25.『戻る日常』と『遠乗り、再び』
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相変わらず多いなぁ……(^~^;)ゞ
お久しぶりですm(_ _)m
十四日からpv爆上がりで困惑してます(笑)
◆2025年12月16日(4-7時更新)
3位[日間]ヒューマンドラマ〔文芸〕 - 連載中
2位[日間]異世界転生/転移〔文芸・SF・その他〕 - 連載中
有難うございます!✧◝(⁰▿⁰)◜✧
『魔の森』への調査から二週間ぐらいが経ち、辺境伯領にしては、珍しく蒸し暑かった気候が例年の“からっとした、涼しい夏”に戻ったそうだ。
辺境伯領の夏が初めてだから分からないけど、確かに暑さは落ち着いた。落ち着いた、というより、寒くなった?
だけど、それも数日経てば慣れ、風が心地よく、涼やかで爽やか。気持ちがいい。
前世の、子供の頃の夏を思い起こさせる――――あの頃は、さっぱり、爽やかだったなぁ……。
夏日なんて稀だし、蒸し暑くもなかったし、「真夏日? なにそれ?」だ。遠い思い出だねぇ……。
それはさておき。
砦からの報告書にも『やっと暑さが落ち着いたー!』と書いてあったらしい。
『魔の森』の方は、まだ蒸しっとしているそうだが、そちらも落ち着きつつあるそうだ。
“らしい”だの、“だそうだ”というのは、辺境伯からの又聞きだから、そういう表現になる。
そして――
脱! ベッドの住人!
ベッドの住人になって三日(気を失っていた三日もプラスすると、六日)目から少しづつだけど、部屋の外に出る許可がもらえるようになった。
……過保護がすぎるんだよぉ……。
お庭の散歩、階段の上り下り、鬼ごっこ(もちろん私が追われる側だ!)で体を動かした結果――――食欲と運動量が増え、夜はお眠……と、良いループになり『魔の森』に行く前ぐらいの体力に戻った!
若さの勝利だ! やったねッ!
だから今は、朝からご飯をモリモリ食べられる。
さーて、今日は何しようかなーっと。
今日の朝食は、お豆がたくさん入ったスープとミルク粥。
お子様仕様のワンプレートには小さなソーセージが三本、ふわとろスクランブルエッグ。大きめにカットされたブロッコリーが二つ、くし切りトマトも二つ。それからポテトサラダが盛ってある。
別皿にはイチゴ、ぶどう、オレンジなどのフルーツもある。
――朝から中々のボリュームだ。
スプーンを右手で持って、お豆とスープを掬い、スプーンの中身を溢さないよう、左手をお皿のようにそえ――手がふるふるするけど、あむっと。
マナー的には手皿って、あまりよろしくないらしいんだけど……。溢しちゃうのは子供だから仕方がないとはいえ、気分的に……。
前世の記憶が無かったら、気にしないで食べてるんだろうなぁ……。
まあ、無かったら、今ここに居ないけど。
「遠乗り、行くか?」
何の脈略もなく、辺境伯が訊ねてきた。
もぐもぐ。
辺境伯を見ながら口をもぐもぐ動かす。
お豆で口を、もぐもぐモゴモゴしている私が目に入らないのかね?
「……馬だぞ?」
無言の私に焦れたのか、辺境伯が返事をしない私に再び訊ねてくる。
ステイ、ステイ!
スプーンをスープのお皿に入れ、右掌を辺境伯の前に出し、“少し待たれよ! ステイ!”とジェスチャー。
ねぇ……モゴモゴしている私の口が見えないの? 喋れないって分からない?
焦らせないでよ〜!
左手で口を押さえながら、もぐもぐ、ごっくん。
「ふぅ……。おくちに、ものがはいってるのに、はなしかけられても、こたえられないよ」
「……すまん」
「ん。こっちもごめんね」
素直に謝られるとは思わなかったから驚いた。無言だった私も謝っとく。
「で?」
「『で?』って、せかすぅ……」
スプーンを持ち直し、スープをくるくるする。お行儀、悪いけど。
「とーのりかぁ……」
「嫌か……?」
「そーじゃないけどぉ……ん〜……また、まじゅーがでて、ちゅーしになるんじゃないかなーって」
また中止になったら嫌だなぁ……。
「……この短期間で、バジリスクみたいな災害級の魔獣にそうポンポン出てこられてもなぁ……。さすがにおれたちも困りますよ〜? ――時期でもないのに……」と、私の不安に辺境伯の後ろに控えていたハニーさんが苦笑しながら答える。
「それに、今回はおれやルークが計画を立てて、アレクセイに無茶はさせて無いから大丈夫!」
「……そーゆーもんだい?」
「前のは、アレクセイが珍しくヤル気を出したから起きたんだよ……」
「……」
それはそれで、どうなんだい?
