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4.憎悪

グロ表現有り。

「か、可変型!?」


コウスケは驚愕しながら呟いた。


現在ホムンクルスはごく一部を除き地上戦を主としている。スラスターによる跳躍は可能だが、空中戦はもっぱら戦闘機によるものがほとんどである。しかし、今しがたの敵は変形を行い、単独での飛行を可能としていた。


「いつかは作ってみたいと思っていたけど。うぉーー!さっき捕まえたやつ解体させてくれないかなぁ?」


そこで標準回線が鳴った。


「「こちらシェイン•ラグリーだ。お前たちの助力感謝する。拿捕した機体はこちらで後ほど回収させてもらう。お前たちはさっさとシェルターへいけ!」」


「「ま、待ってくださいラグリーさん。どこのシェルターも一杯でロックが開かなかったんです。それで仕方なくここに。」」


「「なに?そんな情報は来ていないが、そもそもこの規模の街だ、そう簡単に一杯になるとも思えんが。分かった、機密ではあるが3番シェルターのパスワードを教える。二人くらいなら無理すれば入れるだろう。ちょっと待てよ、ああこれだ、chary1149だ。」」


「「わ、分かりました。chary1149ですね。行ってみます。」」


「「敵はそれほど多くない、暫くすれば避難勧告も解除されるだろう。私は次の目標に行く。さぁ、お前たちはさっさといけ!」」


通信が途切れるとコウスケはホムンクルスを降りミリアに声をかけた。


「よし、行こうミリア!皆にも会えたら良いんだけど。」


「うん。そうだね。きっと皆無事だよ!3番だから駅の裏のやつだ!行こう行こう!」


ーーーーーー


3番シェルターにたどり着いた二人は早速パスワードを入力中する。


「chary1149っと、お!開いた開いた!」


ロックが解除され薄暗いシェルターへの通路が開いた。


「明かりとかつかないんだなー、携帯のライト俺だけ使うからミリアは温存しとけよー。」


「はいよー。りょーかーい。エネルギー節約なのかなぁ。すっごい不便だねぇ」


二人はシェルターに進んでいく。途中で階段となっていたが注意しながら進み、防火用の厚い扉を開く。


「なんか、すごい静かだなぁ。パニックとかになってなくてよかったな。さっさとみんな見つけな、、、」


「え、、、?」


赤い液体が床を覆い。鉄と内臓から放たれる不快な匂いが鼻を突いた。

そこには折り重なって倒れる。おびただしい数の人だったもので溢れていた。

いくらかの爆発物が使用されたらしく、原型をとどめていないものがほとんどであった。


「いやぁぁぁぁああぁぁああ!!!!」


ミリアの甲高い悲鳴が響き渡る。


「み、ミリア!も、戻るぞ!は、早く!」


しかし、足がすくんだミリアは動けなかった。仕方無しにコウスケは強引にミリアの腕を引く。その時、ふと足元に落ちたそれに目が行った。


それは男性と思われる腕と、それに巻き付いた腕時計だった。小さな頃からよく見ていたそれは、父が好きな車のメーカーから出ていた限定モデルであった。


(父さん!!)


コウスケは歯を食いしばりながら時計を外し、ミリアの手を引っ張ってシェルターの外を目指した。


(許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!!!!)


ドス黒い憎悪がコウスケの心を染めていった。

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