第二百十四話『獣水鉄砲- ウォーターショット』
「あ、出てきた。あれはなに??トカゲ・・・と半分人・・・?トカゲマン?」
とサラがいう。
「惜しい!これもわりと定番の敵だね。『リザードマン』だ」
と僕が言った。
そう、新たな敵は、『リザードマン』三体だったのだ。
水辺に住む半獣『リザードマン』。
盾と剣を構える。戦闘タイプの獣人『リザードマン』。
「なるほど、それで、つよいの・・・?リザードマンさんは?」
と、サラが僕に聞く。
「そうだね、ふつうかな?」
と、僕が微笑む。
実際のところ弱くもないけど、強くもないというところだろう。リザードマンが進化すると、ドラゴンに近くなって強くなるというゲームもあるけど、『リザードマン』自体は弱すぎず強すぎずといったところだろう。
「ふつうかー!」
とサラも笑った。
「君たちがおしゃべりしてる間に、先に、倒しちゃうんだからね!!」
とギザギザの変形剣の使い手ランコが言って、彼女の武器、『連結中剣 - チェインソード』を構える。
「チェインモード!!」
と、ガチャリとランコは剣を操作する。
すると、剣は、剣を保つための、内側への力を外し、フリーになりムチのような形状になる。
「いくんだからね!!」
と、大きく振り回す。
その位置だと、敵の攻撃は届かなく、ランコの攻撃が届くという、かなり良い位置からの攻撃だった。
彼女達は、自分たちの特殊性をわかって面白い戦い方をしていた。
しかし、その様子を『リザードマン』はしっかりと見ていた。
「グェェェェ!」
と、『リザードマン』は唸りながら、盾を構えた。
ガキィィィィィン
と、『連結中剣 - チェインソード』は『リザードマン』の盾にあたって弾かれる。
「なるほど、遠隔攻撃とはいえ、重い剣の攻撃だから、ゆっくりなんだ。『リザードマン』だと、対応できちゃうんだ」
と僕がいう。
そう、もう少し賢くない敵だったら、あたってしまうだろうけど、二足歩行しある程度知能の高い『リザードマン』だと防御してしまう。
「グェ!!」
と言いながら『リザードマン』が大きく息を吸う
「あ?何かやってくる?」
とサラがその様子を見ていう。
大分彼女もRPGに慣れてきたようだ。
「サラちゃんもだいぶRPGに慣れてきましたね!」
と奈緒子が微笑む。
「うん、たぶん・・・『水』を吐いてくる!」
と僕がいう。
「水!!」
とサラが聞き返すと同時ぐらいに、『リザードマン』が攻撃した。
「グエー!!」
と、言いながら、水鉄砲のように、口から水を吐いた。
『 獣水鉄砲- ウォーターショット』
と、スキルを発動した。
「ははは、待っていたよ!私の『傘』の実力を見せる時が来た!!」
と、傘使いのリンコがばっと、ランコの前に走りだした。
「え?なにをするんだろう?」
と僕が呟く。
「こうするのさ!!」
と、傘使いのリンコはそう言いながら、バッと、傘を開いた。





