作戦会議2(前編)
霊山に戻ったエルドレッドは、先に帰ってきていた仲間たちに出迎えられた。エルドレッドを地面に下ろした鳥が、そのまま地に腹ばいになって呻く。
「疲れたー。ボクああいうの苦手ー」
「そうか。苦手なのに手伝ってくれて、ありがとな」
エルドレッドが苦笑する。白い鳥は彼を見上げた。
「後で果物持ってきてー」
「全く。エルドレッドは忙しいんだ。あまり無理を言うな。……果物ならオレが持ってきてやるから」
木の上から、アラベラが顔を覗かせる。彼女は木のウロから、赤い果実を運んできた。鳥が運ばれてきた果実をついばむ。その様子を見ながら、セラフィーナがエルドレッドに声をかける。
「お疲れエル。あのラディって子、エルにすっごく懐いてたね。旅の間に何をしてたの〜?」
「別に何もしてねえよ。強いて言うなら、悪魔が残した呪いを町から取り除いたくらいだ」
セラフィーナにからかわれて、エルドレッドが不機嫌な顔をする。ルーシャは彼に、疑いを込めた視線を向けた。
「どうだか。可愛い子に頼られて、少しは嬉しかったんじゃない?」
「あのなあ。お前らが人質になってる時に、女にうつつを抜かすわけねえだろ。それにああいう扱いは、どっちかってーと苦手な方だ」
彼が苦い顔をして訴える。その言葉を聞いて、ロドニーは苦笑を浮かべた。
「お2人とも。エルドレッドに絡むのはそのくらいにして、次の計画を立てましょう。神聖国が動きにくくなったといっても、それは今だけのこと。エルドレッドが目につく形で動かなければ、結局は口だけだったということになってしまいます。ここからは帝国と皇国の争いに介入して、人を殺さずに勝ち続ける必要があるのですから」
「分かってるよぅ。もう、ロディは真面目だな〜」
「まあ確かに、エルと遊んでる暇はないわね」
少女たちが真面目な顔になる。解放されたエルドレッドに、マリオンが近づいて話しかけた。
「すまないな。貴殿に全て、任せてしまって」
「いや、大丈夫だ。……聞きにくいことだけど、聞いていいか? マリオンさんは、皇国の騎士ではなくなったんだよな。当時部下だった人たちは、今はどこでどうしてるんだ?」
「私の部隊は、王に歯向かった時点で解散させられている。皆、優秀な者たちだ。別の部隊に編成されている者もいれば、国を離れた者もいるだろう。生きていることは確実だが……今どこにいるのかは、私も把握できていない」
「そうか。……居場所が分かれば、頼れるとは思うけどな。マリオンさんの部下なんだし……」
エルドレッドはそう言って考え込んだ。




