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ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!  作者: タカハシあん
第12章

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533 殺れ

 午後になって雨が降ってきた。マジだったよ。


「そう強い雨ではないな」


 傘を差せばなんてこともない雨だ。これなら雨具を着なくてもよさそうだな。


 広場の奥もあるていど片付いたので、イチゴから連絡が入るまでは待機とする。


「雷牙は元気だな」


 雨にも負けず手甲ブーメランの練習を続ける雷牙。若いって羨ましいよ。オレは夜のために体力温存しないといけないってのにな。


 規則正しい生活ができないってのも駆除員が生き残れない要因の一つかもな。日勤勤務のパラダイスなことよ。給料安いとか文句言ってごめんなさい。低賃金でも夜寝れることの幸せに気づけたよ。


 まあ、そんな今さらなことを言っても仕方がないんだが、なにもしないとそんなどうでもいいことを考えてしまうんだよ。


「──イチノセ」


 イチゴの声がしてビクッとしてしまう。やっべー。ついうとうとしてたよ。


「ど、どうした?」


「ミヒャル商会の隊商がオーグに襲われそうです」


 はぁ? オーグ? 


「隊商の位置は峠か?」


「峠を二キロほど下りました」


 すぐにオートマップを出して位置を確かめる。


 峠からこの広場まで約十八キロ。車なら二十分くらいだが、馬車なら半日の距離だ。峠から二キロならかなり遅れている状況だ。


「オーグは何匹だ?」


「二十八匹です」

 

 かなりの数だな! あんなのが二十八匹も襲ってきたら一溜りもねーぞ。


「隊商は気がついているのか?」


「まだのようです。あと百五十秒で接触します」


 もうすぐそこじゃん! どうしようもねーよ!


「ミヒャル商会の後方に別の隊商はいるか?」


「いません」


 それは好都合。目撃者は出ないな。


「ビシャ! マイズ! マンダリン隊は隊商のところに飛んでオーグを追い払え! 魔石の回収も忘れるな」


 プランデットで連絡する。


 ニャーダ族に殺させないと意味はない。オーグに殺されちゃ意味ないんだよ。


「了解! マイズ、ライター、ロール、いくよ!」


 ワイニーズ討伐が本当に生きているな。リーダーシップが取れているよ。


 一分もしないでマンダリン四台が飛び立っていった。


「マーダ。誰か一人を向かわせろ。人攫い一味を安全に広場へ連れてくるんだ」


「わかった。ジニート、獲物を罠に導け」


「任せろ」


 ニャーダ族の男が広場を飛び出していった。


「残りは今のうちに休んでおけ。夜遅くまでの作業になりそうだからな」


 見張りは雷牙に任せ、眠れる者は眠らせ、オレも仮眠した。


 あまり熟睡はできなかったが、二時間は眠れた。これなら夜中まで起きていられるだろう。


「イチノセ。約一時間後に隊商が広場に到着します」


「了解。隊商の被害は?」


「馬車一台と冒険者二人が重症を負いました。ビシャが手当てをしています」


 見捨てたってことか。まあ、オーグ二十八匹に襲われたら誰かが足止めしなくちゃならないか。冒険者稼業も命懸けだな。


「ニャーダ族の男が一人向かったが、どうしている?」


「隠れながら隊商を見張っています」


「わかった。十分前になったら教えてくれ」


「ラー」


「よし。全員、所定の位置に。あと一時間で隊商がくる。完全に隊商が広場に入り、馬を荷車から外すまでは動くなよ。マーダ。仲間の指揮は任せる」


 オレがどうこう言うより集落のリーダーだったマーダに任せるほうがいいだろう。


「わかった」


「メビは高いところから援護だ。タイミングは任せる」


「了ー解!」


 スナイパー用にした416を持って駆けていった。


「わたしはどうする?」


 と、ミシニーに声をかけられた。いたんかい!? 気がつかんかったわ!


「いるんなら存在感を出せよ。てか、いつきたんだよ?」


 ニャーダ族と一緒じゃなかったよね? 朝も見てなかったし!


「夜の間にきた。さすがに獣人の脚についていけないからな」


 ま、まあ、確かにそう言われたらそうか。ミシニーはひ──スレンダーで肉体で戦うタイプではない。長距離タイプではなく短距離タイプだろうよ。瞬発力はとんでもないがな……。


「ミシニーは万が一のときに備えてくれ。もしかするとミヒャル商会がなにか隠しているかもしれないからな。凄腕の魔法使いか凄腕の剣士がいたらオレじゃ対応できないからな」 


 ミシニーやアルズライズみたいな者が敵として現れたらら即ダッシュで逃げ出すよ。


「まあ、それらしい魔力も気配もないが、タカトがそう言うなら従うよ。ニャーダ族の活躍を奪うわけにもいかんしな」


 理解があって助かるよ。


 ニャーダ族が隠れたら、オレとミシニーでパイオニアの前で待つ。雷牙はホームの中から見張っててもらっているよ。


「イチノセ。十分前です」


「了解。くるぞ!」


 獣人の聴覚ならオレの声は聞こえたはずだ。


 やがて最初の馬車が広場に入ってきた。


 御者の男は広場にオレたちがいたことに驚いたみたいだが、それ以上のアクションは起こさない。止まるに止まれず次々と馬車が入ってきた。


 ミシニーはパイオニアに残し、腰回りの武装だけで最初に入ってきた馬車に向かった。


「ゴブリン駆除ギルドの者だ。ここでゴブリンを狩っている」


 前回の隊商にしたように告げた。


「ミヒャル商会の隊商だ」


「随分と遅い到着だが、なにかあったのか? 昨日きた隊商はオーグの群れを見たと言っていたが」


「そのオーグに襲われた。冒険者も二人やられたよ」


「そうか。今のところここにはゴブリンしかいない。夜中に荷物を奪われないよう気をつけることだ。昨日の夜も何匹か忍び込んできたからな」


「情報、助かる」


「こちらこそオーグの情報助かる。では」


 そう言って振り返り、パイオニアに向かって歩き出した。


「メビ。殺れ」


 プランデットをかけ、メビに指示を出した。

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