2次試験、スタート
「ふわ~あ! おはよう。」
「ね、眠い。なんで朝の5時集合なの?」
LAWS国家試験2次の舞台は、東京メトロ銀座線。朝の5時前に渋谷の銀座線の駅のホームに望と希は眠そうにいた。
「文句を言わない。始発に乗るために決まってるじゃない。私なんか教師というだけで朝の5時に駅に呼び出されてるんだから。ふわ~あ! 眠たい!」
銀座線は、たったの19駅しかない。始発の5時から始めると、終電の24時まで、ちょうど19時間というミラクル。そのために1日で終わらせることができるものは、1日で終わらせるのだった。それがLAWS国家試験だ。
「そうか!? 片道にするから強行スケジュールだけど、往復にして、一泊二日にすればよかった。無念。次回は、そうしよう。そうすれば開始時間が午前9時になるはず。ゆっくり暖かい布団で眠るんだ。」
「それでも教師か?」
苺は、優秀な女教師である。
「はい、初期装備。」
苺は、望たちに木の剣を渡す。
「木の剣なんかいらないよ。だって僕には皇帝の剣があるもの。」
「ないわよ。あれは1次試験の剣だもの。もちろんレベルも1からよ。」
「そんな!? あんまりだ!? 酷過ぎる!?」
望と希のレベル500からレベル1になり、皇帝の剣も女帝の剣も没収されていた。
「それでは5時になったので、渋谷駅のクエストを発表します。それでは、スペシャルゲストの登場です! どうぞー!」
渋谷のスペシャルゲストが現れる。
「キャアアアアアアー!?」
希の悲鳴が始発の銀座線のホームに響き渡る。
「ゲッ!? おまえは!? 人食いハチ公レベル1000!?」
なんと現れたのは、LAWS国家試験1次のラスボスの渋谷の人食いハチ公レベル1000であった。
「こんな化け物とレベル1で戦えるか!?」
「ダメだわ!? 私たち!? 早起きしたのに死ぬんだわ!?」
望と希は、ハチ公の登場に絶望した。
「誰が戦えと言った?」
「え? 違うの?」
「このハチ公は、2次試験の新たなハチ公だ。渋谷のクエストは、ハチ公にお見送りされるだ。」
「なんだ!? その迷惑なクエストは!?」
「ワンワン。」
2次試験のハチ公は優しいハチ公だった。
「あの~、あなたたちの性で始発が出発できないんですが、もう出発してもよいでしょうか?」
「すいません。」
深々と渋谷の駅娘に頭を下げる、望たち。
「じゃあな! ハチ公! いってくるぜ!」
「苺ちゃん! お土産を買ってくるね!」
「待ってるわよ! 雷おこし!」
「ワンワン!」
望たちは、希望をもって、渋谷駅を出発したのだった。
つづく。




