2027年05月03日11時37分
とある映画を観てアイディアが浮かんだので投稿しました!!
ではとうぞ!!
2027年05月03日11時37分
日本H-S 学園騎士育成大学付属高等学校。南部訓練場にて。
日本海の海上に建設された人工島にその学園は有った。
交通手段は船に乗り約3時間の時間を掛け渡らなくてはならない。
世界から隔離された学園では学業の他にモンスターに対抗するただ一つの兵器『H-S 』を学ぶ為に生徒達は日々鍛練をしている。
ここ南側訓練場でも四騎のH-S が訓練の真っ最中だった。
『各騎セットアップ完了』
『了解!各員報告!』
無線機から聞こえる教官兼担任の声と共に点呼が始まった。
『H-S V- 3型「AGEHA 」セットアップ完了!』
『H-S V- 3型「KUMA 」セットアップ完了!』
『H-S V- 2型「TONBO 」セットアップ完了!』
『H-S V- 4型「RAION 」セットアップ完了!』
辺りに各騎から発せられるブースター音が鳴り響く。
『いいか!?今日の訓練は飛行訓練だ!!合図と共に上昇し!!コースをなぞりながら飛行!!またここに戻っても来い!!カウント5からスタート!!5…4…3…2…1…GO!!』
「見ろよ…H-Sの飛行訓練だぜ」
日本H-S 学園の高等部の建物、その5階の端から2番目の教室の窓側の席に彼は居た。
痩せた体に落ち着いた物腰、これで丸眼鏡でもかけていたら完全な優等生キャラだが残念な事に村中栄彦が掛けているのは 四角い眼鏡だった。
肩をつつかれた栄彦はチラリと窓の外を見たがすでに機体の姿は無くあるのはH-S が空に残した白い飛行機雲だけだ。
「『四華』の奴等か」
「お前わかるの!?」
「ほらあの…一番上の飛行機雲…とその下の飛行機雲、他の雲より太いだろ?アレは速度を出しやすいようにブースターをでかくした移動性重視型のバージョン3型特有の形だ。それに三番目の飛行機雲はよく見ると三本線が螺旋状になっているこれは旧加速理論を元に設計されたハーマン博士が試作用に作った……」
「あぁヒデわかったから!!もういいからH-S オタクに聞いた俺が間違いだったよ」
「なんだよふったのはお前だろ?」
栄彦の友人、原崎清継は友人の知識披露会を中断させる。
「次、村中栄彦!!」
「はいっ!!行ってくる」
「おう!!頑張れよ!!」
担任の呼び掛けで栄彦が教室を出た。
今ここではH-S 実戦志願者の選抜が行われていた。
モンスターに対抗するH-S 。
しかし戦闘で動いているのは何もH-S だけでは無い。
操縦者を『騎士』と読んでいるのだがその騎士を支えているエンジュニアの『調整者』。周囲の状況をオペレートする『観察者』達がいるのだ。
騎士に調整者に観察者、少なくともH-S 一騎に付き三人の人間がチームになっている。
ちなみに栄彦は騎士志望だ。
よってこうして定期的に行われる騎士選考会に参加している。
「失礼します」
栄彦は隣の教室に入るとガランとした室内には、試験官が三人机を並べて座っている。
三人の試験官は栄彦が入って来るなり顔をしかめた。
栄彦は三人の前に立ち、一礼した。
「H-S 学園、1年4組出席番号15番、村中栄彦です、本日はよろしくお願いいたします」
「……村中君君もしつこい男だね…この選考会に参加するのは何度目だね?11回かい?」
「いえ、入学前にも受けていますので12回目です」
「なぜそれだけ受けてダメなのかわからないのかい?」
「……わかりません、私はH-S の知識だけでなく体育、一般教養、その他知識まで同期の中で群を抜いていると自覚しています」
「確かに君は我が学園始まって以来の天才だ、しかしそれでは尚更選考会に受からない理由はわかっているのでは無いかね?天才君?」
「…それは僕の病気の事を言っているのですか?」
「そうだ、残念だが規則には持病を持つ者はH-S を装着できないと書かれている」
「しかし!!」
「では君の持病を具体的に話してくれ」
「………突然の激しい頭痛、その後手足の痺れが起き平衡感覚が失われます。長く治療をしなければ昏睡状態に陥り約30時間は意識は戻りません…」
「治療方法は?」
「ありません…応急的に発作が起きたら注射器により薬を注入し発作が収まるまでおとなしくしなければならないだけです」
