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ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!  作者: タカハシあん
第12章

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568 優先すべきこと

「マスター!」


 水分がないからよく燃えるな~と眺めていたら、職員たちと村の男たちがやってきた。


「二日酔いは大丈夫なのか?」


「バデットが現れているのにのんびりしてられませんよ!」


「冒険者ギルドではバデットの情報が共有されてんだ」


 シエイラから冒険者ギルドの内情は聞いていたが、記録はしてもそれを管理する部門はなかった。古株の職員が昔話みたいな形で伝わっていると言っていた。


「バデットに亡ぼされた国のお伽噺は有名ですからね」


 国を跨いで伝えられるお伽噺か。それだけ凄惨な状況だったようだな。


「しかし、よく二人でこれだけの数をあっと言う間に倒せましたね。これだけの数がいたら村は全滅でしたよ」


「動くしか能がないバデットなんて雑魚もいいところだ。脅威でもなんでもないよ」


 なにか撃ってくるわけでもなければ無秩序に襲ってくるわけでもない。知能もなく連携もしない。こちらは遠距離攻撃ができて魔法が使えるのだ、なにを恐れると言う。一方的な虐殺だ。いや、死んでいるけどさ。


「断言はできないが、バデットは魔石になんらかの魔法がかけられていて、魔力で体を動かしている。なら、死体を傷つけてやれば動きは鈍る。鈍れば網でも放ってさらに動きを鈍らせる。あとは、魔法なり火なりで燃やしたらいい。ゴブリンを罠にかけるより簡単だ」


 これが千や二千となれば厄介だが、それでも倒す方法はある。ゴブリン駆除より楽だわ。


「穴を掘って埋めるぞ。魔石があっても素手で触るなよ。なにか違和感を覚えたらすぐに言え。治す方法はあるから安心しろ」


 恐らく回復薬なら治るはずだ。遺伝子障害まで治しちゃうんだからな。奴隷紋すら無効にしたんだからな。


「マスターが凄いのはアシッカで理解しましたが、まだまだ底ではなかったんですね」


「煽てたってなにも出ないぞ。さあ、さっさと穴を掘るぞ。村の方々も手伝ってください。あと、またくるかもしれないので、ゴッズが上がれない穴を掘ってください。落としてしまえばどうとでもなりますからね」

 

 あんなものは穴にダストシュートしてやればいい。魔石も無限ではないんだ、切れるまで放置するなり燃やすなりしたらいいんだよ。


 問題はなぜゴッズがバデット化したかだ。


 魔王軍ではない。ダメ女神は十……なんとかのなんとかが消えれば、しばらくは魔王軍の問題は片付くと言ったからな。


 まあ、あのダメ女神の言葉だからどこまで信じていいかわからんが、脅威なら五万七千匹のときになにか言っているはずだ。意図的に言ってなかったらぶっ殺す!


 明るい内は穴を掘ることに全力を尽くし、暗くなったら明かりを点けてバデットゴッズの燃えカスを穴に放り投げてやった。


 終わる頃には日付を(また)いでおり、女性陣に見張りに立ってもらい、オレらは泥のように眠った。


 起きたのは九時を過ぎていたが、筋肉痛で動くことがてきなかった。


「タカトさん。おはようございます。大丈夫ですか?」


「……物凄い筋肉痛だ……」


 次の日に出るんだからやっぱオレはまだ若いのだろう。ウヘヘ。


「任せてください」


 ミリエルの手がオレのおでこに触れられると、暖かいものが流れてきた。


 ……そう言えば、ミリエルは筋肉痛も治せるんだったっけ……。


 体の痛みがすぅーっと消えていった、


「……また、カインゼルさんにしごいてもらわないとな……」


 しごいてもらったのなんてほんと最初だけ。剣の腕はあの頃より落ちているんじゃないか?


「ありがとな。楽になったよ」


 シャワーを浴びにいきたいが、他の者たちの手前、自分だけがさっぱりするわけにもいかない。


 盥、ヒートソード、ホーム連動型水筒、桶を取り寄せてお湯を沸かした。


「お前たち。起きたら体を洗え」


 汗臭いなどもっての他。常に綺麗にしていろ、だ。


 パンツ一枚になって先陣切ってお湯を被り、ボディーソープで体や髪を洗った。


 他の職員も服を脱いで体を洗い始めた。


「おれらもいいかい?」


 村の男たちもやってきたので、盥を二つ追加してお湯を沸かしてやった。


 酒を飲み合い、汗を流し合い、裸の付き合いをする。そして、皆にビールを配って乾杯をした。


 またかい! なんて言わないでくれ。あんだけ動いて、さっぱりしたのだからビールで乾杯しても許されるだろうよ。


「ミリエル。イチゴを出して見張りに立たせてくれ」


「またくるんですか?」


「わからん。念のためだ。ミリエルはよく休んでおけ。いざとなれば逃げるから」


 千や二千、問題ではないが、だからって付き合ってやる義理はない。ここで最優先するべきはミリエル。そして、職員たちだ。余裕があれば村の者たちだ。


 恨まれようが憎まれようが、これだけは変えられない。オレが守らなければならない優先順位であり事項だ。


「わかりました」


 にっこり笑いながらもマジな目をして答えた。


 ミリエルも優先順位を理解し、決断できる女だ。安心して任せられる。


 皆の輪に入り、笑顔でビールを傾け合った。湖を調べにいって欲しいと言われないために、な。

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