第二百二十三話『ぶん投げた』
「はっははー!みんな!行くんだからね!!」
と変形剣のランコが言う。
「わかった!」と傘使いのリンコ。
「うん」と格闘家のレンコ。
「戦闘開始なんだからね!!」
とランコが言った。
「グエェェェェ」
と『エースリザードマン』が言いながら、指を指している。
「グエッ!」
とそれを理解した『スピードリザードマン』が頷いて、走りだした!
「あ、すごい!やっぱり指示しているね、かなり知能が高いんだ!」
と僕が言う。
「ランコ!!」
と傘使いのリンコが叫ぶ。
「わかっているんだからね!!」
と、変形剣使いのランコが言う。
ガキィィィィィン
と音がなる。
そう、『スピードリザードマン』がランコに近づいて、斬撃を放った。
それをランコが『連結中剣 - チェインソード』で受けた。
「負けないんだからね!」
と更にランコが言う。
そう、『スピードリザードマン』が狙ってきたのは、ランコ。
「これは、一番小回りが効かない武器を持っているから、だろうな」
と僕は呟いた。
『スピードリザードマン』はそこでは止まらず、さらに攻撃を繰り出した。
「グエッグエッグエッ!!」
と言いながら、ガンガン斬撃を繰り返す。
ガキン
ガキン
ガキン
『スピードリザードマン』と変形剣のランコが剣を交わす。
「ランコがなんとか、耐えてる感じだね・・・」
と僕が言う。
そう、かなり押されている。
ランコの『連結中剣 - チェインソード』は、ムチのようにしなった時に敵を狙えるように、ある程度重く設定されている。
『スピードリザードマン』の細かい斬撃についていくのが精一杯だ。
「ランコ!!」
と言いながら傘使いのリンコがフォローに入るために、近くに向かって走りだす。
「グエッ!!」
と、『エースリザードマン』もそれを見て指示を出す。
「グエェェェェェ!!」
と言いながら、ランコと戦闘中の、『スピードリザードマン』に斬りかかろうとしているリンコ、の足をガシっと掴む『パワーリザードマン』。
「え?足を掴んだ??」
とサラが驚いている。
「グエェェェェェェ!」
と言いながら、傘使いのリンコを・・・
『ぶん投げた』
「すごい!投げることも出来るんだ!!」
とサラが驚く。
たしかに投技は今まで見たことがなかった。
『ラスト・オンライン』は特定の条件が揃えば投げることも可能だ、ただ、そんなに簡単ではないが。
『パワーリザードマン』はかなりの力を持ち、リンコは軽い。
足を掴んで、グルンとまるごとリンコを振り回し、手を離したのだった。
かなりの距離、リンコは飛ばされ、着地した。
「このやろう・・・」
と、リンコがランコへのフォローを阻止してきた『パワーリザードマン』に対して言った。
そう、同じ『リザードマン』でも、『エースリザードマン』、『パワーリザードマン』、『スピードリザードマン』の三体は連携もこなすかなり強力な敵だったのだ。





