、ドラゴンだ。


ドラゴンだよ?ドラゴン…ドラゴン♡

はぁっはぁっ…ドラゴン♡じゅる…


頭をあやすように撫でていた手を感じ取られないようにゆっくりと体を撫で回すように動かす。


『ユウキ様〜?………(ゾワ)っ!』

嗚呼バレたかな?


「イナンナ♡我慢してね?」

『ーーっ?!』


『ひぅっ?!ひゃんっ!待っやぁ』


ユウキの興奮が冷めるまで綺麗なお花畑でも想像して少々お待ちください。


『ゼーハーゼーハー』

「これからはずっと一緒だね♡」

黒龍様ストッパーが恋しいですぅ!!』

「イナンナは私のものだもん。黒龍といえど渡さないよ。」

『っ。ユウキ様のものっ!キャー!!!』


全ての仕草が可愛い。

まじ可愛い。私、落ち着け。いつでも愛でられるようになったんだ。龍人族の国にも行かないとなぁ。はやく空飛びたい。


「さて、帰るよ。みんな。」

『『……』』


おかしいな、返事がない。ただの石像のようだ。


『……神龍様が降臨なされたぁぁぁぁぁ!!!!』

天使はいつの間にか私たちをぐるっとか囲めるほど存在しており、全員がその場にひれ伏した。


クィナとシエルまで。


「おーい、クィナとシエルはこっちおいで。」

『神龍様とどういう関係ですか?!師匠!!』


平伏したまま頭もあげずに聞いてくるのでとりあえず無理やり立たせて顔をガシッと掴んで、もう一度言わせる。


「イナンナは私の家族の一員になった感じだけど?」

『な、なんですでに知り合いのように話しているんですか!』

「前にも会ったことがあるから。」

『そ、そういう意味ではなくっ!』


『シエルはどういう出会いなのか聞いてるんだよ。お母様。』


「えー?……神の世界があるのか知らんけどそこから下界を見て、この世界の人との交流を大切にしているという私を見て惚れられて、最初に出会った時に契約を約束して、契約に来た。……であってる?」

『合ってます!』

「だそうです。」


だそうですじゃないと2人はさらに頭を抱える。


『……神様を従えるなんて…お母様何者?』

「何者って……ただの異界人だよ。」

『でもでもっ!魔法も剣もすっごく強いよ?』

「それは努力の賜物です。」

『…努力してたかしら?…よくよく考えてみればおかしいわね…運の値はそんなに高くないはず…』

「え……そりゃ、イナンナが私のこと気に入ってたからなんかしてたんじゃないの?」

『いえ?何もしてません。何かしてしまったら面白くないでしょう?』


まぁ、そうだけども。

されてたとしても気づかないよ?

それにしてもおかしい…ね。


「まっ、そんな難しいことは置いといて。」

『師匠、置いといていいようなことではないような…』


いいの!

考えてもわからないなら後になってわかるかもしれないでしょ!


「イナンナとの契約終わったけどどこ行こうかな。他の行ってない国と言ったら…龍人族か……あ!獣人族!!行ってない!よし、獣人族のとこ行こっ!」

『獣人族ですか。レベル上げにもちょうど良いかもしれませんね。』


イナンナのステータス見ながら、外へと足を運ぶ。


『あ。忘れ物したわ!ユウキ様、先に行って…』

「ハイハイ、天使族への罰は後々。」

『えぇー…』

「悪魔界にも後で何かしらしとかないとなぁ。問題児ばっかりな世界だね。」

『問題児もいなくては面白くないでしょう?』

「神様がそんなこといっていーのかねー?」

『神様を使役してる規格外な主人のためにやってることなのでいいのです!』


それは全責任を私に押し付けてないか。

イナンナが反抗期だ。

まだ生まれたばかりだというのに…


「そんなこと言うなら送還するぞー。」

『わぁ!!ユウキ様もっとナデナデしていいですよっ!!』

「…ナデナデは毎日する。」

絶対に離さない。抱っこしたまま離さない。

…あ。これじゃ強くなんないじゃん。

でも、可愛いし、かっこいいし…離したくないし…食べちゃいたい…私だけのものに…


『ユウキ様?』


はっ!


「ん?」

『……先ほど目がイっておられたのですが…』

「…気のせいじゃないかな♪」

『…ユウキ様が病まない程度に一緒にいますね。』

「それは無理だと思うなぁ。ドラゴンが好きなのはずっとずーっと前からだからね。ドラゴンのためなら病むよ?」

『………では、ドラゴンではない人型の私は嫌い…ということですか…?私が好きなのではなく…ドラゴンが好きであるということですか?』


おっと、イナンナがウルウルと涙を溜めながら訴えて来た。確かにさっきの言い回しはそういう風に取れたかもしれない…


「違う違う、イナンナも大好きだよ?」

『……じゃあ、ドラゴンの私にキスできるなら、人型の私にもできますか?』

なぜそこでハグではなくキスなのかな?!


「……いや、それはまた違う話に…」

『…できないのですね…』

ドラゴンの姿で落ち込まないで!かわいぃ!…いや違う!流されるな…えとえと…


あたふたと、言い訳を考えていると。

『ふふっ。』

笑い声がしたから聞こえた。


…やられた。


「イナンナー!」

『ユウキ様の困り顔と慌て顔ゲットです。』

「私の表情のコンプなんか目指さなくていいからね?!」


『……シエル〜お母様が神龍様に取られた。』

『……相手は龍神様ですから…その…私でも逆らえませんね…』

『…う”ー』

『まあまあ。』


そんな会話が後ろでされているのに気づき、イナンナを腕の中から頭の上に乗せて、クィナを腕の中に抱き寄せる。


「クィナとシエルもおいで。」

『わっ。お母様!』


イナンナに見せつけるように、クィナのほっぺにキスを落とす。

『嗚呼?!』

『はうっ♡』


『ずるいー!』

ペシペシと頭を叩かれる。

『はわわっ♡♡』

クィナは顔を赤く染めて傘で顔を隠す。

「イナンナは意地悪したからやってあげなーい。クィナはいい子だもんねー?」

傘を少しずらしてクィナの顔に頬ずり。

『……』

視線をすぐ近くから感じた。


「んー?シエル?シエルもやってほしいの?」

『ち、ちちちがいます!!』

「シエルは男の子だからこれで我慢してね。」

頭をなでなで。

『(赤面)』

おおっ、可愛い奴め!


さて、契約すると言う重大イベントは終わった。

次は獣人の国だよ!


ケモミミ族だよ!モッフモフさせてもらえる友達を作りに行くよ!



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