表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/368

第三話『神の剣のスキル 疾風』

「『 神の剣 -デュランダル 』にスキルがつきました!」


チュートリアルでスライムを倒したあと、そう表示された。このゲームは、一定以上の割合で、武器にスキルがつくシステムになっている。


いわゆる「必殺技」を覚えるのだ。

その昔は「ひらめき」とも言われていた。最近では、武器にスキルがつくのが一般的だ。


武器に対して、スキルがつくので、それぞれの武器を試すのが楽しくなるという仕組みなのだ。倒せないと思っていたボス戦でも、その場でスキルが付き、必殺技が使えるようになって勝てるということも起きる、楽しいシステムなのだ。


どんなスキルかな、と思い。武器表示のところをタッチする。そうすると、スキル名が表示された。


武器:「 神の剣 -デュランダル 」

スキル:疾風


確かにそこには、疾風と書いてあった。

「『疾風』だって?!」

ぼくは、つい大声を出してしまった。


レアスキル「疾風」。

その名の通り風が疾走る。

見えている敵ほとんどすべてに攻撃ができるという最強スキル。遠隔攻撃ができない剣士の弱点を、補って余りある、波動攻撃。


たくさんプレイ動画を見てきたけれど、このスキルを持っている人はほとんどみたことがない。まさかこんなスキルまで手に入るなんて。


僕は、嬉しすぎて、笑顔を隠せなかった。


「楽しそうだね!」

ふと、声を掛けられた。

そうだった、ここはもうチュートリアルを抜けて、一般の道だった。ここからオンラインで、全ての人。200万人のユーザと繋がるのだった。


「そうだね、このゲームが楽しくて」

と僕はなんとか冷静を保ち、その少女に応える。


「ほんと楽しいよねー。」

と、その少女はぴょんぴょんと、跳びはねる。


「私、陸上部なんだけど、ほんと、現実みたいに動くんだよねー、この体!」

と、バーチャルの体を、自らの体のように操りながら、彼女は僕に言った。


「こんなゲームが有るんだね。全然知らなかった。おにいちゃんに借りてやってるんだけど、こんなに思いのままに、体が動かせるんだね。」

と、くるっとバク転してみせた。


「すごいすごい!」

僕は素直に彼女にそう言った。

ありがとう、ありがとうと彼女は言った。


「わたし、ゲームやらないから、わからないんだけど、このケームって、パーティを組んで戦うんでしょ?」

「そうそう。いろいろなスキルがあるからね。」


「じゃあ、一緒にやろうよ。君もレベル1でしょ!?」

そう、確かにレベル1なのだ。ただし、この世界最強のレベル1なのだが。それはともかく、パーティを組めるのは助かるので嬉しかった。


「ぜひ!僕はジュンだよ!」

「私はサラ!本名は桜田恭子」

と、自己紹介として、サラは気がついた。


「あ、ネットゲームで本名言っちゃダメだって、お兄ちゃんに、言われてたんだった!!」

慌てるサラ。


「ま、いいか!本名は忘れてね!ジュン!」

ウインクするかしないか、目を細めて、こちらに向かって微笑んだ。

正直、かわいい以外の感想が浮かばなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