1481 *ラルズ* 下
「へー。こんなところもあるんだな」
滝周辺の風景を見て感嘆な声を上げた。森ばかりに見慣れたからこの滝は新鮮だろうよ。おれもしばらく見惚れていたからな。
「ああ。水は豊富だからか、ゴブリンの数も凄かったよ」
八十キロだからこちらにやってくるかもしれん。また稼げるといいな~。
「ラルズ。休んでいるところすまんが、マベルクが話したいそうだ。きてくれ」
「わかりました!」
セフティーブレットで生きていくと決めたのだ、自分の立場をよくするために動く。ロンダルクさんたちから教えてもらったことだ。
一応、ガンベルトをして向かった。
「失礼します!」
「悪いな、休んでいるところを呼んで」
職員のテントにはマベルクさんとお嬢、あと、職員がいた。
「大丈夫です! 仕事ですから!」
「ふふ。若いのに偉いな。それでなんだが、明日ラダリオンを連れてこの滝に向かってくれ。ラダリオンに駆除してもらいながら山に発信器を打ち込むんでな」
「よろしく」
「はい! わかりました!」
お嬢の強さはよく知っている。一人でも問題はない──が、なんでまた?
「山があるなら通信をより遠くに飛ばせる。そこに灯台を築くことになった。タカトの指示だ」
あー。お嬢はホームでマスターと会えるんだったっけ。
「そろそろ三十日になる。タカトがくるのも時間の問題だ。ラダリオン一人でも問題ないってわけだ。ラルズは山に発信器を打ち込んでくれ」
お嬢がいるならなんの心配もない、ってことか。
「わかりました。他にやることはありますか?」
「発信器を打ち込んだらしばらくは周辺の観察を頼む。異常があればすぐに逃げて構わない。安全第一、命大事にだ」
下手な手柄や見栄より自分の命を優先させる。セフティーブレットではこれが徹底される。
「はい! 安全第一、命大事にします!」
「よし。明日のためにゆっくり休んでくれ。食いすぎたりするなよ」
「気をつけます!」
敬礼してテントを出た。
一旦、自分たちのテントに戻ったらベレン2とマガジンに弾入れをした。
「急にどうした? なんか作戦か?」
「ああ。明日お嬢を送ることになった」
別に秘密ってわけでもないのでさっきのことをミギスに教えた。
「海兵隊の人たちが悔しがりそうだな」
「あっちは稼いでないのか?」
「なんか暇してたな。ゴブリンもいるところといないところがあるみたいだ」
へー。そうなんだ。どこにでもいる害獣かと思ったよ。
「ラルズ。相変わらず手入れが下手だな。まずは埃を払ってからだ」
手入れマニアなミギスに横から奪われ、危うく夕食を逃すところだった。お前は海兵隊にいけよ!




