この物語の解説
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
最初に謝らせていただきますと、こちらの物語は前作【ペトリコールに融ける二人】と、さまざまな意味で対となった作品です。
こちらを先に読むか、あちらを先に読むかで、この作品のイメージがかなり変わってしまう内容になっています。
というのも【ペトリコールに融ける二人】は、時雨結とアオイネミの物語。
そのため、裏の意味を知ると二人の行動の意味が、かなり違って見えるからです。
こちらの作品は、【ペトリコール】を書いているときに、同時に頭の中で生まれた物語です。
そういった事情から【ペトリコール】のラストに、舞原と十和がチラリと登場し、こちらの物語につながるようになっています。
時雨結とアオイネミの行動になんとなく違和感を感じた方は、ぜひそちらもご覧になってください。
最後の十和一絵の選択。
皆さまは、どう捉えられたでしょうか?
逃避の末の結末?
それとも、自己の尊厳を守った名誉ある撤退?
そして、時雨結の
「最も代理に相応しいのは、【私達】ですから」
という言葉。
気になられた方も多かったのでは、と思っています。
こちらの物語だけを読まれた方は、「なぜ【私達】?」と思われるかもしれません。
アオイネミは、一人で時雨結をループ世界に行かせることはなく、戻るなら一緒、と考える人だからです。
さらに深読みすると……
十和一絵の代わりに、時雨結+アオイネミがルーパーになるとき、9月11日生まれの舞原さんも、可能性があることを察しているのでは?
……という解釈もできます。
舞原さんがそうしてルーパーに戻ったとしても、
「元の状況に無事戻れた」と安堵するだけかもしれません。
ですが、戻ってみたら、三人の人が亡くなっていた……
となってしまった十和一絵の精神に与える影響は、かなり大きそうです。
そう考えると、代理を頼まずに残ったのは、十和一絵にとっては、ベターな結末だったのかもしれません。
この11:11:11シリーズは、同じ11:11:11ループ現象を、異なる年を舞台に描いているものです。
同じ世界なので、後の時代に、前のルーパーが登場しています。
シリーズとはいえ、各主人公が異なる考え方でループ現象に挑んでいるため、それぞれ、まったく異なる雰囲気の物語となっています。
時代が後になるほど、より検証が進み新しい法則が解明されている状況です。
シリーズの内容は、以下の通りです。
2018年
『11:11:11 世界の中心で』/主人公:佐藤宙
2019年
『世界の終わりで西向く侍』/主人公:土岐野廻
2025年
『バッドエンドの向こう側』/主人公:サブルーパーの佐竹愛花
2026年
『バッドエンドはもう来ない』
/主人公:不死原渉夢の年の物語で、そのサブルーパー
2027年
『美しくて優しい世界』/主人公:貢門命架
2027年
『ペトリコールに融ける二人』/主人公:時雨結
どれも物語としては独立していますが、大きく三つのグループに分かれます。
2018年、2019年の物語は、佐藤宙の影響が強く出ている内容。
2025年、2026年、2027年の物語は、不死原渉夢の影響が全体に強く出ている内容。
2027年と今回の物語は、時雨結が世界に強く影響を与えている内容となっています。
ご興味があれば、どうぞ。
それぞれの“選択と決断”を、見比べてみていただけたら嬉しいです。
2025 2027年の物語はこのシリーズの中でも異質でSF要素はなく心理ホラー寄りになっています。
現象を真面目に検証しているのは、2018 2026 2027の物語となっていてSFホラーサスペンス寄りとなっています。




