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第二百八十七話『クリティカル』

「この機会に、マニュアルモードでやってみるといいよ、奈緒子!」

と僕が言う。


「え、いいんですか??」

と奈緒子が言う。

そう、彼女は後方支援、いままではミスをするために安全な方を選んでいたのだろう。

だけど、彼女はモンスターのモーションを読むという彼女特有のセンスを持っている。それを活かすのに、マニュアルモードになれておく必要がある。


「うん、ミスっても気にしないで!その時は僕が守るよ!」

と僕は笑っていった。


---

「お、ジュンが守ってくれるって!ジュンかっこいい!」

と美少女格闘家のサラが微笑む


「ちょっと!!バカにしてるでしょ!」

と僕が笑う。


「いやいや、バカになんかしてませんよ!奈緒子ちゃんのことは頼むよ!」

と美少女格闘家のサラが微笑んで、スキルを発動させる。


「『雷迅 - ライトニング』!!」

と美少女格闘家のサラが電撃のスキルを足に発生させる。


バチィ、バチィィィィィィ

いつもの音がする。

美少女格闘家のサラの髪が静電気によりふわっと上がる。


「いっくぞー!!」

と、電撃をまとった足で、大きく、地面を蹴り『ハイパワーリザードマン』に向かっていく。

タンッ、タンッと電撃と共に進んでいく。


「グオオォォォ」

とその様子を見た『ハイパワーリザードマン』が吠える。


『ディフェンスアップ』


そして、隣りにいた、『ハイエリートウィザード』が『ハイパワーリザードマン』に向かって防御力が高まる魔法を唱えた。


「よし、ちょうどいいね!!」

とサラは言いながら、『ハイパワーリザードマン』に向かっていき、当たるか、と思った瞬間横に二回飛び、『ハイパワーリザードマン』の後ろに回った。


「じゃ、試させてもらうわよ!私とマニュアル奈緒子ちゃんのコンビネーションを!!」

とサラは言い、さらにジャンプして、『ハイパワーリザードマン』の頭に向かって蹴りを放った。


「クリティカルだ!!」

と僕は叫ぶ。

さすがの運動能力だった。

他の人には真似することのできない、精度とスピード。


「私も行きます!頭を狙います!!」

と美少女魔法使いの奈緒子が魔法使いの杖を構えて、狙いを定める。彼女は硬直モーションがとけるタイミングと距離の関係を把握している。


「いまです!『ファイヤーショット』!!」

と美少女魔法使いの奈緒子が炎の魔法を発射する。


ドカァァァァァン。


奈緒子の攻撃が『ハイパワーリザードマン』に当たる。


「や、やったか・・・?」

と僕はつぶやく。


確実にダメージを与えている。

あいてが『ディフェンスアップ』を使っているとはいえ、クリティカルの二連撃なら倒せているはずだ!!


「グオォォォォォ」

大ダメージを受けた『ハイパワーリザードマン』の咆哮が聞こえる。


「あぁ!!惜しい!!肩だった!!」

とサラが言う。


そう、奈緒子の魔法は少しだけそれて、頭ではなく、肩にあたったのだった。

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