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Notice-code:Ω -scientist-  作者: 霧島宇宙
STAND UP

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21/51

INFERNO

今回もよろしくお願いします。

極超音速加速ハイパーソニック・ブースト

 全力で加速して、デカラヴィアに斬りかかる。STVSを左から振り抜き、デカラヴィアの心臓を狙う。

「その妙な剣も対策済みだ」

 デカラヴィアは右腕で刃を防いだ。全く刃が通らない。よく見ると右手が黒い鱗で覆われていた。

「アンドロマリウスの鱗か…!」

「ああ、そうだ。貴様が殺した者の怨念とも言えよう」

 おそらくこいつの固有魔法は、死体を吸収してそこに宿った固有魔法を奪うこと。だから最初ダンダリオンとセーレの死体を吸収したのだ。おそらく、念力や分身も使えるはずだ。

〘アズラエル殿下及びクリスタ殿下を保護しました。どちらも意識を失っていますが、命に別状はございません〙

〘よし、今すぐに一人残らず要塞から出してくれ。貴官らも含めてだ。最悪要塞全体が吹っ飛ぶ〙

〘ハッ〙

 通信に対して指示を出し、自分の目の前の敵に集中する。勝ちの目があるとすれば、分身を作り出している本体を、空間上の一点から半径10メートル以内にとどめ、7秒ほどの隙を作ること。その後は僕の努力と魔力次第だ。

物質創造ブラフマー・アーティファクト

 床の下から巨大な鉄のトゲを生成し、デカラヴィアの足に刺して足止めを試みる。しかし、デカラヴィアの本体は僕の後ろの方に念力の照準を定めていた。

 突然僕の体が後ろ側に引っ張られ、空中に放り出された。その後再び念力で掴まれ、会議室の床をぶち抜いてそのままフロア3つ分床を貫通し、地面に叩きつけられた。吹雪の装甲がなければ今の攻撃で死んでいただろう。

 デカラヴィアは分身同士で念力を使い、お互いを持ち上げて空を飛んでいるのだ。それで相手を死角から突き崩すトリッキーな戦い方を成立させている。ただし、空中では攻撃できる回数が限られるのが弱点だ。

 僕は背中とかかとのスラスターを全開にし、一気に会議室まで戻った。床に空いた大穴から飛び出ると同時に鋼鉄で作った針を四方八方に飛ばし、念力で掴まれるのを防ぐ。

 僕がアンドロマリウスを倒したあのとき、普通にSTVSで切りつけただけでは鱗にはヒビすら入らなかった。しかし、刃に炎魔法を纏わせたときは表面が砕けて鱗が少しだけ剥がれていた。つまり、魔力そのものに対する防御力は少しだけ低いということだ。

『炎魔法・豪炎(サラマンドル)

 広範囲に魔法を敷いて、魔力を多く持つ物体が上に乗っている時にそこだけ魔法術式が歪むのを利用し、魔力探知よりも正確に分身の位置と数を絞る。自分も動きながら分身の位置に攻撃を当て、確実に数を減らす。そうでもしないとすぐに念力に捉えられてしまう。

 襲いかかってくる分身を切りつける。どうにかして、相手も攻撃できる回数が減る空中戦に持ち込みたい。ふたたび背中のスラスターを全開にして上空に飛び上がる。しかし空中は常に推進剤を姿勢制し続けなければいけないため、デカラヴィアの攻撃の回数は減るが僕自身もスタミナがきつくなる。だが勝算がないわけじゃない。なんとかして本体をあぶり出す方法を思いついた。

 創造神(ブラフマー)で術式を構築し、魔法陣そのものを編集して立体の魔法陣を展開する。基本は魔力光弾(ブリッツ)だが、特に貫通力を数十倍にまで強化する。その代わりに速射性が落ちるが、6つ並列に起動し、回転させて六角形の頂点にある陣から光弾を発射する。一周する間に魔力の再充填を終わらせ、また頂点に来たら光弾を発射する。本来はバレルの冷却用の機構だ。そのため、術式起動の間隔を縮める時に応用できる。

 できる限りデカラヴィアの分身の群れと距離を取りつつ、両腕の前腕部に一組ずつ展開した六連改造魔力光弾(ブリッツ)を向ける。

旋回機関光弾(ガトリング・ブリッツ)

 一見して六角形のような魔法陣が回転を始め、やがて恐ろしいほどの連射速度で魔力光弾(ブリッツ)をばらまき始めた。

 貫通力を限界まで高めた魔力光弾(ブリッツ)でもアンドロマリウスの鱗には少しだけヒビが入る程度だが、それを信じられないほど大量に浴びせたらどうだろうか?答えは簡単、先に鱗が全て剥がれ落ちる。

 デカラヴィアの分身はことごとく鱗を剥がされ、その直後に飛んできた魔力光弾(ブリッツ)に心臓を撃ち抜かれてしまっている。だが、この程度ではひときわ強い本体の鱗は貫通できないはずだ。

 僕はそれからも魔力光弾(ブリッツ)をばら撒きながら全力で距離を取った。そう、()()()()()()使()()()()()()()()()()()に。

「鬱陶しい!」

 デカラヴィアが感情をあらわにする。

「これで落ちろ…!」

 よし、かかった。デカラヴィアの分身が全て遠距離魔法を攻撃し始めた。しかも、無駄に焦っているせいで全て同一の攻撃魔法だ。悪魔は呪文の詠唱を必要としないせいで、どんな術式かまでは確認できない。しかし、魔力の配置から見て遠距離攻撃であることは確かだ。

