第百九十九話『プレゼント』
「サラ、がっかりするのはまだ速いよ!」
「え?なに??」
と僕がサラに言う。
「アイテムドロップだ!!」
そう、四天王『鬼王のアルバート』を倒した時に落としていったアイテムがあるのだ。
「ほ、ほう・・・」
とサラが言う。
「アイテムドロップってなんだっけ??」
とサラがてへへと笑う。やっぱりな、と僕は思ったけどそのまま説明する。
「『レア宝箱』とは別で敵を倒すと手に入るものだよ!ドラゴノス倒した時に竜の肉手に入ったでしょ?」
と僕が言う。
結構、前の話なので、忘れてても仕方がない。
「ああ、あれね!美味しかったね!」
と、サラが自分で作ったサラのフルコースを思い出して言う。
「なにがでるかな・・・」
と僕がドロップアイテムを見る。
「これは・・・」
と呟く。
「え、なになに?」
とサラも覗きこむ。
「あ、すごい!アルバートさんが使っていた籠手ですね!」
と奈緒子が喜ぶ。
「ほんとだ、すごい!」
と僕も喜ぶ。
「おー!」
とサラも喜ぶ。
「これは、サラにあげていいよね?」
と僕は奈緒子に聞く。
「もちろんです!」
と微笑む。
「え?いいの?二人からプレゼントってこと??わーい!!大事に使います!!」
と喜ぶサラ。ピョンピョン飛び跳ねながらその場をくるくる回っている。
「さっそく試してみたら?」
と僕が、像をちらっと見ながらいいながら、試しにあの像に向かって攻撃力を確認してみたら、と促したのだ。
サラは装備を『鬼神の籠手』に変えて構えた。
「よーっし!!いっくぞー!!」
と像にむかって、サラが大きく踏み込んでパンチを繰り出した。
ドカアアァァァァァァン
と大きな音を立てて像が破壊された。
「す!すっごーい!!」
とサラがピョンピョンと飛び跳ねながら喜ぶ!
「アルバートさんには、武器が弱いって言われてたからね、アルバートさんからのプレゼントかもね!」と僕は笑った。
「そうかも!」
とサラが笑う。
「皆からの、プレゼント!大事に使わせて頂きます!」
とサラが言った。
「ただ、『雷迅 - ライトニング』がついてないのがなー!格闘家の籠手と切り替えて使わなきゃいけないのかー!」
と言いながら、バッ、バッとシャドーボクシングの振りをするサラ。
「ん、この光景は見たことがあるぞ?」
と僕が言う。
「見たことありますね!」
と奈緒子も笑う。
「えっ?」
とサラが僕達に聞いた。そのときピロンと音がした。
サラの『鬼神の籠手』にAクラスのスキル『雷迅 - ライトニング』がついた。
CPUの無機質なアナウンスが流れる。
「おー!『雷迅 - ライトニング』ちゃんが戻ってきた!」
とサラが喜ぶ。
「よっぽどサラと相性がいいんだな『雷迅 - ライトニング』は!」
と僕は微笑んだ。
『鬼神の籠手』に『雷迅 - ライトニング』を付けた最強のサラが誕生した。





