第二百九十八話『作戦』
「そうですよ!ジェムボックスさんはすごいんですよ!」
奈緒子も僕に言った。
最初から奈緒子はそう言っていた。
普通に彼女達のファンだったのだ。
「でも、僕達も彼女達と戦えるようになってきたからね。僕達もすごくなったというところを彼女達に見せてあげよう!」
そう言って僕は剣を構えた。
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今回の僕達の敵は、『ウォーゴーレム』2体と『ハイエリートウィザード』1体。
すでに『ウォーゴーレム』一体は、サラと奈緒子のコンビネーションで倒した。
なので、残り2体だ。
「あ、わかった!例の作戦ね!」
サラはそう言って走り出した。
そう、今はチャンス。
残りの『ハイエリートウィザード』の動きも予測できるからだ!
「そう、よろしくたのむよ!!」
僕はサラと奈緒子に言う。
言わなくてもサラは僕がやりたいことをわかってくれたみたいだった。
「わかりました!ジュンさん!」
魔法使いの美少女奈緒子もうなずきながら言う。
彼女も、今までの流れから、僕が何をやりたいか理解してくれていた。
なんだかんだで、付き合いも長くなっている。
あうんの呼吸というのが出きているのかもしれない。
「お、なんやなんや!新しい作戦かいな!!みせてもらおうやないか!!」
その様子を見ていた珊瑚が言う。
「ふっふっふ!そんなにゆっくりしてていいのかなー?」
サラはにやりと笑って走り出す。
見てる間に倒しちゃうよ~、とつぶやきながら。
「『雷迅 - ライトニング』!!」
サラがまたバチィバチイィィィィと『雷迅 - ライトニング』を発動させて、『ウォーゴーレム』のもとに走っていく。
「グオォォォォォ」
『ウォーゴーレム』はサラのその様子を見て吠える。
「よっ!よっ!」
サラはそう言いながら、横に二回ジャンプし、『ウォーゴーレム』の後ろに回り込んだ。
その瞬間、『ハイエリートウィザード』が魔法を発動させた。
『ディフェンスアップ』
『ハイエリートウィザード』は『ウォーゴーレム』が攻撃されるのを見越して、防御力が上がる魔法をかけた。
「ふっふっふ!待ってました!」
サラはその様子を見て言う。
「え?待ってたやと!?防御魔法をかけるのを??」
珊瑚はサラの言葉を聞いて聞き返す。
「『疾風』!!」
僕はその瞬間SSSランクの武器『神の剣 - デュランダル』につく、見える場所全てに遠隔斬撃を発射できるSスキル『疾風』を発動させた。
「なっ!!」
珊瑚はその様子を見て驚いた。
「グオオォォォォォ!」
『ハイエリートウィザード』は『疾風』を受けて消滅した。
「すごい」
瑠璃が驚く。
「すごいわね」
水晶も驚く。
「魔法を発動させるのを読んでたっちゅーことかいな!」
珊瑚は驚く。
「そう、止まってる的になら当てることができるからね!僕も成長してるんだよ!」
僕はそう言って笑った。





