第三百四話『ショートワープの効力』
そして、珊瑚がその場から・・・
「「消えた!!」」
僕とサラの声がハモる。
「すごい、どこに行ったの??」
サラが叫ぶ。
「ここやで!」
珊瑚はそう言いながら、空中に登場した。
そしてそのまま『ハイパワーウォーゴーレム』の方を向く。
「おりゃああぁぁぁぁ」
珊瑚はそう言いながら、『ハイパワーウォーゴーレム』を斬りつけた。
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「すっごーい!ジュン!ワープしたよワープ!!わたしもやりたーい!!」
サラが珊瑚たちの新しい戦い方を見て、大興奮している。
そう、こういう物理法則を無視できる、超能力のような、行動ができるのが、『ラスト・オンライン』の売りの一つだ。
「たしかに、めちゃくちゃおもしろい!あんな戦い方があるなんて!」
僕も素直に驚く。
「奈緒子ちゃん、ショートワープって難しい魔法なの??」
サラが奈緒子に聞く。
奈緒子に覚えてもらって今すぐにでも試したいのであろう。
新しいおもちゃを初めてみたようなサラだ。
「むずかしくないです!!私も覚えてます!」
奈緒子が言う。
「ええ!!奈緒子ちゃん覚えてるの!!私もやりたいやりたいやりたい!!」
サラが駄々っ子のように、奈緒子に要求する!
「はい、できるんですけど、実は、結構つかいにくい魔法なんですよね」
奈緒子が説明する。
「つかいにくいの?」
サラが奈緒子に聞く。
そう、いま見た感じ、好きなところにワープして敵に斬撃を加えられる無敵の魔法に見える。
「そうなんです!まさかあんな使い方ができるなんて思ってなかったです!」
奈緒子が感動を僕らに伝える。
「そうか、好きな場所に飛ばせるわけじゃないんだね?」
僕は推測して奈緒子に聞いた。
「そうなんです!」
奈緒子が僕の質問に答える。
「え、でも珊瑚ちゃん達はまるでわかってるかのように動いてたよ!」
サラが聞く。
「そう、それは、珊瑚の反射神経のせいでそう見えただけなんだ!」
僕は、いままでの動きを推測してそう言った。
「水晶は、スキルによって、だいたいそのあとどこにモンスターが来るかわかる。そして、ショートワープは半径3メートルぐらいの何処かに適当に飛ばす魔法だろう。きっと」
僕はいままでの行動から推察する。
そして続ける。
「攻撃を受ける直前に、どこかに飛ばすことによって、攻撃を避け、さらに攻撃を失敗したモンスターがそばにいるという状態になる。そこからは珊瑚の反射神経で、一瞬で敵を探して攻撃を加えたんだ!」
僕は説明した。
「すっごーい!」
サラがその話を聞いて感動する。
「あまりにその2つのレベルが高いから、まるで、好きな位置にワープできるように見えたんだ!」
僕が説明した。
「ご明察!そして、これで終わらんで!」
珊瑚はそう言って後ろにジャンプした。
「『魔法連射 - ラピッドファイヤ』!」
そう、さらに、魔法使いの瑠璃が攻撃を開始した。





