第四十五話『D級英雄9,987位』
「す、すごい・・・君たち・・・一体何者なんだ・・」
第一のチェックポイントで、ガーゴイルに倒されてしまった。おじさんがそう言うやいなや、光に包まれスタートに戻された。
「た、倒した。あのおじさんたちを一瞬で全滅に追い込んでしまった、ガーゴイルを!!」
僕の出る幕がないほどの、一瞬の攻撃で、サラは『D級英雄ランク戦』の第一のチェックポイントのボスを一人で、倒してしまった。
「やっぱり、『雷迅 - ライトニング』すごいねぇ」
「すごいのはサラちゃんなんですよ!普通は、反力が強くて、そんなに綺麗にコントロール出来ないんですよ。」
まだ、バチバチと音を立てている「格闘家の籠手」に付くスキル『雷迅 - ライトニング』に感心するサラ。そして通常は、そんなに綺麗にコントロールできるシロモノではないと伝える奈緒子。
「あー、そうなんだ、確かに、この子暴れん坊だよね、めっ!!」と、雷を擬人化して叱る、サラ。まるで子どもをあやすように、難易度スキル『雷迅 - ライトニング』を使いこなしているのだった。
「やっぱり、『雷迅 - ライトニング』は、かなりすごい気がする、『二重跳躍 - ダブルジャンプ』と組み合わせて使うと、かなり強いんじゃないかな」と、こうやって、こうやってこうでしょ、と身振り手振りで、ライトニングとダブルジャンプのコンビネーションをシミュレーションするサラ。運動能力ばかり目立つけれども、発想も柔軟なんだよなぁ、と思う。
そうこうしていると、ガーゴイルから光が飛び出し、サラの手元に飛んで来る。
「第一の宝石を手に入れました。」CPUのメッセージが鳴り響く。
「おぉぉぉ!!宝石ゲット!!これどうするの??」
「この『D級英雄の宝石箱』に入れるんだ」
と、僕は『D級英雄の宝石箱』を取り出した、これは、『D級英雄ランク戦』開始時に支給されてアイテム、ここには、五つの宝石を入れるスロットがついていて、ここに全部宝石をはめ込むと、C級に昇格できるのだった。
「さ、入れてみて!」
と、サラを促す。サラの持っている第一の宝石を『D級英雄の宝石箱』に差し込む。すると、宝石と宝石箱が光りだす。
「おおおお、かっこいい。」
「ここにチェックポイントすべての宝石を入れるとÇ級だよ」と僕が説明する。
「そうなんだ!!早く全部埋めたいね!!やったやった」
とぴょんぴょん飛びながら喜ぶサラ。
「よーっし!ドンドン行こう」
と、大きく手を振って、僕達二人を導こうとするサラであった。その時、更に、ステータス画面が光り出し、大きく順位が表示された。そして、激しく順位が変化した。
チーム名:ドラゴンハンター
順位:D級60,000位→9,987位
なんと、第一ポイントの攻略により、順位のケタがあがった。6万位から1万位まで一気に上がったのだった。
「おおおぉぉぉ、きたぁァァァ!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねながら、サラが喜んだ。





