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LAWS  作者: 渋谷奏
25/102

2次試験、スタート

「ふわ~あ! おはよう。」

「ね、眠い。なんで朝の5時集合なの?」

 LAWS国家試験2次の舞台は、東京メトロ銀座線。朝の5時前に渋谷の銀座線の駅のホームに望と希は眠そうにいた。

「文句を言わない。始発に乗るために決まってるじゃない。私なんか教師というだけで朝の5時に駅に呼び出されてるんだから。ふわ~あ! 眠たい!」

 銀座線は、たったの19駅しかない。始発の5時から始めると、終電の24時まで、ちょうど19時間というミラクル。そのために1日で終わらせることができるものは、1日で終わらせるのだった。それがLAWS国家試験だ。

「そうか!? 片道にするから強行スケジュールだけど、往復にして、一泊二日にすればよかった。無念。次回は、そうしよう。そうすれば開始時間が午前9時になるはず。ゆっくり暖かい布団で眠るんだ。」

「それでも教師か?」

 苺は、優秀な女教師である。

「はい、初期装備。」

 苺は、望たちに木の剣を渡す。

「木の剣なんかいらないよ。だって僕には皇帝の剣があるもの。」

「ないわよ。あれは1次試験の剣だもの。もちろんレベルも1からよ。」

「そんな!? あんまりだ!? 酷過ぎる!?」

 望と希のレベル500からレベル1になり、皇帝の剣も女帝の剣も没収されていた。

「それでは5時になったので、渋谷駅のクエストを発表します。それでは、スペシャルゲストの登場です! どうぞー!」

 渋谷のスペシャルゲストが現れる。

「キャアアアアアアー!?」

 希の悲鳴が始発の銀座線のホームに響き渡る。

「ゲッ!? おまえは!? 人食いハチ公レベル1000!?」

 なんと現れたのは、LAWS国家試験1次のラスボスの渋谷の人食いハチ公レベル1000であった。

「こんな化け物とレベル1で戦えるか!?」

「ダメだわ!? 私たち!? 早起きしたのに死ぬんだわ!?」

 望と希は、ハチ公の登場に絶望した。

「誰が戦えと言った?」

「え? 違うの?」

「このハチ公は、2次試験の新たなハチ公だ。渋谷のクエストは、ハチ公にお見送りされるだ。」

「なんだ!? その迷惑なクエストは!?」

「ワンワン。」

 2次試験のハチ公は優しいハチ公だった。

「あの~、あなたたちの性で始発が出発できないんですが、もう出発してもよいでしょうか?」

「すいません。」

 深々と渋谷の駅娘に頭を下げる、望たち。

「じゃあな! ハチ公! いってくるぜ!」

「苺ちゃん! お土産を買ってくるね!」

「待ってるわよ! 雷おこし!」

「ワンワン!」

 望たちは、希望をもって、渋谷駅を出発したのだった。

 つづく。

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