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ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!  作者: タカハシあん
第13章

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593 ミランル村

 サツーマも食い終わり、まだ陽も高いのでミランル村にいってみることにした。


「カインゼルはミランル村の出身だったのか?」


「どうだろう? あまりカインゼルさんの過去は聞いてないからな」


 酒の席で聞くのは兵士時代のことばかり。出身地はどことか、家族はいるのかとかは聞いたことはない。オレも浮浪者経験を知っているので深くは訊かないようにしていたからな。


「お前の無闇に過去を訊かないところは美徳だと思うが、もう少し関心を見せてやれ。壁を作られていると思われるときがあるからな」


「そんなものか?」


 オレとしてはあまりプライベートなことは触れるべきじゃないと思っているんだが。


「まあ、誰彼構わずもってのも不躾だし、それとなく触れていくのがいいかもな」


 面倒なことだ。オレはそこまで気遣いはできんぞ。


 歩いて十五分。畑が現れた。


「ベスミーか?」


「ああ。ミランル村はベスミーと豆が主だったはずだ」


 かならの数のベスミーが植えてあり、時期的なので甘い香りが漂っていた。


 そう言えば、シエイラへの土産、忘れてたわ。帰りにちゃんと買っていかんと怒られてしまう。


「ラダリオン。ベスミーを買っておいてくれ。ミサロならもっと美味いジャムを作ってくれるだろうからな」


「任せて!」


 よし。これで忘れる心配はなくなったな。


「ベスミージュース、ベスミーアイス、ベスミーケーキ、あと、なんだろう?」


 それを作るのはミサロなんだからほどほどにしておきないよ。


 時刻は十六時過ぎ。陽もまだ出ているので作業している村人もちらほらと見える。


「魔物は出ないのか?」


 なにか警戒している様子もないが。


「よほどの魔物でなければ町には近づかないな。冒険者の餌食になると学んでいるから」


 なんでもリハルの町には銀印の冒険者が何十人といて、アルズライズとタメを張っている金印がいるから小物くらいしか近寄ってこないそうだ。


 道を進むと、木の柵で覆われたミランル村が見えてきた。


「意外と大きい村なんだな」


「リハルの町の食を支えているような村だからな。冒険者も村の周りを見回っているよ」


 へー。そういうことしているんだ。リハルの冒険者は他と違うんだな。


「ん? カインゼルさん、山のほうにいるな」


 村にいるんだと思っていたら、気配は山のほうからだった。


 気配を辿っていくと、溝が掘られており、山の奥に続いていた。


「キャタピラーの跡、PC01か。あれでよく彫り進めたな」


 排水溝くらいのものだが、かなり奥まで続いている。岩もあるだろうに庭先を掘るような油圧ショベルでよくやったものだ。


「軽トラの跡もあるな」


 言われてみればタイヤの跡もある。道を造りながら溝も掘るとか、カインゼルさん、一人でやっているのか? あ、見習い冒険者を連れていったから手伝わせているのか?


 よくよく気配を探ったら請負員にしたヤツの気配も山の中にあった。ゴブリン駆除をさせながら魔物がこないよう見張らせているのかな?


 道を登っていくと、エンジン音が聞こえてきた。


「カインゼルさん!」


 しばらくして軽トラダンプとPC01を操るカインゼルさん、あと、四十代くらいの男が二人いた。


 オレの声か気配に気づき、こちらを向いてエンジンを停止させた。


「今日はこれで終わるとしよう。今日の賃金だ」


 二人の男は雇っていたようで、金を渡して帰らせた。


「なにしているんです?」


「用水路を造っていたんだよ。村は高い位置にあるから毎日水運びしないといけないのだ」


 この時代でも用水路ってのがあるんだ。


「ここって水不足になったりするんですか?」


「いや、山が深いから水が不足になったことはないな。少ない年はたまにあるが」


 雨が少ないのと水不足は違うってことかな?


「……なにかあったのか?」


 ダメ女神からの神託(笑)をカインゼルさんに伝えた。


「雨不足にミジャーか。そんな年が昔にもあったな」


 あったんだ。じゃあ、そんなに大したことじゃないのか?


「あの年はよく覚えておるよ。ミジャーがライダンドから流れてきてコラウスの麦を半分も食われてしまった。お陰で餓死者が数千人と出たよ」


 それで滅びないほうがオレには驚きだよ。


「国としても危なかったのでは?」


「他の領地のことはわからんが、冒険者からのウワサでは相当死んだみたいだな」


 国が滅びそうなことだったようだ。


「何年前のことですか? 季節も覚えていますか?」


「約三十年前で、秋だったと思う」


 そんな昔か。でも、三十年前ならご隠居様は領主だったはず。しっかりと記憶しているだろうよ。


「……タカトは、またあんなことが起こると考えているのか……?」


「その頃にいないのでなんとも言えませんが、女神が言っているのならあると思いますよ。あの女神は、ゴブリンが集まってくることを喜んでいる感じでしたから。てか、そのときもゴブリンは現れたんですか?」


 オレもどちらかと言えばそれが重要だと思っていたりします。


「現れたな。ミジャーを追い払うので各町から動員されて田畑を荒らされたよ」


 ミジャーを食ったってわけじゃないのか。弱り目に祟り目って感じだったんだろうな。ほんと、よくそれで滅びなかったものだ。


「どうするんだ?」


「それは領主代理の仕事なのでなんとも言えませんよ。オレがどうこうできる範囲ではないので」


 一駆除員にどうこうできるものじゃない。オレの責任はギルド員の利益。食っていけるようにすることだ。


「もし、カインゼルさんがよいと言うならセフティーブレットの対集団戦の兵隊長になりませんか?」

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