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ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!  作者: タカハシあん
第7章

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303 ありがとう

 皆が集まり、夕飯を摂りながらミーティングを開始する。


 ダメ女神のアナウンスは三人にも伝わっていたが、請負員には伝わってなかったとか。つたえる伝えないの基準はなんなんだ?


「ロースラン退治にはオレ、メビ、アリサの隊でいく。状況で変わるが五日を予定している。もし、手間取るようならすぐに撤退する」


 ゴブリンもいるとなると予想がつかない。狂乱化されたらオレたちでは対抗できない。さっさと逃げるさ。


「ミリエルはビシャと南洞窟を攻めてくれ。指揮はカインゼルさんに任せるから」


「わたしもロースラン退治にいきたいです」


 と、ミリエルが訴えてくる。


「まあ、さっさと終わらすならミリエルを連れていけばいいんだが、この状況ではオレら駆除員が固まるのはよくない。アシッカ、マイセンズの砦、南と東の洞窟と重要な場所が多すぎる。ホームに入れる者が一人が残らないと万が一のときに困る」


 攻める場所と守る場所が多すぎる。補給が滞ったらせっかく築いた場所が崩壊してしまう。


「ダメ女神がマイセンズにいくよう促した。なのに、ゴブリンがいたのはアシッカ。マイセンズじゃない。大人数でとの言葉も気になる。あの洞窟の奥にはなにかある」


 なにがあるかまではわからない。なら、挑む前に万全の用意をしておかなくちゃならない。ここで駆除員が外れてなにかあればこれまでの準備が水の泡だ。


「オレたちは生き残らなくちゃならない。ここにいる誰も欠けちゃいけないんだ。そのためには生きれる領域を築く。それが築かれてこそ、オレたちは安心して暮らせていけるんだからな」


 オレ一人ならよかった。だけど、オレはラダリオンを誘い入れ、ミリエルを受け入れ、ミサロを引き込んだ。


 三人は気にするなと言うが、駆除員にしてしまった責任はなくなったりしない。自分の命だけではなく三人の命も守らなければならない。オレたちが生きてこそダメ女神の悪行に勝ち得るのだ。


「……ごめんなさい……」


「謝ることはなに一つないよ。オレを心配してのことなんだからな」


 オレが三人を大事にしているよう、三人もオレを大事に思っててくれる。こんなクソッたれな世界に一人できて、三人も味方になってくれた。オレを思ってのことで責めるなんてしたら地獄に堕ちるわ。


「ありがとな。オレの側にいてくれて」


 後悔は今もある。だが、それ以上に心強さがある。ラダリオン。ミリエル。ミサロ。こんな頼もしい仲間を得たことがこのクソッたれな世界での救いだ。


「それはこっちのセリフ。タカトがいてくれたからあたしは生き残れて、毎日美味しいものが食べられる。ありがとう」


「そうです! 一人ぼっちのわたしに声をかけてくれて、両脚を治してくれて、こうして暖かい部屋をもらえました。ありがとうございます!」


「わたしも。魔物から人にしてくれた。ありがとう」


 なんのホームドラマやってんだと突っ込みを入れたくなったが、それはそれで気恥ずかしい。生ビールをいっき飲みして場を切り替えることにした。


「ラダリオンのほうはいつ出発できる?」


「商人が手こずっているみたいでまだ決まってない。あと、サイルスのおじちゃんもいくと言い出してた」


「あの人の自由な人だな」


 そんな立場でもないだろうによ。


「冬の間はなにもすることがないって言ってた」


 そうなのか? まあ、この雪じゃ仕方がないか。冒険者でも逃げ出すんだからな。


「サイルスさんがくるならありがたいか。伯爵とも繋がりができるしな」


 コラウスと、まではいかなくても領主代理の夫と繋がりができるだけで寄り子たちの牽制ともなるはずだ。コラウスは格上の貴族だしな。


「なら、サイルスさんには先行してもらうか。ラダリオンは商人たちの護衛をしてくれるか? 商人たちを味方にしておきたいしな」


「わかった」


「とは言え、シエイラやサイルスさんがくるなら館が手薄となるか……」


 二人のことだから任せられる者を代理に立てるだろうが、ミサロを一人にするのも心配だ。


「やはり、五人目が必要かな?」


 ミサロは増やせと言うが、だからと言って誰彼構わず、とはいかない。一生ゴブリン駆除を強いることになるんだからな。


「誰か候補になりそうなヤツはいるか?」


「ビシャとメビ、カインゼルさんではダメなのですか?」


「姉妹の片方だけってわけにもいかないだろうし、カインゼルさんは年齢も年齢だ。過酷な老後は送らせてられない」


「シエイラは?」


「ギルドを任せられるのはシエイラだけ。オレたちの帰る場所を守ってもらう存在だ。駆除員にはできない」


「エルフのアリサさんはどうです?」


「アリサを受け入れた場合、漏れなくエルフ全体がついてくる。オレはそんな重いもの持ちたくないよ」


 エルフを利用しているが、それは魔法に優れた種族だから。将来を持ってやるつもりはない。


「言葉は悪いが、天涯孤独のヤツがいい。もちろん、能力があって生きることに貪欲。泥水を啜っても生きてやる! ってヤツがいいな」


 この時代ならたくさんいそうな気がしないでもないが、ラダリオン、ミリエル、ミサロと言った過酷な人生を送ってきた者は少ないだろう。そう考えると、オレたちの出会いって奇跡だよな……。


「もし、仲間にしてもいいってヤツがいたら教えてくれ。皆で検討しよう」


 残り一枠。皆が納得しないなら引き込めない。慎重にならざるを得ないよ。


「まあ、そう急ぐこともない。まずは各々の役目を果たすとしよう」


 あれもこれもは気が散るだけ。やれることからやっていこう。

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