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辺境でのんびり契約親子ライフ  作者: ユキノリク(元キタノソラ)


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18/24

18.『手紙』と『魔法書』②

お読みいただき、有難うございます。

ブクマ、評価、リアクション、感謝ですm(_ _)m


今回は短めの二千七百ちょい。




 ……水遊びは、やっぱり体力を使う、のか?


 おはようございます。

 寝る準備をした記憶が無いのに、ちゃんとパジャマで寝てた、私です。

 夕食の記憶もおぼろ気――半分、寝てた……?


 辺境伯がいない四回目の朝です。



 昨日は、回復薬(ポーション)に魔力込めれなかったッ! ぐぬぅ……。

 『無属性』の魔法書も読めなかったし……! むぐぐぐ……。


 今日は魔法書を読んで、『蒼焔(そうえん)の魔術師』さんにお手紙を書こうと思います! ――『雷帝』でね。


 ……べ、別に字がフニャフニャになるからじゃないよ……?!



 辺境伯家にある『無属性』の魔法書は、やっぱり攻撃魔法しか載っていなかった。

 いや、語弊があるな。強化(バフ)系や弱体化(デバフ)系の魔法に、【シールド】など、付与と支援をひっくるめた『補助魔法』も載っていた――――見事なまでに戦闘に関係の無い魔法(・・・・・・・・・・)は載ってなかったけど。


 あ、【状態異常解除(デスペル)】は使ったことないやつだ! ――覚えとこ。



 十時のおやつを食べつつ考えた、魔術師さんに書く手紙の内容をノートに書き出そう。

 前回の、便箋にぶっつけ本番で書いた辺境伯への手紙が、あまりにもアレだったので――――失敗は、繰り返さないよ!



 えーっと……。


①手紙魔法、または伝書魔法はあるのか。この場合、魔法で手紙のやり取りをすることがあるのかを訊く。

 「やってるわね~」って返信がきたらラッキーだ。


②手紙を蝶々や鳥に変化させる魔法はあるのか。上記のことを踏まえて。

 「そんなファンシーじゃないわよー(笑)」って言いそう。

 あ。使い魔? のハニービー(巨大ミツバチ)『ミッチー』が運ぶのかな……? ……十分、ファンシーじゃない?


③魔法書の有無。

 魔法書に載ってるなら、魔法書(それ)を探そう。

 なんか『奇想天外! オモシロ魔法!』ってのが、ありそう……!

 いつ使うの? とか、なんでコレを思いついた……!? って魔法がありそう!

 …………関係無いのに、ちょっと気になってきちゃったぞ?!


 三つしか思いつかなかったなぁ……。


 魔術師さんへの手紙は、昼食の後――お昼寝の一人になった時にでも、こっそり書こっと。







 ――ふっと、意識が浮上する。


 なんか……左側が温かい……気が、する……。

 温かさを求めて、すり寄る。



 ……あったかい……



 なんか安心して、布? をぎゅっと掴むと、背中をぽんぽん、優しく叩かれた――よう、な?



 ……う~ん? なんか、前にも……



 眠くて重い、瞼を少し持ち上げてみる。


 ねむ……。


 うつらうつらする、うっすらと開けた目に映ったのは――白。


 白い布? シーツ……?


 右手で、軽くポンポン叩いてみる。……固い。

 布団じゃないみたいだ。……なんだろ……?


 それに……なんか、私……体、起こしている……? ……寄りかかっているみたいだし……。


 ……この白いのは――――服……? それに――


「ぱぱ……」


 お風呂上がりの辺境伯の匂いみたい……。






「あぁ、ただいま」




 ピシッと固まる。


 お目めパッチリ、完全意識覚醒。

 ギュッと布?() を握る左手にも、力が入る。


 恐る恐る顔を上げると――――お風呂上がりの、お色気ちょい増な辺境伯のご尊顔……。

 そして私は、ベッドに座る辺境伯に横抱きされてた。寄りかかっているんじゃなく、抱っこされていた。



「パパ?! なん! ――つめたぁッ!!」


 「なんで、いるの?!」と言う前に、顔に水滴が落ちてきた。冷たッ!!



