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パーティを追放されたので魔王になって復讐します  作者: 文字書きA


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埋葬(前編)

エルドレッドの体の下に、ネズミたちが入り込む。


「冷たいよ」


「死んでるね」


「アラベラは、悲しむだろうな」


「ネズミたちも、悲しい。エルドレッドは、優しかった」


チィチィと、囁き交わす白ネズミ。彼らは群体となって、エルドレッドの体を支えた。セラフィーナが頭で、ネズミたちが体。ロドニーが足を支えて、死んだ彼をゆっくりと運ぶ。その後ろから、一定の間隔を空けて。ラディの肩を抱いたマリオンが、歩いていく。ラディは目だけを動かして背後を見た。エルドレッドの剣は、マリオンの背後に浮いている。その刃先は、彼女の首に添えられていた。剣が少しでも動けば、彼女は絶命するだろう。


「……あの、マリオン様……」


「分かっている」


ラディはおずおずと、彼女に話しかけた。彼女は真剣な表情で頷いた。


「貴殿が気に病むことではない。エルドレッドの剣は、主人を守ろうとしているだけだ。主人が死んでも、その体が真の平穏を得られるまで……最後のその時まで、気を抜かずに。素晴らしい剣だ。よほど、大切にされてきたのだろう」


ラディが目を伏せて黙り込んだ。その後は、誰も口を開かないまま。4人は霊山に向かって進んでいった。そうして彼らはたどり着く。アラベラが待つ、その場所に。


「……お帰り」


一目見ただけで、彼女は状況を察した。その可能性は、既に頭の中にあったから。


「なあエル。諦めるなと、言っただろう。……全くお前という奴は……」


風を切る音がする。エルドレッドの剣が、真っ直ぐに。彼女に向かって飛んでいく。ラディが悲鳴を上げた。


「危ない!」


剣は彼女を貫かなかった。眼前で止まって、浮遊する。アラベラが首を傾げた。


「エル? どうした。オレに何か、言いたいことでもあるのか。それなら起きろ。起きて、お前の口から話せ。そうしないと聞いてやらんぞ」


剣は彼女の周囲を回った。彼女がため息をつく。


「……分かった分かった。ほら、これだろう」


頬袋から、何かが落ちる。血のように赤い、大きな宝石。その中には、悪魔が封じ込められていた。ラディが絶句する。マリオンも流石に驚いた。


「悪魔……?! 何故、宝石の中に……」


「人間に捕まって、閉じ込められたのさ。もう500年以上も前のことだ」


悪魔が目を開けて答える。そして彼は、面白そうな顔をした。


「なんだ、あいつは死んだのか。食ってやろうと思ったが。……お前たち、オレと契約する気はないか。ここから出してくれるなら、契約してやってもいいぞ。宝石を割って、自由にしてくれ。悪い提案じゃないだろう。代わりに、お前たちの願いを叶えてやる。オレは悪魔だ。神の摂理に逆らって、その男を生き返らせてやることもできる。さあ……!」


歓喜に満ちた高笑いが、静かな霊山に響き渡る。鳥たちが驚いて、飛び去っていった。

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