26.『川遊び』と『人魚の涙』
お読みいただき、有難うございます。
ブクマ、評価、リアクション、感謝ですm(_ _)m
長くなったから分けました。
それでも『文字数(空白・改行含まない)』約三千……
え? 分けて三千……?((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
遠乗りに出て、街の外を馬で走る。
もちろん私は辺境伯と相乗りだ。
辺境伯領にきて半年は経つというのに、魔獣討伐以外で街の外に出たのは初めてだった。
だから、初めて見る街の外の光景に、ちょっとワクワク――興奮していた。
魔獣討伐(一回目)の時は、『魔の森』に行くと聞かされていたから、風景を見る余裕なんて無かったような気がする。
二回目の時も、緊急事態だったから前しか見てなかったと思う。
何も無いけど、広大な大地に緑が生い茂り――――なんか、いいなぁ……。
遠くにポツポツと町や集落が点在している、そんな平原を走り、丘を上り――眼下に広がる小川!
おぉ……! と思っていたら、そこに行くそうだ。
馬から落ちないようにロープで辺境伯と括られていた私。
到着後、そのロープを解いてもらって、馬から降ろしてもらう。
私や騎士さんたちが乗っていた馬たちが小川に顔を突っ込む。
「……オアシス?」
「砂漠のド真ん中じゃねーぞ?」
「ぉぅ……また、くちにしてた」
川の水を飲む馬たちを見て、思わずオアシスと口にしちゃったようだ。
ほっぺを両手でムニムニする。
ホントお子様、思ったこと直ぐ口にしちゃうんだから〜。
「ここでいったん、きゅーけー?」
「目的地、ここ」
「……もくてきち、ここ……」
小川を見る。
別段、ここに何かがある訳ではなさそうだけど……。う~ん? 首を傾げる。
山に行くって言ったから、あの遠くに見えた山にマジで行くのかと思ったけど――――私が思った山と、辺境伯が思っていた山が違ったようだ。
丘も山扱い??
……あ!
“山に行く”じゃなくて、“もう少し行くと山がある”って言ってた! ……私の勘違い!?
でも、違くてよかったー。登山とか……出来る恰好じゃないからね、うん。
まあ、目的、登山じゃないから当たり前なんだけど。
小川に近寄り、しゃがんで川に手を入れてみる。
「つめたい……!」
思っていたよりも水が冷たくて驚く。けど、なんかテンションが上がった。
「〜〜〜〜ッ! パパー!」
振り向き、辺境伯を見る。
私が言わんとすることが分かったのか、しゃがんでいる私を立たせた辺境伯が「準備してからだ」と言う。
準備?
「セバス」
「では坊ちゃま、お着替えをしましょうか」
「???」
辺境伯が老執事を呼ぶと、老執事がやってきて私を老執事にたくす。
老執事もお供でしたか……。気づかなかった。
――もしや、メイドさんも……いる?!
それに、なんか……色々準備がされだしてるぞ? それも馬車の中にあった??
遠乗りなのに、結構な大所帯だなぁーとは思っていたけど……。
馬車内に【空間収納】でも展開してるの? 収納量、おかしくない? 馬車に『時空間魔法』でも使ってるの??
ん? 私、料理長お手製お弁当を【空間収納】に入れなくてもよかったのでは??
居ると思ってなかった老執事とメイドさんや使用人さんたちの姿に、宇宙を背負った猫の如く、あ然としたまま老執事に手を引かれ、馬車へ向かう――――お着替えのようです。
◆
着替えといっても、ブーツと靴下を脱いでサンダルを履き、水遊びの時に着た【浮遊】が付与されたラッシュガード的な物を上に着るだけなんだけど。
“溺れないための上着”だから、これ、もうライフジャケットでいいんじゃないかな。
小川とはいえ、お子様、足を取られたら溺れちゃうからね。上着は保険だ。
ズボンの裾をたくし上げ、川へ向かう。
お子様だからね、深い所には行かないよ! 危ないからね!
岸付近でジャブジャブ足踏みする。
ひゃ〜、冷たーい! ちょっと、ブルッとした。でも止めない。
ぱちゃぱちゃ、ちゃぷちゃぷ。
足を振り上げ、ぱしゃ〜っと!
――お? なんか綺麗な石、発見!
石の側へ近寄り……しゃが、冷たっ!
お尻の冷たさに思わず立ち上がる。
さっきは陸の方にお尻があったから濡れなかったけど、今は川の中だから――川の中にいるのを忘れて、しゃがんだから濡れちゃった……!
ハッ!
バッと後ろを見ると、辺境伯が顔を逸らし震えていた――――笑うなら、わーらーえー!!
『生活魔法』の【温風冷風】を、濡れた場所に発動しながら辺境伯を睨む。
なんで、そう……笑いを、堪らえようと、するの?! 辺境伯の笑いの沸点が分からないよ……。
皆も! なんで、そんな生温かい目で見るの?! ねぇ、なんで?! うぎぎ……。
う~む……濡れない方法、濡れない方法――……【結界】を使うのはどうだろう?
こー……パンツみたいに【結界】を穿く――装着? 【結界】がフィットしてたら濡れないんじゃないかな?
