表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/8

第6話 アリスの謎解き

 私たちは日が暮れる頃に王城にたどり着いた。


私たちが来ることがわかっていたように遮るものは誰もなく陛下たちのいる玉座の間に着くことができた。

陛下、王妃、側妃たち、ランドマーク公爵夫妻など主だった臣下が揃っている。


「アルト!お前は何ということをしてくれたのだ!!」

帰国した陛下は激高している。


「アンが!アンが言っていたのです。サリーシャこそが魔女であると。サリーシャさえいなくなればアリスが聖女の力が覚醒し時間を戻せると」


「何を言っている!乳母が亡くなり狂ったかアルト!!アンという侍女はもうおらぬ。さっさと逃げ出しておるわ!公爵令嬢も聖女も行方不明!アルト!第一王子であるお前のこの醜態、お前の皇位継承権を……」




「陛下!お待ち下さい!!」

陛下の目の前にたどり着いた私とサリーシャは同時に叫んだ。


「サリーシャ!!」「サリー!!」

公爵夫妻がサリーシャの元に飛び出してきた。


「お父様!お母様!戻りましたわ!」

3人で抱き合って泣きながら再会を喜んでいる。


お父様とお母様のあの顔を見られただけでもサリーシャを連れて逃げてよかった。

前に私がサリーシャだった時はずいぶん悲しませてしまっただろうから。


でも、私がサリーシャだったら。そう思わずにはいられない。サリーシャに戻りたい!お父様お母様に抱きしめられたい!


その時だった。

まばゆい光が私の身体を包む





次に目を開けると目の前にはお父様とお母様!!


ええっ!?どういうこと?


私、私、サリーシャに戻ってる!!!!



驚いて言葉が出ない(サリーシャ)を横目に陛下は話し始める。

「サリーシャ嬢!アリス嬢!よくぞ戻ってきてくれた。バカ息子のせいで迷惑をかけたな!」


「陛下、遅くなりました。ただいま戻りました」

アリスが陛下に挨拶をしたあと、こちらをチラリと見てウインクした。


アリス?


「お主たちには辛い思いをさせてしまったな。バカ息子には責任をとらせよう!」


「陛下!お待ち下さい。聖女である私にお任せを!」


アリスはツカツカとアルト王子のところに行くと、そっとアルト王子の頭に手を置き

「浄化!!」


アリスが叫ぶとアルト王子が金色に包まれた。

パタリとその場にアルト王子が倒れるが、起こそうとする臣下をアリスが手で制する。


「アリス嬢!アルトに何をしたのだ?説明せよ!」

陛下も驚き立ち上がっている。


「陛下、まずは私にお任せ下さい。アルト様、目を覚まして下さい。アルト様」

アリスが揺さぶるとアルト王子の目がうっすらと開く。


「アルト王子、大丈夫ですか?立てますか?」

アリスが手を貸しアルト王子を立ち上がらせる。


「ん……、頭にかかっていたモヤが晴れたようだ……。アリス、君が助けてくれたのか?さすが聖女だな」


どういうことだろう?

そうだ!私がアリスだった時に、最後に本当のクリア条件を満たしたから「浄化」の力を手に入れた。

今までもミニゲームとかパズルをクリアして聖女の力を手に入れて攻略対象たちを助けてきたんだった!


アリスはニコリと笑って

「アルト様、すべてわかっているはずです。皆さんに説明してもらえますか?」 

アルト王子に説明を促した。


アルト王子は思い出すように語りだす。

「乳母の件で嘆き悲しんでいた時に、乳母の髪色に似たアンという侍女が入った。後ろ姿が乳母に似ており懐かしくなり側に置くようになったのだ。アンの入れる紅茶は美味しく日に何杯も飲むようになった。ただ、紅茶を飲むと頭がボーッとすることが多くなった。

その頃からアンの言うことを妄信するようになったので紅茶に何らかの薬が含まれていたのではないかと思う」


アリスの「浄化」の力によって薬が解毒され、元のアルト王子に戻ったということのようだ。


「そして、黒幕はこちらです!!」

アリスが側妃たちを指差す。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