“ルーク”というのは、黒髪の家令さんの名前だ。
家令さんとハニーさんの二人で計画――どの仕事から終わらせるか、とか順番を決めたのかな?
『待て待て! 前回の二の舞を踏むつもりか!?』とか言って。ふふ、ありそう……!
前の時は、結構無茶してたっぽいからなぁ……。止めれなかったん?
甦る、「つかれた」しか言わなくなった辺境伯の姿よ……。
……脳筋か? 辺境伯。
口ぶり的に、似たようなことが昔にもあったのかな?
ハニーさんが何かを思い出すかのように、なんか遠く見ちゃってるし……。辺境伯は“頭が痛い”というように眉間を揉んでるし。
うん。自分の“やらかし”に自覚はあるようだ。
――と、云うわけで、遠乗り、再チャレンジ! となりました!
ホントはね、朝食時じゃなくて、昼食後か午後のおやつの時に話す予定だったんだって。だけど辺境伯が先走って言っちゃった……!
「どっちが楽しみにしてるんだか」って、ハニーさんが笑いながら教えてくれた。
まあ、夕食後とかに言われたら、私も楽しみすぎて寝れなくなってたかもしれないけど。
その話を聞いて、私もクスクス笑っちゃった。
そんなに遠乗りに行きたかったのか……!
馬、癒されるもんね! わかるぅ〜! ……え? 違う??
◆
翌日。
朝食を終え、乗馬服に着替えて、料理長お手製の弁当を【空間収納】に入れ、準備万端! おやつもあるよ!
――緊急の知らせがくるんじゃないかと、ちょっとソワソワしたのは内緒だ。
外に出て、厩舎へ向かう。
今日は、日差しが強いから、麦わらと思われる物で出来たツバの広い帽子を被って日焼け予防!
だけど風は冷たいから、薄手のコートを着ることになった。馬上じゃ、もろに風を受けるからね。
知ってるかい? 風速一メートル毎に体感温度は一度づつ下がっていくんだよ?
だから二十度で風速十メートルだと、体感温度は十度になるんだ。……寒いね。
今日はそこまでの風じゃないけど、やっぱり馬が走ると向かい風がくるから、寒いと思う。コート着て、正解かな?
……魔法で防御することも出来るんだけど――――辺境伯が煩いからねぇ……。
過保護が加速してる気がするぅ……。
あ、“魔法使用禁止令”は解除されてるよ。
念願のお馬さんとご対面〜!
魔獣討伐で会ってるだろ、って? あの時はお子様な私ではなく、『雷帝』なのでノーカンでっす!
「はわわわ……おっきー!」
そしてたくさん……いる!
鬣が黒い茶色の鹿毛、全部茶色い栗毛、全部黒い青毛に、灰色っぽい白い芦毛。そして真っ白なのは白馬!
はわぁ……。さ、触りたい……!
「……てんごくか?」
「……天国は言いすぎじゃねーか?」
「はっ! くちにしてた?!」
両手で口を押さえる。
苦笑する辺境伯に、帽子の上から頭を撫でられた。
天国すぎて、お口、ゆるゆるか……?!
「ホント、好きだな、馬」
「うん! かわいー!」
――因みに、ここまでの会話、辺境伯は普通に喋っているが、私は声を抑えている。
何故なら、お馬さんは繊細だからだ……!
基本、動物は耳が良いからね。
人間にはそれほどの大きさじゃなくても、動物には大きすぎたりする。
それに、子供の声はキンキンしてるから、動物にとっては耳障りになるだろう……。
お、抑えられない衝動にかられて、大声出しちゃいそうになるんだよね……。なんか、こー……わぁー! って! ウズウズしちゃう……!
前世の記憶が無かったら、叫んでるんじゃないかなぁ……「きゃー!」って。
……色んな意味で、やっべぇ……。
「どのおんまさんにのるの?」
「コイツだ」
そう言って辺境伯が指したのは、体は黒いのに鬣と尻尾が白い馬だった。
「……あ、お?」
……青、毛? でも、青毛は全部黒だからなぁ……。鬣と尻尾が白いって……青毛の亜種??
