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「……リ…?…リア?セリア?あんた聞いてるの?」


 目の前にいる綺麗な女の人が私の名前を呼んでいる。


(んっ……?ここはどこ?そして目の前の人は誰?)


 周りを見渡すと、一面光に包まれている。そして自分は浮いている…?


(ああ、これ夢か…?)


 そうのんきに思っていたとき、いきなり一面の光が消えた。あたりは闇に包まれた。


「ねぇ…セリア。あなたは私の全てを奪うの?」


 いきなり綺麗な人は大きく、黒い蛇のような姿に変わった。そして蛇の左目から何かが出て、私の右腕に当たった。


 い、痛い。右手腕を見ると、右腕の皮膚がただれているようにが見えた。

 こ、これは毒?


 蛇の左目からは何度も何度も毒のような何かが執拗に右腕に滴り落ちてくる。


(ほ、ほんとに痛い。夢って痛覚ないんじゃないの?痛い。)


 これが夢だと信じきっているせいか妙に焦りは感じない。

 しかし…


(か、体が動かない。)


 そう体が動かない。金縛りにあっているかのように。


(だれか。だれか、たすけて。)


 心の中でそう念じていると、


「君、君?大丈夫かい?」


 どこからともなく声がした。


「今助けるからね。少し待っててくれ。」


 そう言って少年は光る剣を取り出し、蛇の両目を切ってしまった。


「ぎゃああああああ。」


 蛇の悲鳴が響いた。

 と、同時に

 蛇の口から私に向かって黒い(もや)の様なものが離れ、私を覆った。


(な、何?なにこれ。ねぇ…これはなに?)


 どんどん靄は濃くなっていった。

 そして、


(く、苦しい…だめだ…。意識が…飛び…そう…)


「き、きみ?」


 少年が心配そうにセリアの元に歩いていった。

 少年が近づくと光っている剣のおかげだろうか、靄が少しずつだが晴れていった。


(た、たすかった…)


「君の名前は?」


 お礼を言おうとした瞬間、少年が聞いてきた。


「私の名前は…」


「あ、ごめん。先に名乗らないとね。僕の名前は……って言うんだよ。よろしく!」


 ん?今、名前なんて言った?え?名前が全然聞こえなかった。


「あ、そういえば、何で君はこんなところに来たの?」


 あ、そういえば。なんでこんなところにいるんだろう?

 靄が晴れかかって周りが見えて来た。

 あたり一面が雲で覆われているようだった。

 そして


(雲の上に浮いてる!?)


 雲の上に私と少年は浮いているようだった。

 というか本当になんでこんなところにいるんだ?


 少年の質問に答えられないでいると、少年も察したそうで、


「ごめん。答えづらいことを聞いてしまったね。ああ、僕がなんでここに来たかって?なんかさ、神様にこれを持ってあそこへ行け、って言われてきたらこんなことになってた。」


 そう言って少年は光る剣を指差した。

 なるほどなんか神様が助けてくれたらしい。


「この剣さ、一応……らしくってさ、まぁこれ持っていけばだれも死なないから、なんて言ってさ、困るよね、まったく…。」


 少年は説明なしに、いきなり、ここへ連れてこられたことに対して文句を言っているようだった。


 というか、その前の剣の説明、なんて言った?

 さっきから肝心なところが聞こえないみたい。


 ん?少年の体が透けている?よく見ると少年の体が少しずつ透け始めているようだった。


 え?なにが起こってるの?と聞こうとした瞬間、


「あ、そろそろ、神様の元へ帰らないといけないみたい。じゃあね。また、襲われそうになったら……したらすぐかけつけるから。」


 と言い残して、完全に消えた。


 少年は、蛇は、ここは、一体なんだったんだろう。


 そうなことを思っているうちに自分の意識も飛んでいった。



 ※

「フィオーネ様。そろそろ起きる時間ですよ。」


「んっ…。」


 今日から学校か。起きないといけないのか。

 それにしてもなんか変な夢をみたきがするけど、もう忘れちゃった…。


「サティー。すぐに起きますよ。」


 そう言ってベットから降りた。

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