 早くない? 早くない!?

 未確認大型魔獣(複数)でしょ?! ――帰ってくるの、早くない!!?


 さっき街に【瞬間移動(テレポート)】でパッと行って、『冒険者ギルド』に魔術師さんへのお手紙頼んできたのに――――『雷帝』で。

 『魔術師ギルド』にも寄って、ちまちま作ってた『人工魔石』買い取ってもらって、『無属性』の戦闘に関係の無い魔法が載った魔法書と薬草(数種類)、買ってきたのに……。

 早くなーい?! ……やること前後しちゃったけど。



「アレクセイ……子供じゃないんだから髪ぐらい、ちゃんと乾かせよ……」


 「なに、坊ちゃん起こしちゃってんの」と、いつもの仕事着なハニーさんが子供部屋にやってきた。

 目立つ怪我はないようだ。


「坊ちゃん、ごめんね~」

「ハンス!」

「はいはい、ハンスですよ~。戻りました~。

砦の騎士も、ここから向かった騎士も、大小怪我の差はあれど――皆、無事ですよ」


 そう聞かされて、ほっとした。


「……はやかったね」

「あー……」


 疑問を口にすると、ハニーさんが辺境伯を見て、なんだか言い難そう……というより、呆れ……? を含んだ声を出した。

 ……何をやらかしたんだ、辺境伯……と、視線をハニーさんから辺境伯に移す。


 ――そう言えば。


 街から【瞬間移動(テレポート)】でパッと戻ってから寝転ける前まで、買ってきた魔法書をベッドの上で読んでたんだけど――眠くなってきたから【空間収納】に片付けた(しまった)はず、なんだけど……。


 辺境伯の左手にある(やつ)は、なにかなー?



 ……片付けて(しまって)なかったーッ! 片付けれて(しまえて)なかったー!! ギャァァァー!


「パパ、それ、ぼくの……かえして」


 辺境伯が左手に持つ魔法書に、手を伸ばす。届かない。

 立って取ろうとしたら、反対側の手に渡る。うんもぉー!


「ぼーくーのー! それ、ぼくのだから! かーえーしーてー」


 魔法書に手が届いた! と思ったら、辺境伯に捕まり、抱っこに逆戻りだ。うぐぐー……!


辺境伯邸(ウチ)で見たことないやつだな」

「だーかーらー! ぼくの! って、ゆってるー!」


 ついさっき買ってきたことはナイショだ。


 一生懸命、手を伸ばすが届かない。じたばたするが、拘束する腕も取れない。うぎー!


 私の手がギリギリ届かない位置で、魔法書をこれ見よがしに持つ辺境伯は意地悪だ。この、いじめっこめ!



「あ……」

「とりあえず、アレクセイは髪を乾かせ?」


 そう言って、ハニーさんが辺境伯の手から魔法書を取り上げる。


「坊ちゃんも、ちょっと髪型崩れてるから直そうか」


 あ~……寝落ちたから髪、ぐちゃぐちゃ?

 両手でポンポンと髪を触ってみる――うーん……分かんないや。


 「はい、どーぞ」と、辺境伯から取り返してくれた魔法書を渡してくれた。

 ハニーさんから受け取った魔法書を【空間収納】にしまう――――ちゃんと【収納】した(入れた)ぞ……!



 辺境伯から解放された私は、ベッドから下り、髪を結び直してもらうために、いつの間にか居たメイドさんの元へ向かう。


 あ。

 ちゃんと言っていないことに気づいて、振り返る。


「パパ、ハンス――おかえりなさい」


 そう言われた二人は一瞬、不思議そうな顔をして、顔を見合わせたが「「ただいま」」と返してくれた。



 なかなか髪を拭かない辺境伯に、業を煮やしたハニーさんからの「やっちゃえ!」(Goサイン)で【温風冷風(ドライヤー)】(大)をお見舞いしたり。


 ちょっと早かった夕食の時間は、ここ数日、何をして過ごしていたのか? と、質問と云う名の尋問を受けたり……。


 なんで私が尋問を受けねばならぬのか……。




 ――『雷帝』で、こっそり、邸を出たことは口にしなかったぞ?




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