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DETONATION

第2話です。授業の合間に書いてるので少ない&遅いの二拍子ですみません

 やっちまった・・・

 入学試験でニトログリセリン生成しすぎて的どころか建物ふっとばしちまった・・・

「ちょっと、150番!こっちに来なさい!」

 ですよねぇぇぇぇぇぇ!そら学校壊したら呼び出されますわ。ごめんなさいお父さん!

 そんなこんなで、俺は応接室のようなところに呼び出された。


「実は…王国軍の魔導親衛隊の幹部が試験を見に来ていまして」

 え、まさか死者出しちゃった?

「あなたの攻撃魔法を見て感動し、学生と兼ねてもいいから皇太子親衛隊に入ってほしいといわれたんですが…どうしますか?」

 俺は少し考えた。この15年間かなりがんばって破壊の眷属を探してきたが、王国憲兵隊の資料庫をあさっても破壊の力を持っていそうな怪しい人物を見つけることはできなかった。この国では怪しいよそ者は、地元の憲兵駐屯地を経由して、情報が王国憲兵隊の資料庫に蓄積される。さらに同じ資料庫に全国民の固有魔法を含む戸籍が保存してある。しかし、戸籍まで調べても記録が見つからないとなると、破壊の眷属は王国の中で戸籍を改ざんできるほど、つまりある程度の地位を持っている人物である可能性が高い。親衛隊といえば王国軍のなかでもエリート中のエリートなので、その地位を手に入れるに越したことはない。

 しかし逆に、急に魔法に、特に戦闘用魔法に関して目立った動きをすると破壊の眷属に気づかれて警戒される可能性もある。

「…入りたいです」

「わかりました。このことはお父様とも話し合って…」

「いや、公には僕はただの学生としておいてください。親衛隊に入るということは内密にお願いします」

 ハタから聞いたら意味が解らないが、相手が現状誰なのか、どう動くのかわからないので正体を隠すしかない。しかし、試験官の魔女は俺が真剣な顔をしていたのを読み取って、そのことを了承した。


「どうだったか?」

 家に帰ったら、すぐにお父さんが神妙な顔で聞いてきた。

「それがね…」

 僕もわざと焦らす。

「…合格だよ」

「よっしゃああああ!やったな我が息子よ!お前はタブリス家の誉れだ!」

次の瞬間、僕は鬼が笑うとこんな感じかなというお父さんの電柱のような腕に抱え上げられ、合格祝いのごちそうが揃えられた屋敷の中に連れて行かれた。

 それもそのはず、王立魔法学園は中等教育の段階から魔法が学べる唯一の学校なのだ。つまりエリート中のエリート、ハーバード大学のようなイメージだ。そんなところに合格したら、地方の貴族の息子として有り余るほどの栄光ってわけだ。


 王都アル=イスカンダリーヤで行われた入学式は普通だった。そう、元の世界と殆ど変わらない。皆魔法使いの象徴とも言えるローブを着ていた。ちなみにこのローブは制服の一部で、制服一式の上に着るものだ。安全性のための防御術式が刻印されている。学年ごとに制服の色が違い、今年一年生は白一色でまとめられている。

 試験会場を破壊してしまい懲罰モノかと思ったが、どうやら僕が主席のようで入学式の話をさせられた。「私達は学校のため」「入学したら勉学と魔法に励み」等々。

 ところがクラス分けのときにちょっとした事件が起こる。トップのAクラスは男子生徒が僕を含めて3人だけでほかは全員女子生徒なのだ。これは僕のコミュ障を知っていての所業か?!そもそも魔法は男性より女性の方が肉体的に相性がいいらしく、特に実力トップ層のSランク魔術師はほとんど女性だ。でも、だからといって極端すぎないか?これは。

「きみ、今年の主席のイスラフェル・フォン・タブリスだよね?」

「?!」

 突然話しかけられてびっくりした。振り返ると、そこには女神様が作った「最高にイケメンな」僕の顔と同じくらいの金髪のイケメンがいた。

「僕はアズライル・フォン・アスターテ。よろしく」

ん?アスターテ?それってまさか…

「まさか皇太子殿下ですか?」

「まあ…ね」

 アズライルはあまりそうよんでほしくないというような表情をした。

「クラスメートなんだからへりくだるのはやめてくれないか?」

「あ…ハイ」

「そこ、へりくだってる」

「うん…」

 まずい。護衛対象とまともにコミュニケーションが取れない。今さらだが自分のコミュ障を呪った。まだ親衛隊への正式な入隊はまだだが「何かあったら頼みます」と家に来た軍のエライ人に言われている。


 学生寮は基本3人一部屋だが、特待生には個室が用意されていた。しかも窓側1LDK風呂付きで、元の世界で僕が借りていたアパートより広い。授業が始まるのは翌日からなので、今日中に荷ほどきをしておくようにということだった。


 授業が始まる直前になってようやく僕達の担任の教師が教室に入ってきた。

「ソフィー・ローズです。皆さんの担任なのでよろしく」

 彼女はまだ若手、20歳の魔女だが、相当優秀でないと王立魔法学院の教師になんてなれない。彼女もまた結界術において大きな功績を作り、飛び級を重ねて10代で教師になった。割と大きなニュースで、タブリス領までニュースが流れてきたほどだ。

 以下、主な生徒の自己紹介である。

「アズライル・フォン・アスターテです。色々思ってることがあるかもしれませんが敬語は無しでお願いします」

「ジブリル・フォン・ルシフェルだ。よろしく」

 ジブリルは、細身だがいかにも血気盛んそうな見た目のガタイのいい男である。ちなみにこの国では貴族の位列が定められており、ルシフェル家は序列2位に当たる名門である。

「ラミィ・フォン・ミゲルです。よろしくお願いします」

 第一印象としては「覇気がない」という感じの女の子だ。しかし、見ただけでもスタイルは抜群であるとわかる。ミゲル家は序列6位に位置している貴族だ。

「クリスティーン・シュミットです。よろしくお願いします」

 シュミット家は貴族ではないが、この国でも1,2を争うほどの大商人の家で、王国の物流の殆どを担っている。

「い、イスラフェル・フォン・タブリスです。よろしくお願いします…」

 これは僕の自己紹介。緊張で声が震えてしまった。しかし、周りは序列20位以上の貴族の子や有力な商人の子がほとんどだ。客観的に見ても序列68位のタブリス家が乗り込んでいいところじゃない。緊張して当然だと思う。というか、コミュ障の言い訳にしたいだけだが。

これからもよろしくお願いします

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