表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティを追放されたので魔王になって復讐します  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/86

戦争(中編)

戦争において、数は力だ。どれだけエルドレッドが強くとも、それは変わらない事実である。


「クセルの町に、第1から第5までの隊を向かわせる。できれば殺してほしいが、無理はするな。足止めだけでも価値がある。その間に我が国は神聖国と協力して、北の方角から帝国を攻める」


皇国の王は、戻ってきた兵たちの報告を聞いた。少し考え事をした後に、彼は兵士たちに新たな命令を出した。単純な物量で、エルドレッドを封じ込めると。


「……人の姿を捨てても、心までは捨てられないか。それがお前の弱さなのだな。……私が言えたことではないが」


王が呟く。部屋の隅で、白い影が動いた。


(大変だ。アラベラたちに、伝えないと)


1匹のネズミが駆けていく。部屋の隅、ネズミの道の入口へ。彼は幸運にも、人に見つかることはなかった。全力で走って、霊山に向かう。彼の姿が見えなくなるのと、皇国の王が司教に連絡を取ったのは同時だった。無論全くの偶然だ。王はネズミに気づいていなかった。自分よりも小さく、弱い生き物。そんな存在には何もできないと、彼は考えているのだから。


『あなたから連絡してきたということは、いよいよ彼が動き出したということですね』


王が遠見の術を使う。半透明の膜が浮き上がって、その表面に司教の顔が映し出された。彼は楽しそうに笑っている。


「協力してくれますか」


「当然です。エルドレッドは死した者。再び殺して、今度こそ。その身を大地に(かえ)さなければ」


彼はそう言って、背後に控えた僧侶に視線を向けた。


「ラディ。あなたにも、手伝って頂きますよ」


「……はい、司教様」


僧侶が頷く。彼女は浮かない顔をしていた。皇国の王は、彼女の顔に見覚えがあった。


「司教様の部下は優秀ですね。我が国の勇者は、彼の剣に勝てなかったというだけで……自分の家に引き籠もって、私がなんと言おうと出てこなくなったというのに」


「我らは皆、神を信じる同志ですから。神の教えに逆らい、この世の摂理を裏切る者。それは全て敵なのです」


司教は胸を張って断言した。王はそれで納得する。


「心強いことです。今のエルドレッドには、浄化の術は効かなかったと聞いていますが……神聖国で日々修行を続けている方々なら、あの悪魔を倒せる(すべ)を見つけられるかもしれませんね」


「その事でしたらご心配なく。ラディが知っているそうです。……そうですね?」


司教に問われて、ラディが頷く。王は安堵の表情を浮かべた。


「そうでしたか。それなら、ラディさん。エルドレッドの討伐を任せる部隊の中に、あなたを入れて出立しましょう。……どうかよろしく、お願いします」


密約が交わされる。ラディはそれを見て、決意の表情を浮かべていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