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ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!  作者: タカハシあん
第13章

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595 耕運機

 もちろん、三人で飲み明かし、起きたのは昼近くでした。


「しょうがない男たちだよ」


 店の主たるローシさんが呆れながらも水を出してくれ、一気に飲み干した。うん、不味い水だ。ここの人らはこんな水飲んでんだな。これで長生きできるとかスゲーよ。


 ローシさんはカインゼルさんの幼馴染みらしく、家族とも死別したようで、カインゼルさんの支援で酒場をやっているそうだ。


 軽い食事をいただき、礼に酒を贈らせてもらった。いきつけの酒場にさせてもらいたいからな。


 カインゼルさんとアルズライズはサウナにいき、オレはホームに入ってシャワーを浴びてすっきりさせた。


「まだ巨人がきているのか?」


 シャワーを浴びてきて玄関にきたら布がたくさん積み重ねてあった。


「ええ。ロースト村の巨人がきたのよ。今、ラダリオンにお願いして大きくしてもらっているの」


 ラダリオンがいないと思ったらそんなことさせられていたんだ。もう一つの巨人の村、ローストだったっけ。


「ミリエルもか?」


「ミリエルは双子を教育しているわ。巨人になれる指輪はわたしがしているわ」


 巨人になれる指輪を掲げてみせた。


「栄養剤、また当たらないと夏までになくなりそうだな」


 小瓶を見せてもらったら半分は使っている感じだった。


「そうね。二十錠になったら止めるわ。あとは、ラダリオンにがんばってもらうとしましょう」


「食べる量が増えそうだな」


 本人はたくさん食べられて喜んでいるが、食費を考えたらオレの食欲は激減して、酒の量が増えるわ……。


「館でも野菜を作らなくちゃな」


 自給自足の大切さを痛感させられるよ。


「そうね。わたしも野菜作ってみたいわ」


「へー。ミサロにそんな興味があったんだな」


「料理していると自分でも育てたくなるのよね。耕運機、買ってもいいかな?」


 拘りが強い性格だと思ってたが、まさか野菜作りからやりたいとは。凝り性なやっちゃ。


「それは構わないが、耕運機なんて使えるのか?」


「わからないからタカトが覚えて教えてよ。調理器具はなんとなく使えるけど、車みたいな機械はよくわからないのよね」


 概念すらなかったところから調理器具を使うって凄いが、興味がないことには脳が働かないのは種族に関係なくあるものなんだろうよ。オレだって調理器具は使えても料理なんてちんぷんかんぷんなんだしな。


「わかったよ。デカいものじゃなければわかるだろうしな」


 さすがに北海道で使うようなバケモノトラクターとかは動かせないが、家庭菜園で使うようなものなら除雪機とそう変わらんだろう。それなら説明書読まなくても使えるさ。


「耕運機はミサロの好みのを買っていいが、あまり大きなものは止めておけよ。まずは小さいのに慣れたら大きいのを買うから」


「わかっている。手頃なのを買うわ」


 まあ、家庭菜園用の耕運機なんて誰でも使えるように造ってあるもの。何台あっても困らんだろうさ。


 あとのことはミサロに任せ、パイオニア五号に乗って外に出た。


 二人はまだきてないようだからヒートソードを振り回して待つことにした。


 汗が出てきた頃、二人がさっぱりした顔でやってきた。


 ……ここのヤツって、サウナ好きだよな……。


 職員も風呂よりサウナを好んでいる。文化の違いを感じるよ。


「少し涼みますか?」


「いや、大丈夫だ。わしが運転する」


 キーを渡し、オレは後部座席に。体の大きいアルズライズは助手席に座った。


「久しぶりの運転なんですから安全運転でお願いしましよ」


「安心しろ。まだ腕は衰えていない」


 うん。運転歴一年ですよね。何十年も運転してたみたいに言わないでくださいな。


 なんてことは口にせず、缶コーヒーを取り寄せてお任せすることにした。


「いくぞ!」


 車体が長くなったパイオニア五号をフル加速で発進。ラリーでもやろうってかの勢いであった。てか、おちおち飲んでられんな。


 飲むのを早々に諦めて缶コーヒーを投げ捨て、吹き飛ばされないよう手すりを強く握り締めた。


 十キロの道を爆進し、三十分くらいで街に到着した。車に弱いヤツならゲロまみれになっているな……。


 北門から街に入り、大通りを右折。西側に進んだ。


「こっちは住宅地ですか?」


「貧民区だな。路上生活者より上の者が住んでいる。わしも兵士を首になった当初は住んでいたよ」


 数ヶ月で金がなくなり、路上生活になったそうだ。


「ここから歩いていこう。パイオニアをセフティーホームに戻せ」


 と言うのでパイオニア五号をホームに戻し、スコーピオンをカインゼルさんに。AA−12をアルズライズに。オレはMP9を持った。


 殴り込みにでもいくような勢いだが、路上生活者とは違う追い込まれた感じを出している。こちらが無防備でいたら集団で襲ってきそうな空気が流れていた。


「無闇に襲ってくることはないから安心しろ。ここを仕切る一家は話のわかる一家だから」


 小さな世界で切った張ったなんてやっていたら滅びるだけか。領主代理も容赦ない人だしな。


「マルティル一家の者はいるか? わしらはセフティーブレットの者だ。うちのギルドマスターが会いたいと言っている。早急に取り次げ!」


 カインゼルさんがそう叫ぶと、路地から柄の悪い野郎どもが何十人と出てきた。こっえー!

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