「原因は?」
「わかっていません、原因不明の病気です」
「……残念だが村中君、君を騎士にはできない、理由はわかるね?」
「戦闘中に発作が起きたら取り返しのつかないからですか?」
「そうだ、君は優秀じゃないか…私としては騎士ではなく裏方の兵器開発の方面で頑張って欲しい」
試験官の一人が差し出した書類には『不可』の判子が押されていた。
爆音が聞こえ窓を見ると飛行訓練を終えた騎士達が訓練場に戻る様子が見えた。
それを栄彦は羨まし気に見ていた。
「もういい加減騎士になるのは諦めてはどうかな、その持病を治さない限り君は騎士になれないのだがら」
一番年上の審査官が栄彦の肩に手をかけた。
彼はこの選考会の責任者だ。
初めて栄彦が選考会に参加した時からいて、彼の騎士になりたいと思う気持ちは誰よりも理解していた。
「しかし残念な人材ですな」
全ての志願者の選抜が終わり誰も来ない教室で三人の試験官は話していた。
そんなとき一人の禿げた試験官が言った。
「あの『天災』君の事かね?」
「そうです、村中栄彦君…彼も不運な持ち主ですなぁもし持病が無かったら実に優秀な騎士になっていた筈なのに」
「不運な持ち主は彼だけでは無い今回落ちた者は皆不運があったんだから」
今回の選抜会で合格したのは0名である。
それだけ騎士はなれないものなのだ。
村中栄彦が騎士になれない事を残念に思うのは何も彼だけでない…優秀な騎士は一人でも多いほどモンスターとの生存率は上がる。
近年モンスターの出現率は上がる一方だ。やはり世界としても騎士は増やしたい。
「………何とか彼を騎士にできないか」
長年彼を見てきた最年長の試験官の呟きに他の二人も同意した。
しかし、規則は変えられないのだ。
それがルールであり決まりなのだから。
不意にドアが開いた。
「失礼」
入って来たのは高級なスーツを身に纏った男だった。
「誰だね君は?」
「いや、そう構えないでくれたまえ、私は夜遊影眼、国連同盟から来た」
「国連同盟?」
国連同盟とは世界中のH-Sの本元を取り締まる機関だ。
「今日は君達に相談が有って来たのだが……あぁ君達の悩みを聞いて進言することにした」
「何をだね?」
「村中栄彦君を騎士にしたまえ」
「な!?できない!!規則には…」
「規則がなんだ、重要な事は意思だ、最近では騎士になりたいと思う若者は激減している。そんな中で一人の優秀な若者がなりたいと言っているのだ」
「だが規則は絶対だ!!違反したら彼だけでない日本にもペナルティが化せられる!!」
「だったら隠せばいい、村中栄彦が騎士ではないと言わなければ言い」
「馬鹿馬鹿しい、各国のH-Sにはその国のマーカーが付けられている」
マーカーとは目に見える物ではなく、動力源である、『コア』からモーレス信号状に発せられる電波の事だ。
これは各国で違っていて、その信号によりそのH-Sがどこの国の物かわかるようになっていた。
「ではマーカーが無い機体を用意すればよい」
「下らない、そんな機体は存在しない!!H-Sはマーカーが無ければ動かないのだぞ!!無所属のH-Sは過去に一騎だ……け…」
そこであるH-Sが頭に浮かんだ。
過去に一騎だけ存在したH-Sそれは
「そうだ、27年前ドラゴンからこの国を守った人類初のH-S 0。正式名hero-system zeroを使わせればよい」
27年前最強のモンスターと互角に渡り合った最強のH-S。
H-S zero。
既存のH-S シリーズの元になった機体。
各国に送られた書類には基本構造しか書かれておらず未だに最強の座を譲っていない機体。
「し、しかしそれは…」
H-S zero は最初の戦闘で行方がわからなくなっていた。
「私達の機関は先日とある場所でH-S zero の発見に成功した」
「なんだと!?どうやって…」
「物探しは私の特技でね、さて…」
男は、夜遊影眼はもう一度はっきりと言った。
「村中栄彦君を始まりの騎士、H-S zero の専用騎士として採用したまえ!!」
物語は着々と書かれて行く。
いかがでしたか!?
思いもよらず過去最長の文字数になってしまいました。
持病を持つ主人公、村中栄彦がこれからどうなるのか!?
そしてついに新たな夜遊が登場!
感想等お待ちしています!!
あとお気に入り登録された方ありがとうございます!!