表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティを追放されたので魔王になって復讐します  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/86

戦争(後編)

静かな霊山に、ネズミの声が響く。


「アラベラ! 大変だよ、エルドレッドが殺されちゃう!」


アラベラは、その言葉を聞いて目を伏せた。ルーシャが血相を変える。


「エルが……?! どういうことなの、セラ。エルはどこにいるの?」


セラフィーナが暗い顔をする。


「……エルは、帝国にいる。…………ルーには、会わないって言ってた。今のエルは、前のエルとは違うから」


「でも、エルはエルでしょ? 私、会いたい。……助けたいの。今度こそ」


ルーシャは彼女の目を見て告げた。彼女が(うつむ)く。


「……エルが苦労するような相手に、アタシたちが勝てるわけない。危険だよ。助けるどころか、迷惑をかけることになる。……それは、良くないことでしょ」


「どうして勝つ必要があるの? エルを連れて、ここに逃げてくればいいだけでしょ?」


「本人がそれを望んでないんだ。エルは自分の意志で、帝国にいる。戦うことを選んだから」


ルーシャが首を傾げる。


「エルが? ……そんなの嘘よ。私と一緒で、あいつも人が殺されることを嫌がってる。だから剣を取ったのに、そのあいつが……本気で帝国に協力して、世界を手に入れようとするなんて。ありえないわ」


「悪魔の力を借りていても?」


ロドニーが低い声を出す。ルーシャは彼の方を見た。杖を抱えた青年と目が合う。何を考えているのか分からない、表情のない顔。ルーシャはそれを見て、ため息をついた。


「あいつがそう言ったの? それなら尚更助けに行かなきゃ。……知ってるでしょ。あいつは全然素直じゃないの。側にいて欲しいときほど、遠ざけるようなことをするんだから。相手が悪魔なら、あいつの顔を使って居座るに決まってる。悪魔は自分の身を危険に(さら)してまで、世界を手に入れようとしないわよ。人間の国がどうなろうと、彼らには何の関係もないんだから」


アラベラが目を見開いた。


「……それはそうだが、驚かないのか? エルが悪魔の力を使っているというのに……」


ルーシャは目を細めた。


「はい。……エルはそうしなきゃならないほど、追い詰められてたんだと思います。……私のせいで」


「それは違うよ」


セラフィーナが口を挟む。彼女はどこか、吹っ切れたような顔をしていた。


「エルとルーは、誰よりもお互いのことが分かってる。それを利用されただけなんだから、気にしなくていい。……迎えに行こう。エルはきっと、来てほしいと思ってる」


「…………そうですね。僕も少し、考え過ぎて……足が止まってしまっていました。ネズミさん。エルドレッドがいる町まで、道を繋げていただけますか?」


ロドニーが表情を和らげて、ネズミに声をかけた。ネズミは頷いて、駆けていく。アラベラはそんな光景を見て、安堵の表情を浮かべた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