取りそこねた左手と、滑り落ちた右手の行方。
左手をポケットにつっこんで離さない彼、船形 凪樹(ふなかた なぎ)くん。
窓際最後列に陣取る船形くんは、いつも外を見てばかり。晴れの日も、曇りの日も、雨の日も。
空が友達と言わんばかりに、彼は友達をつくる様子がなく、人来るなオーラを放った仏頂面が、人を寄せ付けない。
そんな彼に興味を持った、私――竹中 侑(たけなか ゆう)は、空ばかりみる彼をずっと観察していた。
たまたま最後列で、彼とは机2つ分ほどの距離がある。暇潰しにはもってこいだ。さあ、きみはなぜ空をみているんだ? なんて、最初は興味本位で彼を見ていたんだけど。
机ふたつ分ほど開いた私と彼の距離は、冬季定期テスト最終日から、急速に縮まっていくのでした。
窓際最後列に陣取る船形くんは、いつも外を見てばかり。晴れの日も、曇りの日も、雨の日も。
空が友達と言わんばかりに、彼は友達をつくる様子がなく、人来るなオーラを放った仏頂面が、人を寄せ付けない。
そんな彼に興味を持った、私――竹中 侑(たけなか ゆう)は、空ばかりみる彼をずっと観察していた。
たまたま最後列で、彼とは机2つ分ほどの距離がある。暇潰しにはもってこいだ。さあ、きみはなぜ空をみているんだ? なんて、最初は興味本位で彼を見ていたんだけど。
机ふたつ分ほど開いた私と彼の距離は、冬季定期テスト最終日から、急速に縮まっていくのでした。
『閉じた左手と、空へ飛んだもの』
2013/08/17 09:16
(改)