第二十話『クエストクリア』
「わかったわかった!全部やるから!!」
「約束ですよ!!」
根負けした、サラのその言葉に奈緒子がうれしそうに微笑んだ。
「ふふふ、どのショップから回ろうかしら。サラちゃんはスタイルがいいから、まずは、あのお店ね・・・」
魔法使いの少女、奈緒子は、サラとの約束をとりつけ、楽しそうに、呟くのであった。
「簡単に約束しちゃったけど、大変なことになるような予感がしてきちゃった・・・どうしよう・・・」
と、つぶやいて、こっちを見る格闘家の美少女サラ。
「がんば!」と、どう返していいのか分からなくて、なんとか応援する言葉を返したら。
「ジュン・・・適当なこと言ってぇ・・・」
と、サラに怒られた。なぜ・・・。女子は難しい・・・。
「そうだ、クエストクリアしたから、報酬をもらいに行こうよ!」
と僕が無理やり話題を変えた、このままだと、何故か僕が怒られる展開になりそうだったからだ。
「そうですね!!」
と、奈緒子が賛成した。さっきまで、ブツブツとショッピグプランを立てていたのだけど、切り替えが早い。女子は切り替えが早い人が多いな、と思った。その時、サラが質問した。
「クエスト終了ってどうすればいいの??『ふつうのきのこ』は手に入れたけど、これ勝手に終わるの??」
と、RPG初心者らしい疑問を口にした。
「クエストを発注してくれた、食堂のおばさまのところに持っていけばいいんですよ!」
と、奈緒子が応えた、やっぱりいくつかのRPGの経験があるみたいだった。
「あ、そうなんだ、じゃあすぐ行こう!!今すぐ行こう!おばちゃん喜んでくれるかな〜」
と嬉しそうに言うサラ。サラは純粋にRPGを楽しんでくれるので、その姿がとても新鮮で、なかなか素敵だなと思う。
「喜んでくれますよー!」
と、奈緒子が答えたりしているうちに、食堂についた。
「おばちゃーん!きのこ持ってきたよー。」
サラが、入り口から大きな声で伝えた。ちょうど休憩している時間で、その声を聞いたおばちゃんが、調理場の方からやってきた。
「あんたたち、ほんとにとってくれたのねー。これが報酬よ!」と、最初のクエストらしい額のお金をくれた。
「ありがとうございます!!」礼儀よく、サラが返事した。
「せっかく、きのこを持ってきてくれたから、ごちそうもしてやるよぉ!!夜ご飯もうちでたべな!!」
と、言ってくれた。
「わーやったー」サラが喜んだ。
「ありがとうございます!!」奈緒子も感謝した。
「ところでさっきから気になってたんだが、そのお肉はなんだい??」
とおばちゃんが、僕らが手に入れた物に気がついた。
「『竜の肉』です!ドラゴノスを倒して手に入れました」
僕が、説明した。
「ドラゴノスを倒した、だって!!??あんた達いったいなにものなんだい?」
「最初に強くなったら、持ってきてって言われたけど、いきなり、手に入っちゃった!」
と、おばちゃんの質問に、サラがてへっ、と笑顔で応えた。
「料理お願い出来る??」と、サラがわくわく感を隠し切れない様子でおばちゃんにお願いした。
「もちろんよ!!」
おばちゃんは、胸にドンと手をやって答えた。





