第三百十六話『反撃開始』
「さっきの流れだと、この後、さらに2体の『キングウォーゴーレム』が走ってくる!」
僕がさっきの戦いを思い出して言う。
「グオォォォ」
「グオォォォ」
2体の『キングウォーゴーレム』はさっき珊瑚にしたのと同じように、投斧は前フリでそこから真の目的、2体による肉弾攻撃をするために走ってきた。
「そう!それをまってたよ!」
サラはにっこり笑って微笑んだ。
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「待ってた??一体どうするつもりなんだ??」
僕はサラに聞いた。
そう、さっきまさしく、この連携攻撃により、珊瑚は大ダメージを受けて負けてしまった。
これを凌ぐ方法がかんたんにあるとは思えない。
「奈緒子ちゃんショートワープよろしく!!」
サラが奈緒子に言った。
「え??ショートワープ??」
僕がサラの言葉に驚く。
それはまさに、さっき水晶と珊瑚が使って、負けるきっかけになったとも言える行動だ。
「わかりました!!」
奈緒子はサラの言葉に応えて魔法を発動させる。
彼女は、驚きもせずしっかりと魔法を使った。
「どうするつもりだ!?珊瑚たちはさっきそれでやられてしまった」
僕はサラに言った。
「そう、この後どうなるかわからなかったからね!!」
サラはそう言って奈緒子のショートワープにより消えた!!
「この後どうなるかだって??」
僕がサラの言う言葉を繰り返す。
たしかに、珊瑚達はモンスターたちの行動はわかっていなかった。
前回、2体に対して行った、ショートワープを使った、攻撃を、2体のモンスターの連携攻撃により、ワープ直後を狙われてしまった。
「はっ!それを逆に利用するつもりか!!」
僕がサラに向かって叫ぶ。
すると、パッとサラが何もない空間から登場した。
奈緒子の使ったショートワープは、半径数メートル以内のどこかに、ランダムで移動させる呪文だ。
どこに飛ぶかは、誰にもわからない、奈緒子にもサラにもモンスターにも、もちろん僕にも!
「グオオォォォ」
『キングウォーゴーレム』はサラが突然現れたところに対して、攻撃を開始する。
大きな体を活かした、大きなパンチだ。
「ふっふっふ!待ってました!!」
サラは、二体目の『キングウォーゴーレム』の方をしっかり向いて構えた。
「利用するといってもどうやって!空中で攻撃されたら、逃げる場所がない!!」
僕が空中にいるサラに向かって攻撃モーションに入っている『キングウォーゴーレム』を見て言った。
「うん、逃げないからね!!」
サラがそう言って、両腕を上げた。
「グオォォォ」
『キングウォーゴーレム』のパンチがまさにサラに当たろうとした瞬間、サラは、両腕をグッとおろして、両腕を『キングウォーゴーレム』の拳に手をついた!!
「よっ!!」
サラはそう言って、『キングウォーゴーレム』の拳を両手で地面代わりに、前転して、『キングウォーゴーレム』の腕に着地した。
「さっ!反撃開始だ!」
サラはそう言って笑った。





