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第四十〇話『サラと着ぐるみ』

「サラちゃんこういうのもありますよ!!」と、新しい洋服を指差して、サラを呼ぶ魔法使いの少女、奈緒子。素直に近づいて、確認する格闘美少女のサラ。それを見て顔がほころぶ。


「ほほう、これはなかなか、よいものですな」

と、ふざけているのか、まじめなのか、理解らない表情でサラが言う。僕も後から近づいて、奈緒子が指差した、それを目にした。


それは、「オサルの着ぐるみ」だった。


「え!?これはいいの??」

と笑う僕。水着はあれだけ嫌がったのに、「オサルの着ぐるみ」は一考に値する、不思議な感性だった。謎が謎を呼ぶ、サラの感性。


「こちらも『タチバナサチ』のデザインなんですよ!」

「あ、さっき、サラが買っていた、ぬいぐるみと同じデザイナーなのか!!」

奈緒子が僕に説明してくれた。僕はそれで、納得した。よほど、彼女の琴線に触れるデザインなのだろう。そうであれば、好きなものは僕だって手に入れたいから、さっき、笑っちゃったのは、失礼だったな、思って謝った。


「さっきは、笑っちゃってごめん」

「え?なにが??」

と、ケロッと笑うサラ。サラはサラで自分の価値を貫くタイプなので、まったく気にしていないようだった。「オサルの着ぐるみ」を持ち上げ、うーん、うーん、と悩んでいる。かなり本気で買おうか悩んでいるようだ。


「コブタのタイプの着ぐるみもあるんですよ、サラちゃん」じゃーん!!と「コブタの着ぐるみ」を持ち上げる奈緒子。それは、先ほど、サラが買った、コブタのぬいぐるみのシリーズだった。それを受けとるサラ。


「おおおお、これは!!」

目を輝かせながら、「オサルの着ぐるみ」を色んな角度から確認するサラ。さらに「コブタの着ぐるみ」と「オサルの着ぐるみ」を両方手にとって、真剣な表情で比べるサラだった。


「うーむ、『コブタ』か『オサル』か、それが問題だ」

サラが演技かかった声でそう言った。サラのハムレット改め、サムレットが謎の名言を残した。


「これも、戦闘には使えないんだよね?!」

と、奈緒子に確認するサラ。さっき、買ったジャージが室内用だったことから、この「着ぐるみ」たちも、そうではないかと残念そうに、推測するサラ。


「え!!それを来て戦闘するつもりなのか!!」

と僕は驚いて笑った。

「えー、だってかわいいじゃーん!!」とサラの返事が聞こえる。


「残念ながら、ここに売っているものは、基本的には室内用なんです。ただ、このまま、フィールドを進んでいくと『タチバナサチ』デザインの着ぐるみタイプの特別な戦闘服が手に入るという噂は聞いたことがあります!」

「へー!!」と僕が感心した。そのクエストについては、今度調べておいてあげよう、と思った。欲しいものがあったほうがクエストも楽しい。


「手に入れるしかない!!」とサラは目を輝かせた!!


そして、あれだけ悩んで、どちらかにするのかな、と思っていた、コブタとオサルの着ぐるみをしっかり両方購入していた、サラだった。

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