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第二百三十七話『日本一』

「すごい、やっぱりそうだわ!」

と、エリカが言う。


「エリカ・・・知ってるのか?」

「うん、あんな動きが出来るのは、この世に一人しかいないわ!」

とサヤカとエリカが言う。


「サラちゃんやっぱり、あなた陸上部の、キョウコちゃんでしょ?全国優勝の!」

とエリカが言った。


「うん、そうだよ!わたし、恭子だよ?なんで知ってるの・・・?あ!ゲームで本名言っちゃいけないんだった!」

とサラが言う。

しまったしまった、とサラが言っていると、サラにエリカが顔を輝かせた。


「私、絵里花です!弓道の!」

と、大弓使いのエリカがサラに向かって嬉しそうに言う。


「あー!絵里花ちゃんか!確かにどことなく、キャラクターに似てるね!」

とサラが言う。


この『ラスト・オンライン』は特に設定をいじらなければ、画像認識から自動で、似たアバターが生成されるようになっている。言われれば気がつくけど、言われなければ気がつかないという、ギリギリのラインで変換されている。なので、名前を言わなければ基本的には顔バレしないと言われている。


「まさか!こんなところでお会いできるなんて!」

と、エリカが嬉しそうに言う。

ほんとに嬉しそうだ。


「そうだね!エリカちゃんゲームやるんだ?」

と、サラが聞く。


「はい、弓道の練習に良いと聞いたので・・・」

とエリカが言う。


「へー、そうなんだ!そうなのジュン?」

とサラが僕に聞く。

ややこしいことは僕に聞くのがいいと思ったのだろう。


「うん、もともと、『バーチャルウォーカー』の技術はリハビリのために作られたものだからね。筋肉を補うパワードスーツとか。変わった使い方だと、他の人のピアノのプレイを自分の筋肉を使ってプレイすることによって、コツを掴むとかね。スポーツとは相性がいいんだよ!」

と僕が説明する。


「へー、そうなんだ!!ゲームやって、運動がうまくなるんだ・・・それはすごいね!」

とサラが言う。


「あとは、うごく的を狙うというのは、なかなか実践では体験出来ませんし・・・それから弓道は夜中は練習できません」

とエリカが言う。


「エリカは練習しすぎなんだよ!」

とサヤカは笑った。

その努力をしっかり知っている人の言い方だった。


「そんなことないわよ!常に練習しないと、恭子さんには永久に追いつけませんわ!」

と、エリカが言う。

違う競技とはいえ、他の人にここまで影響を与えるとは・・・。


「そんなに、サラはすごいの?」

と僕はシンプルに聞いた。


「それはすごいなんてものじゃありませんわ!一人だけ次元が違うと言っていいでしょう!それは陸上を走る天使!」

とエリカのテンションが上がる。


「いやいや、それは褒めすぎでしょ!確かに、ほとんど負けたことないけど!」

とサラが笑う。


「やっぱり負けたことないのか・・・」

と僕が呟く。


「でも、絵里香ちゃんも日本一だよね!」

とサラがエリカに対してそう言った。

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