異世界にはまだ謎がある
「ヤバイよぉ~。やっぱ、入んなくて正解じゃ~ん」
ん? この声は? 吉田&石本が振り向くと、なんと後ろには松山沙良がいたのだ。
「あれっ? なんで君がここに?」
吉田は唖然とした顔のまま、松山に問う。
「いやぁ~。やっぱ怖くなちゃって……」
てへっと彼女はおどけてそう言った。
「つか、ヤバい場所だと分かったんだから逃げようよ~」
「確かに彼女の言う通りだ」
石本は頷いて立ち上がる。しかし、吉田は立ち上がらず、Iパッドを凝視する。
「……おかしい」
「は? なにがー?」
「ドローンの映像を見るに、異世界には巨大モンスターだけでなく、人間タイプもちゃんという。でも、こいつらは何で普通に暮らしているんだ?」
「そりゃー、エサを外部から調達しているから現地民が食べられずに済んでいるんじゃな~い?」
「いや、その割には……」
画面内の映像。西洋ファンタジー風の街並み。
異世界の住人たちはごく普通に・平穏に農業をしたり、商売をしたり、食事をしたりしている。
それだけならまだしも、巨大モンスターの同種と思われる種族と普通に会話をしたり、共に建築の仕事もしているのだ。
この様子では巨大モンスターと異世界の人間の間に上下関係など存在しないようである。
一連の映像を見た3人は不思議でならなかった。
「ほら。おかしいじゃないですか。どう見ても、モンスターと人間に上下関係がない」
「確かに」
「もっと調べてみよう」
異世界に侵入したドローンはもっと遠方へと飛んで行った。
はるか遠く。遠くへと渡っていくドローン。
気が付くと山奥へ。その山中には何やら儀式らしきものが行われていた。
多くの魔導士風の格好の人間達が見守る中、魔導服を着た少年が魔法陣を描く。
すると、魔法陣から龍型のモンスターが出現。少年の前に傅くのであった。
衝撃を受ける吉田たち3人。
「この世界のモンスターはこの世界の人間によって生み出された……のか?」
吉田の推論は的を得ているのか否か。