第三百五十四話 『詰将棋』
さっきとは違い、サラは僕の方に走って距離を詰めていた。
「そっちが攻撃読んでくるなら、私達ももう一回読めばいいんだよ!」
サラはそう言って、ウォーマシンが下げた頭部を思い切り蹴り上げた!
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「なるほどね」
タカヒロがその様子を見てつぶやいた。
一度目は僕の攻撃を、とんでもないタイミングで避けたウォーマシンだった。それを先読みして防いだサラの行動を感心していた。
「ジュン、チャンスだよ!」
サラが言う。
そう、そのチャンスを作ったのはサラ。
一度目の攻撃は避けられてしまったが、それを先読みしてまた攻撃できる状態を作ったくれた。
「おおおおお」
僕がもう一度『神の剣 - デュランダル』で斬りかかった。今度は逃げられない。そして逃げたとしても、確実にサラがフォローしてくれるだろう。
そういう状況にサラが追い込んだ。
「グオォォォォォ」
ウォーマシンが叫ぶ。
空中に浮かされ打つ手はない。
先読みできるからこそこの状況が理解できているだろう。
「もう避けられないよ!」
サラが言う。
この状況を作ったのはサラだった。
高い機動力でウォーマシンの逃げ道を塞いでいった。
「まるで詰将棋だね」
僕は言いながら、ウォーマシンを真っ二つに斬った。
冷静にしっかりと剣を触れれば勝てるとわかっていたので、焦らず振り切った。
「グオォォォォォ」
真っ二つに切られた、ウォーマシンは光って、透明になって消えた。高い空間把握能力をもったAIを搭載した敵、ウォーマシンをなんとか倒すことができた。
「倒したね。やるね」
それを見ていたタカヒロがつぶやいた。
タカヒロチームも高い空間把握能力のウォーマシン相手に『位置交換 - ポジショントレード』を使いきっちりと追い込んで倒していた。
それが必要なレベルに来ていた。
「へっへーん!追いついたよ!次で勝負だね!」
サラがタカヒロチームに向かっていう。
そう、次が3ステージ目最後の戦いになるだろう。
今までの敵チームとの戦いからいろいろ学んでここまでこれた。
「サラの詰将棋すごかったね!」
僕がサラに言う。
そう、今回のサラの戦いはまさに詰将棋、相手の攻撃を先よみ誘導して、何手先も読んで、しっかり倒した。
「詰将棋!?あの頭いい人がやる遊びね!」
サラはメガネをクイッと上げる素振りをしてニコッと笑った。
「サラは実際、頭がいいからなー。物理空間の把握能力についてはズバ抜けてると思う。そもそもそんなに早く動ける人が世の中にいないからサラだけ発達している感じがあるよね」
僕が説明する。
「うーん、そうなのかな、ポンッてなったろボンッてなるからゴンッてやってる感じなんだけどね」
サラが身振り手振りと擬音で説明してくれた。
「相変わらず天才のそれだなぁ」
僕が笑う。
「さぁ、次のステージだ!」
サラが言った。
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