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第二十六話『バーチャル空間での食感』

「『ラスト・オンライン』が楽しみ過ぎて、バイトしてる間に沢山調べちゃったんだよね。」と僕は笑った。


「今時は、大学の論文とかも、今はネットで簡単に読めるから」

「え、論文まで調べたんですか??」

と、僕が説明すると、驚く魔法使いの少女奈緒子。


僕にとって「ラスト・オンライン」は楽しみ過ぎるものだった。RPGが好きで昔のゲームも遡ってやった僕にとって、RPG世界に入ることが出来る、世界初の没入型MMO「ラスト・オンライン」は待ちきれないほどのものだった。


親に買ってもらうことは出来なかったので、自分でバイトをした、そのお金が貯まるまでの間にプレイ動画をたくさん見たり、その根幹技術「バーチャルウォーカー」の仕組みについて、かなり調べた。


「え!?論文ってめちゃくちゃ難しいんじゃないの??」とサラが疑問に思う。


「僕もそう思ってたんだけど、今時のメディアアート周りの論文は凄くわかりやすく書いてあるんだよ」

「めでぃああーと!?」

相変わらず、ジュンの言うことは、ちんぷんかんぷんですなー、という表情をするサラ。


「メディアアートとかヒューマンコンピュータインタラクションとかって言うみたいなんだよね」

「余計難しくなった!」

と、まじめに説明する僕、それを聞いて笑うサラ。


「そんな感じで、人間の感情に訴え掛ける、コンピュータの技術がたくさんあって、いろいろ統合して、バーチャル空間に入ったように感じることができるのが『ラスト・オンライン』なんだよ。」

「なんとなく凄いのはわかった!」

と僕のざっくりした説明に対し、ざっくりどころではない簡潔さで返事をして笑うサラ。


「目で見てるものが、味を決めるというのはなんとなくわかったんだけど、この触感は??ちゃんと、歯ごたえあるよね」

と、やっぱりおいしい!と焼き肉をもぐもぐ美味しそうに食べるサラ。


「それはゴーグルの方に、バイブレーションのモーターが入っていて、反響を上手く使って、少ないモーターで食感のフィードバックを再現してるんだ・・・・・・」

と説明しすぎて、女子達が引いているのをなんとなく感じていると、ぼそっとサラが言った。


「ジュンがバーチャルオタクなのはよくわかった」

「・・・・・・はい」

と奈緒子も同意する。ああ、奈緒子まで・・・。


そうこうしていると、大分料理も減っていきて、みんなが満足していた。

「あー、美味しかった!美味しかった!自分で言うのもなんだけどね!あ、これ、竜から助けてくれたお礼だから!ほんとにありがとうジュン!」

「うん」

律儀にもしっかりお礼をしてくれるサラだった。


「わたくしの料理人スキルに感謝したまえ!!」

ふっふっふと笑うサラ。いつもの、キャラに戻った。


その瞬間に奈緒子が微笑みサラにこう言った。

「さて、サラちゃん、次は私とショッピングですよ!!」

「そうだった!!」サラが約束を思い出した。

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