聖夜に祈ろうか…僕等の幸せが続く様に…
こんにちは。僕の名前は姫城 時雨と申します。
そして、僕の彼女が氷野 桜燈さんです。
でも今とても僕は焦っています。
え?何故かって?
それは…乗る筈だった電車に乗れなかったからなんです。
だから、待ち合わせ時間に間に合わないかもしれないのです。
そんなことがあっては彼氏失格だと思い走っています。
「ギリギリ着いた……」
「お疲れ様。大丈夫?遅れても良かったのに…クスッ」
「あっ、笑いましたね…これでも、真剣に考えて出した案だったのに」
「ゴメンね?そんなに思われてると思ったら嬉しくて」
「あ、当たり前じゃないですか‼」
「うん、そっか。じゃあ、行こうよ。時雨君」ニコッ
そう言うと踵を返して、街の中に入って行く。
あぁ、この姿に一目惚れしたから今一緒にいれてる。嬉しいことです。
〜回想〜
あの日もこんな風に寒かった。
僕は体を震わしながら学校へ向かう途中で彼女にあったのだ。
「体の芯まで氷でガチガチに冷やされてる」
そんなことを呟きながら学校へ向かっていた。
「おはよう」
はっきりとした透き通る声が聞こえた。
でも、その声は少し焦っている様にもかんじた。
「ぉ、ぉはよぅ」
そう言った時には声の主は前を走り抜けて行った。
その姿が、その走り抜けて行く姿が
美しく儚く見えた。
足元に落ちた霜が彼女の周りをキラキラと飾っていく。
そんな彼女に僕は魅かれた。
〜回想終了〜
そんな昔のことを考えていると隣から冷たい目線が送られてきた。
びっくりしてそちらを見ると桜燈が頬を膨らましていた。
可愛いなと思いながら見ていると、
「時雨君、何か考えてて私の話聞いてなかったでしょ⁉」
「え?……ご、ゴメン…なさい」
「もう、もう一回言うから聞いててね?」「うん、わかった」
「この周辺にスケートが出来るところがあるの。そこにいかない?」
「それじゃあ行こうか♪」
そう言って桜燈の手をとって冬の街で遊んだ。
寒い冬 この手から伝わる温もりが 君との幸せ
氷が溶けても この幸せが続く様に 聖夜に祈ろうか
久しぶりの短編。カットにカットを積んだのでもう、駄目駄目です…それでも、読んでいただきありがとうございました。又、お越しくださいm(_ _)m