…………水着的なのを穿けばいいのでは? なんで水着的な物、今回ないの? え? 寒いから?
えーい! 【結界】、お尻ガード! ――センス、ゼロだな……。
【結界】で透明な椅子を作るのでもよかったのでは? ……次はそうしよ……。
とりあえず、【結界】でお尻を守りつつ。しゃがんで、さっき見つけた綺麗な石を摘み、川から出す。
「おぉ……! きれ〜!」
石を摘んだ手を、目より高い位置にまで持ち上げ、角度を変えてキラキラさせる。
半透明だけど、キラキラしている。シーグラスっぽい。
……シーグラスは海だし。
あれは割れた瓶とかの硝子だし、波に揉まれて丸くなるんであって…………“ぽい”だからいいのか。……いいのか?
ううん〜? と頭が傾いていく。
ま、いっか! 綺麗だし――――あ! 色の違うやつだ……! さっきのは緑っぽかったけど、今度のやつはピンクっぽい。かわいい。
「ぐ、ふッ……なに、見つけた」
……うまく笑いを堪えられなかった辺境伯が声をかけてきた。
だから、思いっきり笑えと……! 我慢するから、そうなるんだよ、もぉ〜。
「きれーな、いし!」
ちょっと不貞腐れつつ、立ち上がって石を持ち、辺境伯の方へ向かう。
私の手の中の石を見たハニーさんが「『人魚の涙』だね〜」と教えてくれた。ますますシーグ……ゲフンゲフン。
異世界の人魚は、川にも遡上するんですかね?? ――違う? 知ってる。
「にんぎょの、なみだ?」
「希少な石なんですよ〜」
「きしょー……ほーせき?」
宝石の原石とか? と首を傾げる。
辺境伯が私の手の中の石を突き、「宝石じゃないが、珍しい石ではあるな」と言うとピンクっぽいやつを摘み上げた。
「特にこの赤やつは、市場にもそう出回らない」
「ほえ〜……」
コロンと手に戻ってきた石を見る。
ピンク、お前……希少なのか……。
「しかも大きいよね……」と、ハニーさんにしては珍しく、顳顬を揉んでいた。
……変なところで『愛し子』パワーが発動しちゃったか……?
ず、頭痛の種……?
「こんな所に流れてくるなんてねぇ……」
「……山かぁ?」
「うわ、嫌そうな顔するなよ〜」
辺境伯とハニーさんの会話を聞きつつ、手の中の石――『人魚の涙』を見つめる。
綺麗だと思ったのに……。お前、頭痛の種になるの……?
「……しごと、ふえちゃった?」
恐る恐る辺境伯の顔を見る。
「増えるといえば増えるが――あっちは辺境伯領とはいえ、違う家が管理してる。精々増えるのは、報告書を見ることぐらいだな」
そう言うと辺境伯は、帽子を被る私の頭を優しくポンポンする。
“あっち”ってのは、この小川の上流にある山のこと?
辺境伯領には、いくつかの貴族家――寄り子がいるらしいから、山の管理は辺境伯家じゃない、ってことかな?
「まあ、言わなきゃ増えない」
「……」
……それでいいのか?
私が『人魚の涙』を見つけちゃったせいで、仕事が増えるのかと、ちょっとヒヤヒヤしちゃった。
大丈夫ならいいけど……。
「バレなきゃ問題無い」
「え〜……」
ハニーさんを見ると「増えすぎちゃったら希少じゃなくなるしね〜」と苦笑する。
「ハンスまで、そんなことゆーの……?」
……魔獣で手一杯で、希少な石の管理までやってられないって? そういうこと?
◆
『人魚の涙』は希少で、ピンクっぽいやつはもっと珍しいから、見つけた緑っぽいやつと一緒にお持ち帰りすることにした。
アクセサリーに加工できるらしい。
帰ったら『魔術師ギルド』に持ってこっと!
そのあと、辺境伯やハニーさん、騎士さんたちと平たい石を投げて遊んだ――んだけど、大人の方が夢中になって競いだした。
私は、大人が競っているのを、普通の石を川に投げながら、少し離れた場所から眺めていた。
大人が大人気なさすぎる……!
勝利を納めたのはハニーさん。力加減が抜群だったようだ。
辺境伯? わりと早い段階で脱落。ちょっと力みすぎかな?
水飛沫は一番上がってたよ!
遊んだ後は――――お昼ご飯の時間です!
シーグラス、川にもあるらしいですね。
シーていうから海だとばかり思ってた。
◇
どーしても長くなるぅ〜 _φ(´-﹏-`;)
*まだ続くよ←
まだ続くんだけど、長くなるからキリのいいところで区切った――区切れそうなところを見つけました(笑)
……このぐらいが丁度良いのかな……。
『◆』で区切って投稿した方がいいかなぁ……とか、常々思ってる。
でも、それだと短すぎたりするからなぁ……。
悩ましい……(;ŏ﹏ŏ)φ
◇
今年最後の更新です。ギリギリ間に合った〜✧◝(⁰▿⁰)◜✧
来年は、今年以上に更新出来るよう、頑張りたいと思います。
それでは、良いお年を〜(ㆁωㆁ)ノ*.✧




