嫁に良いところを見せようとして、諦めた父 ~こんな町内運動会、聞いてない!~
母から思い出話聞くがの好きです。
80歳近いにもかかわらず、記憶力が確かな母。
母から聞いた話です。
父と母が結婚したばかりの出来事です。新婚時、父の仕事の関係で故郷から離れた山あいの田舎に住んでいました。
町内会の、運動会に参加したそうです。父は結婚したばかりの奥さんに良いところを見せようと、張り切っていたそうです。
実は父は、運動神経抜群。
運動が苦手の母に似た私と違い、クラスに1人はいるスポーツ万能タイプ。学生の頃は、ずっと運動会でも一等賞。
社会人になってからは、ガスの配管工として日々お仕事。建築現場や山奥の別荘にも、重いプロパンガスを運び身体能力を磨いていました。
自信満々で出場した、100メートル走。
ところが、父は三位だったそうです。
しかも一位と二位の人も、自分と同じ30代。
今までの自信が木っ端みじんに壊れ、父は愕然となったそうです。
落ち込む父に、町内会の知り合いの人から声がかかりました。
「頑張ったね、すごいじゃん」
父は茫然としつつ、答えました。
「俺は自信あったんだけど、全然ダメだったよ」
その知人の方は、大笑いしたそうです。
「仕方ないよ、あの2人は元国体選手だからね」
「……元国体選手?」
父はポカンとし、大笑いしたそうです。
「なあんだ。じゃあ、しょうがないな」
うちの父が、いくら足が速いといっても素人。
公立の学校の運動会で、一位を取っていただけです。
元国体選手と比べたら、さすがに見劣りしても仕方がないです。
ご機嫌が直った父は、残りの運動会のプログラムを母と楽しく過ごしたそうです。
母の思い出を聞いた、私の感想。
『なんで町内会の運動会に、元国体選手が2人も参加しているの?」
1人になら、偶然と分かります。でも2人!? 困惑しました。
そんなわけで、ネットで調べました。
次の事実が判明。
父が住んでいた山奥の町は、標高が高く坂道が多い。 住人は、足腰や心肺機能が鍛えられています。
そして冬季は極寒となり、ウィンタースポーツが盛況。
近くの施設で、全国規模の大会が頻繁に開催。 地元住人は、その競技を幼少期から練習するそうです。
そして田舎にもかかわらず、全国規模の製造業の会社が複数存在。 そのため学生時に好成績を残した選手が、そのまま地元企業の実業団に所属し残ることが多い。
ということが判明しました。
ググって得た、数々の事実を前に私がPCの前でこぼしたつぶやき。
『……ラストダンジョン前の村の……町内運動会……!?』
運藤神経ゼロで運動会常にビリだった私からすると、雲の上の会話です。
ちなみに我が四姉妹は、全員体を動かすことが大好きです。ただし半数が運動神経抜群。半数が運動音痴。
半分は父親似。半分は母親似です。遺伝ってすごいなあ(;'∀')




