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作戦会議(1人)

 

 ふぅ…。

 朝ごはんを食べ終えたフィオーネは自分の部屋にいそいそと戻り、ペンと紙を探した。


「えっと…最後に使ったのは1週間前か…どこに置いたっけ?」


 とか言いながら探しているうちにベットの下に、紙とペンが置いてあるのを見つけた。

 ペンと紙を見つけたことで少しだけ気が楽になった。

 だがしかし、


「こんなことで時間を潰してはいけない。何か作戦を考えなくては!」


 そうなのだ。あと数時間後には魔法を使うための練習が始まる。それまでに色々と考えなくてはいけなくて…。


 そもそもビクトル家は魔力が豊富で有名な家である。そしてそこから生まれる子は基本的に強い魔力を宿している。


 何か特殊な理由があれば魔力がないことを主張できるかもしれないが、自分にはそんな理由はない。

 そして万が一自分の魔法(もどき)が使えてしまった時には言い訳ができなくなってしまう。

 どうやってごまかそうかしら?と考えていると。


「フィオーネ様、サルティーオです。入ってもよろしいでしょうか?」


 えっと、今入ってきたら本当にびっくりされると思う。なぜならフィオーネは勉強嫌いだからだ。


 かつてはペンを握っていただけで病人扱いされ、回復の魔法に優れた魔法師まで連れてこられた。

 だから今、サルティーオを招き入れるのは、まずい。


「サティー。今から寝るから絶対に入らないで、私の部屋に。入ったら言いつけるから。というか寝る寸前に話しかけないでよ。」


「フィオーネ様。すみませんでした。それでは失礼します…。」


 サルティーオはそう言って消えていった。サルティーオの弱々しい声は少しだけ落ち込んでいるように聞こえる。


 サティーごめんなさいね…。いつか……話せる日が来たら今日のことは謝るわ。そう心の中で思った時。


 そういえば私、勉強嫌いだったのよね。つまり、魔法を熱心にする気もないはずだ。

 実は初期魔法は妖精の機嫌をとる必要があるため一言一句決められた呪文を呟かなければならない。

 しかし、勉強をろくすぽしていないフィオーネがそんなの覚えているはずがない。

 ならば今日、というかしばらく魔法が使えなくてもおかしくない。


 そして、もう一つ。兄は今までブエルテ王国に行っていたはずだ。

 ブエルテ王国は魔術の国。

 兄は魔術が使えるはずだ。


 確か兄はあまり魔力がなく生まれてきた。

 ちなみに兄は姉と双子なのだが、この世で双子が生まれると、大抵魔力がやたら強い子と、弱い子が生まれる。

 そして兄の方が弱かった。だから兄はブエルテ王国で魔術を学んでいるはず。


 魔法が使えなくてむしゃくしゃしている時に、兄に魔術を見せてもらったら、魔術は上手くいってそれで魔術にのめり込むことがあってもおかしくはない。


 よしそうしようじゃないか。

 なんか少し希望が湧いてきた。


 ええっと、あと片付けないといけない問題は…そうよ不幸体質よ。

 私不幸体質なのに前回といい、今回といい、なぜかやたら待遇がいい。


 もしかして呪いの力は弱まっているのかしら?

 そうだと本当に嬉しい。

 だが現実はそんな甘くないことも知っている。つまり、


「今日何か起こる予感がするのよね…。」


 はぁ…まったく。

 私は平穏な生活を送りたいのよ。

 そんなことを考えているうちにフィオーネはうたた寝をしてしまった。


読んでくださってありがとうございます。

今回の話は少し短くなってしまいすみません。

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