――そーいえば、ここは異世界だった。
某元エリート軍人な金髪イケメンお兄ちゃん(おちゃめ♡)の愛馬のような、鬣と尻尾が白い、黒い馬が存在して――――そういや、なんか外国に居た気が……
「嫌か?」
「ちがう、ちがう! くろいのに、たてがみとしっぽがしろいから、なんてゆーのかなー? って、かんがえちゃったの!」
……なんだったかなぁ……。
…………思い出せないから、考えるの放棄!
馬が柵に近づいてきた。
「カッコイイね! この、おんまさん」と言うと、馬が“そうだろ?”というかのように頭を上下に動かし、「ブルル」と鳴く。
「メスだけどな」
「メス!」
辺境伯のセリフに思わず馬を見る。
それが何か? というかのように、馬が首を傾げる。
……人間の言葉を理解してらっしゃる……?
◆
辺境伯が手綱を握る馬で、パカラッパカラッと野を駆ける。
街の外は平原で――――まあ……何も無い。
いや、多少の凹凸――丘やら林? やらはあるけど。
障害物らしい障害物がないから、馬や犬を思いっきり走らせるには丁度良いかもしれない。
おかげで魔獣がどこから襲ってきてもよく見える。対処がしやすそうだ。
もう何ヵ月も辺境伯領にいるのに、魔獣討伐以外で街の外に出るのが何気に初めてだったりする。
――引きこもりか……?
いや、邸の外には出てるし、街にも行ってるしッ!
……やっぱ辺境伯が過保護……?
たまには、こんな感じに街の外にも連れて行ってほしいなぁ……。
やはり馬上は風を強く感じる。コート着てきて正解!
帽子が飛んでいかないように、帽子についている紐をぎゅっと左手で掴む。
後ろに辺境伯がいるから帽子が吹っ飛んでいくことはないと思うけど、念のため。
あと紐が首に引っかかって、ぐえってなるのを防ぐためでもある。
右手は、鞍についてる出っ張りに。
そして私は辺境伯にホールドされ、ついでにロープで繋がっている――――振り落とされないようにだ。
……お子ちゃま、思いのほか軽いため、するり〜ん☆ と落っこちそうなのだ。
辺境伯のホールドだけだと心許ないからと、ハニーさんの「アレクセイが落とすことはないと思うけど、念には念を入れて縛っとこ」という助言で、巻き巻きされた。
危ないもんね。絶対なんてないし。
ホールドもロープも無かったら、これ、確実に落ちるな。鞍の出っ張りを掴むっていうより、添えてる感じ……。
落ちないようにするには、両手で掴むしか! けど帽子……!
子供の手の大きさよ……――などと、ちょっと無力さを感じつつ。
「どこにいくの?」
辺境伯に遠乗りの目的地を訊ねる。
安定の目的地不明なのだ。
まあ、聞かされたとしても地名と場所が一致しないだろうけど。勉強してるのにね……。
「もう少し行くと山がある」
「ふむ?」
……あの遠くに見える山じゃないよねぇ?
あれとか言わないよね?
「(……もっと、こー……説明は??)……とざん?」
「違ぇーわ」
「もっと、せつめー」
「……まあ、行きゃあ分かる」
面倒になりやがったな?!
「ハーンス!」
実は、私たちの後ろにはハニーさんと護衛の騎士さんが数人、騎乗でついてきている。
その後ろには馬車が一台――中々の大所帯だ。
貴族のお出かけにしては少数だろうけど。
そんな護衛の一人でもあるハニーさんを大声で呼ぶ。
「はいはい、坊ちゃん。どうかしました〜?」
「いきさき、おしえてくれない!」
横に並んだハニーさんに説明を求める。
「あー…………まあ、着いてからのお楽しみですよ」
数秒、何かを考えたハニーさんが、にへらっと笑う。
ブルータス、お前もか……!
ハニーさんの一人称ってなんだっけ……←
「おれ」だと思うんだけど……。一人称、書いたこと無かったかな……?φ(´-﹏-`;)
◆
私がイメージしていた『鞍』……ウエスタンスタイルと云うそうです。
確かに、イメージしてたのカーボーイ……。
鞍についている出っ張りは『ホーン』っていうそうです。
馬術(障害物)で使うやつは、ブリティッシュスタイルと云うそうです。
うん、ヨーロッパって感じだよね〜(笑)
馬術(競技)はヨーロッパ発祥だろうしね。
ちゃんと名前(名称)あるんだ……(当たり前)
ウエスタンスタイルの鞍に乗馬服……なんてミスマッチ……!ヤッチマッタナ∑(゜д゜)
(ノ∀`)アチャー




