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第七十八話『珊瑚のお家』

「よっしゃ、うちに案内したるわ!!」

そう、僕らは元A級チーム「ジェムボックス」の珊瑚たちのお家に遊びに行けることになった。珊瑚は今日一日僕らにつきあって、土地の見学を引率してくれていた。そのうえ、『郊外都市 - ライフエリア』の家の中の構造の確認として、自分たちが住んでいるところを見せてくれるという


「お邪魔します!」

僕は、お家全体に挨拶をしながら、家に入る。珊瑚が、こっちや、と行き先を導いてくれる。


「とりあえず、うちでええやろ、一人一つ、家を持ってるんやけどな、だいたい中は似たようなもんや!」

だから、瑠璃や水晶の家を見れば、だいたいのことはわかるという寸法らしい。何の躊躇もなく、自分の家を見せてくれる珊瑚。


「つまり、珊瑚ちゃんのお家を見れば、『郊外都市 - ライフエリア』のお家の中がどんな感じかわかるって訳ね!」と、サラが珊瑚に聞いた。


「そや!そりゃカスタマイズはできるけど、だいたいはこんな感じや、というのがわかるで、あ、そこ座ってええで!」

と、説明しながら、テーブル席に案内した。僕ら二チーム全員で、6人、全員は座れないからか、瑠璃は、テーブルの椅子とは別の、休憩用のソファに腰掛けた。


「チームで、同じ所に住んでるの?」

と僕が、珊瑚に尋ねる。

「せやな、この家に全員で住んでる訳やなくて、みんな、おとなりさんや、一緒に住むこともできるんやけど、せっかくだから、分けてみてん」

「でも、珊瑚はすぐうちに来る」

結局一緒に住んでる感じになるらしかった。


「寂しくなっちゃうのよね」

と、頷きながら、水晶が付け加える。別の家を保有していても、結局瑠璃の家に集まってるらしかった。


「ちゃうわ、瑠璃が一人で大丈夫かな、思てしまんや」

「そういうことにしておく」

明らかな、珊瑚の強がりに、瑠璃が大人の対応をする。瑠璃の方がかなりちっちゃいのだが。


「瑠璃ちゃんの方が大人ね」

と、水晶がにこりと笑いながら言う。

「ぐぐ!!」と珊瑚が声にでない声で返事をする。


と、そんなやりとりをしていると、水晶は台所に立ち、てきぱきと作業をしている。


「皆さん紅茶でいいかしら、と慣れた手つきで珊瑚の家の食器棚から、お皿やカップなどを取り出す。」

「場所わかっているんですね」

と僕が聞いてみた。


「だいたい、触るのは、水晶やからなぁ」

と、自分の部屋のものをあまり使ってないことを自然と白状している珊瑚だった。だから、躊躇なく招待してくれたのか。見られてもいいものだけがおいてあるということか、と僕は思っていた。


「あ、寝室発見!!」サラがすでに散策をしていた。

「あ、こら、サラ、そこはいかん!!」慌てる珊瑚。


「珊瑚ちゃん・・・これは・・・」

そこには、お姫様ベッドが置いてあった。

「だから言うたのに」

と真っ赤になった顔を、両手で押さえる。

全然見られていいものだけじゃなかった、セキュリティの甘い珊瑚だった。

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