第九十四話『ミニゴーレム』
「さぁ、みんな一気に行きましょう!」
いままで、ゴーレム討伐成績のおとなしかった水晶さんが、そう言って戦闘態勢に入った。
そして、早速魔法を唱える、水晶さん。
「パワーエリア!!」と一定領域にいる仲間の攻撃力があがる魔法を唱えた。この世界には領域魔法があり、一定の区間だけ仲間や敵に対して効果をだす事ができる魔法が存在する。
これは、相手や仲間の動きを読まなければ、誰も通らないエリアになってしまい、魔力の無駄遣いをしてしまうことも多い。水晶さんはこの魔法の使い手である。
珊瑚が典型的なアタッカー、瑠璃がアタッカー寄りの魔法使い、水晶がサポート担当。これが珊瑚のチーム『ジェムボックス』の基本的な戦い方だ。
「珊瑚ちゃん、発動したわよ!!」
「オッケー!」そう言いながらスキル、『二刀流 - デュアルソード』を発動させ、構える珊瑚。キイイィィィィン、攻撃態勢に入り、二刀が光る。
「私も魔法を重ねます!!」と言う奈緒子。水晶さんと珊瑚の流れを理解して、奈緒子もサポート呪文で援護する。
「スピードエリア」そう言って、水晶さんがパワーエリアをかけた場所にさらに重ねて、スピードエリアを発動させる奈緒子。この世界は、魔法によっては、効果を重ねてかけられるものがある。相反するものは、キャンセルされてしまう場合もあるが、今回は重ねて掛けることができたようだ。
「ナイスやで奈緒子。」
そういって、飛び出していく珊瑚。両の剣でザクザク、ゴーレムを倒していく珊瑚。
「おお!めっちゃいいで奈緒子!いい仕事や!」と奈緒子にいう珊瑚。
「ありがとうございます!!」奈緒子が珊瑚に言う。
「よっ!!」
と掛け声をかけて、サラもそのパワーエリア、スピードエリア両掛けのエリアでゴーレムに向かって蹴りを放つサラ。
轟音とともに吹き飛ぶゴーレム。いつもとは違う威力だった。
「おおおぉぉ!!これはすごい!!」と感動するサラ。
「ナイス、水晶ちゃん、奈緒子ちゃん!!」
「私も行く」と瑠璃も領域に入り『魔法連射 - ラピッドファイヤ』を発動し、魔法の連打をする「ファイヤー、ファイヤー、ファイヤー、ファイヤー」と。
ドカドカと倒していく、サラと珊瑚と瑠璃。
「僕も行こう!」
と完全に出遅れた僕も、何体か、ゴーレムを倒す。
なんだかんだで、50体いた、ゴーレムを一気に倒した。
「ふぅ〜」やれば出来るもんやな、と一息つく珊瑚。
そして、とあるものを見つける。
「あ、ミニゴーレム君や」と珊瑚は小さいゴーレムを見つけた。
「君、はぐれっちゃったんか?」
と言いながら近づく珊瑚。
「はやく家にかえりぃ」と更に寄っていく珊瑚。
そのとき、奈緒子が気がつく、「珊瑚ちゃんそのゴーレムかなり強いです!!」奈緒子は「天秤 - ライブラ」のスキルで敵の強さがなんとなくわかる。
それを聞いて、はっ、と僕が気づく。
「逃げろ珊瑚!その子が『ゴールドゴーレム』だ!!」
僕が叫んだ。





