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エッセイ

嫁に良いところを見せようとして、諦めた父 ~こんな町内運動会、聞いてない!~

作者: いかすみこ
掲載日:2026/07/18

母から思い出話聞くがの好きです。

80歳近いにもかかわらず、記憶力が確かな母。

 母から聞いた話です。


  父と母が結婚したばかりの出来事です。新婚時、父の仕事の関係で故郷から離れた山あいの田舎に住んでいました。



  町内会の、運動会に参加したそうです。父は結婚したばかりの奥さんに良いところを見せようと、張り切っていたそうです。


  実は父は、運動神経抜群。


  運動が苦手の母に似た私と違い、クラスに1人はいるスポーツ万能タイプ。学生の頃は、ずっと運動会でも一等賞。


  社会人になってからは、ガスの配管工として日々お仕事。建築現場や山奥の別荘にも、重いプロパンガスを運び身体能力を磨いていました。


 自信満々で出場した、100メートル走。


 ところが、父は三位だったそうです。

 しかも一位と二位の人も、自分と同じ30代。


 今までの自信が木っ端みじんに壊れ、父は愕然となったそうです。



  落ち込む父に、町内会の知り合いの人から声がかかりました。


「頑張ったね、すごいじゃん」


  父は茫然としつつ、答えました。


「俺は自信あったんだけど、全然ダメだったよ」


 その知人の方は、大笑いしたそうです。


「仕方ないよ、あの2人は元国体選手だからね」


  「……元国体選手?」


  父はポカンとし、大笑いしたそうです。


「なあんだ。じゃあ、しょうがないな」


 うちの父が、いくら足が速いといっても素人。

 公立の学校の運動会で、一位を取っていただけです。

 元国体選手と比べたら、さすがに見劣りしても仕方がないです。


 ご機嫌が直った父は、残りの運動会のプログラムを母と楽しく過ごしたそうです。




  母の思い出を聞いた、私の感想。


  『なんで町内会の運動会に、元国体選手が2人も参加しているの?」


 1人になら、偶然と分かります。でも2人!? 困惑しました。


  そんなわけで、ネットで調べました。


 次の事実が判明。


  父が住んでいた山奥の町は、標高が高く坂道が多い。  住人は、足腰や心肺機能が鍛えられています。


 そして冬季は極寒となり、ウィンタースポーツが盛況。

 近くの施設で、全国規模の大会が頻繁に開催。 地元住人は、その競技を幼少期から練習するそうです。


 そして田舎にもかかわらず、全国規模の製造業の会社が複数存在。 そのため学生時に好成績を残した選手が、そのまま地元企業の実業団に所属し残ることが多い。


 ということが判明しました。


  ググって得た、数々の事実を前に私がPCの前でこぼしたつぶやき。


  『……ラストダンジョン前の村の……町内運動会……!?』


運藤神経ゼロで運動会常にビリだった私からすると、雲の上の会話です。


ちなみに我が四姉妹は、全員体を動かすことが大好きです。ただし半数が運動神経抜群。半数が運動音痴。


半分は父親似。半分は母親似です。遺伝ってすごいなあ(;'∀')

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― 新着の感想 ―
ラスダン手前の村が日本に存在したとは……!! お父様が奥様に良いところを見せようと張り切る姿も微笑ましかったですが、まさか相手が元国体選手とは(笑) 「町内運動会」という平和な響きからの、このハイ…
町内会の運動会がとんでもなくハイレベル! 立地条件にもよるかと思いますが、努力家の方が多い土地柄なのかもしれませんね。 お父様がお母様にいいところを見せようと張り切ったエピソードが心温まるもので、朝か…
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