 さて、ここからが重要だ。遠距離魔法は術者の魔力量が多ければ多いほど太くなる。つまり、魔力量が制限されていない本体だけが少し太い魔法を撃ってくるはずだ。今目の前にいる分身は全部で349体。すべて念力の効果範囲内だ。つまり、この中に本体が居る。

 デカラヴィアが魔法を放った。僕は全体を見渡し、太い魔法と発信源を探す。周りの世界がゆっくりと動いているように見えた。

 

 待て、太い魔法なんて見当たらない。


 考えられるとすれば…


 ()()()()()()()使()()()()()()


 それに気づいた直後、僕は全力で魔法を放っていないデカラヴィアを探すことに切り替えた。急げ。あと0.5秒もない。


 どこだ。


 居た。左端の隠れてるヤツ、あいつだけ攻撃してない。あれが本体だ。


 僕はそれを特定したあと、見失わないように注意しながら何重にも防御魔法を展開した。耐えきってくれ…。左手ではその隙に、タングステンカーバイドのケーブルを生成する。タングステンカーバイドは、全ての金属の中で最も()()()()が強い物質だ。その細い繊維をねじって編み上げ、直径3〜40ミリはあろうかというケーブルを作った。

 攻撃がやんだ瞬間に僕は生成したケーブルを本体に投げ縄のように巻き付け、身動きが取れないようにした。

「な、何だこれは…ッ!」

 さすがの悪魔でもこれは引きちぎれないらしい。しかし、ケーブルもいつまで持つかわからない。ケーブルを振り回してデカラヴィアを地面に叩きつける。激突の瞬間全ての分身の動きが弱まった。間違いない、本当にあれが本体だ。

 そして、僕は右腕に追加の装備を転送する。装甲のようなパーツが展開し、拳を覆って大砲を形作る。さらに左右と下から板が展開され、一見すると三叉の矛のような形になった。右腕の装備が展開を完了し、僕の魔力を充填し始めた。たった5秒ほどのチャージだが、高速戦闘においては命取りとなりうる隙だ。

 発射する前に一応隊員に確認は取ろう。

〘確認だが、本当に全員が要塞から脱出したんだな?〙

〘ハッ、間違いなく!〙

 三佐の鉾の先端から青い魔力の稲妻がそれぞれ飛び出し、一点で収束して魔力の塊を作り出した。/(スラッシュ)以上の密度で魔力を圧縮し、収束の術式を付与した魔力光弾(ブリッツ)を根元から照射して、魔力の塊から解放された強大なエネルギーを巻き込んで対象にぶつけ破壊する。僕の開発した魔力光弾(ブリッツ)のバリエーションの中でぶっちぎりの火力を持つ技だ。

獄炎魔力砲インフェルノ・ブリッツ

 そう唱えた瞬間拳の部分の砲口から魔力光弾(ブリッツ)が発射され、魔力の塊に衝突した。魔力の塊が弾け、内包されたエネルギーが魔力光弾(ブリッツ)に巻き込まれた。大木を10本合わせても足りないような太さの青い光線が、凄まじい光を放ちながらデカラヴィアに迫る。自らの死を悟ったデカラヴィアは最早逃げようともしなかった。

「イスラフェル…お前は一体…何者なんだ…?」

 刹那、デカラヴィアが光線に飲み込まれて一瞬のうちに蒸発した。獄炎魔力砲インフェルノ・ブリッツは地面に着弾し、一人の人間が作り出したとは思えない規模のキノコ雲でオウル要塞を包みこんだ。

「通りすがりの科学者(サイエンティスト)さ」

 やがて煙が晴れ、着弾地点の様子があらわになってきた。そこにはもうオウル要塞はなく、焼け焦げたクレーターと瓦礫が支配する荒野だった。

「やべえ、魔力使いすぎた…」

 魔力切れで推進剤を生成できなくなり、僕の体が落下を始めた。消えゆく意識の中、スーツを送り返すのが精一杯だった。地面に触れるのを前に僕は意識を失った。

 今回も読んでいただきありがとうございました。


 さて、今回は固有魔法についての解説です(あとがきに書くことがなくなっただけ)。固有魔法の条件はこんな感じです↓

①魔法陣で表すことができない→つまり、その固有魔法を持っていない人は使うことができない。

②大体10歳くらいまでに何かしらのきっかけで使えるようになる。

③本人の意志や信念に基づく能力の場合が多い。なお、術式自体は他人同士でもたまに同じものが現れることがある。

④長い呪文の詠唱が必要ない(→発動前に呪文でどんな魔法かバレにくい)。数語だけで発動可能。また、術式の構築から発動までの時間も格段に少ない。(サラマンドルやジャックフロストは、発動する前にコッソリ呪文を唱えてるってことにします。(長い呪文を思いつかなかっただけです。ほぼ言い訳です。スミマセンm(T_T)m))

⑤家系での遺伝もあるが、突然発生するものもある。

 こんな感じの条件を設定してます。なんか僕のズボラさが透けて見えてきますが、まあ良しとしましょう(←全く良くない)。

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