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第五十六話『D級英雄1位チーム ジェムボックス 珊瑚』

「ちょっと、受験勉強で、お休みしていただけですね」と、水晶さんもニッコリと笑う。そう、この三人チーム『ジェムボックス』は仕組み上ランクが落ちてしまった、本物の実力を持った三人なのだった。


「久しぶりにプレイしてたんでなー、だいぶ、いろいろ、忘れてたんやけど、この『D級英雄ランク戦』をやったら大分思い出して来たで、やっぱりこのゲーム最高やな!!」

と楽しそうに言う、珊瑚、口は悪いが悪い人ではないようだ。


「珊瑚はかなり下手になってた。」瑠璃が言う。

「そうね、珊瑚ちゃんはすっかり忘れてたわね」水晶さんも言う。


「そこまでじゃないわ!!ちょっとや、ちょっと」

右手の親指と人差指の隙間を少しだけ開けて、大げさなジェスチャーで、二人に言い返す珊瑚。かなりの負けず嫌いであるようだ。それを二人がからかう。かなりバランスの良い三人だな、と僕は思った。


「1回目に来た時には倒せなかったやつもおるんでなー、二回目でも、『D級英雄ランク戦』は、なかなかおもしろいで」

「倒せなかった??」

珊瑚がサラッとそんな事を言う。


「そやで、ここの特別クエスト『D級英雄ランク戦』はクリアすることが目的ちゃうからな、ゴールまでの距離で順位をつけて、C級の下位数%とD級の上位数%を入れ替えるのが目的や、だから、実質D級では倒せないようなモンスターもおるんや」

「そうなんですか??どうりで敵が強すぎると思った。」

全部、倒すことが条件ではないらしい。


「D級っていってもそんなに、低いわけじゃないねん。ほとんどのやつらはD級とC級にいて、逆に言うと、そこそこ出来るやつは、だいたいC級に溜まっていると、言われているねん。B級、A級は、スーパー出来る超エリートやねん。」私達もそこにいたんやけどな、と笑う珊瑚。

「へー、そうなんだー!!」と楽しそうに聞いているサラ。上に上がっていく楽しみを実感し始めているのだろう。


「ここに限らず、この『ラスト・オンライン』にはその時のレベルでは倒せない強大なモンスターがゴロゴロしているのが売りの1つなんや。それがリアルやねん」

「それはわかります」と、最初に最大級のドラゴンモンスター『ドラゴノス』と戦ったのを思い出していた。


「それで、死にかけたもんね」と笑う格闘少女のサラ。

そう僕らはその経験をちゃんとしていた。


「なので、ここまで来たなら胸を張ってていいで!!」

「ありがとう!」と僕が答えると、


「偉そうなこと言わないの!!」水晶が珊瑚の頭をピシっと叩いていた。

「いてて、なにすんねん!!」


「ごめんなさいね、この子、偉そうで。でもさっきの戦いをすごいなーっていいながら見てたのよ」

「わ、言うなや!!」

と慌てる珊瑚。


「あれは、私にはできんなー、って言ってたじゃない!!」

「言ってないわ!!できるわ!!」と強がる珊瑚、先ほどのサラの電撃ハンドスプリングを見ていたのだろう、あんなことができる人がそんなにいるわけないから仕方がない。


そんな漫談をしていると、第四のチェックポイントに到着した。「到着やで!!」

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