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第十九話『ゴールドの使いみち』

「ええええ、5万ゴールド!!!」

サラが大声で驚いた。もちろん、僕と奈緒子も驚いた。規格外の報酬だった。なぜなら道中、スライムを倒して手に入れた額が数十ゴールドだったからだ。最強クラスのモンスター「ドラゴノス」全てが規格外だった。


「5万ゴールドはすごいです。あれも買って、これも買って、まだお釣りが来ますね。」

いきなり、性格が変わったように、頭の中でそろばんを叩き出す、魔法使いの少女奈緒子。いつものおっとりキャラクタはどこにいったのだ。すっかり目がドルマークになっている。


「5万ゴールドなんて使いみちないよぉ、そんなに買うものあるの?」

「サラちゃん!!ありますよ!!この世界は、武器や防具も重要ですけど、普段着用のお洋服もかわいいんですよ!!明日一緒にお買物に行きましょう!!」

いつもとはうって変わって、押しの強い奈緒子。なぜか、洋服に対する情熱が違う。


「えー、いいよー」

ファションに興味なさげなサラはそう言った。

「サラちゃん、かわいいんだから、もったいない!!戦いだけがこのゲームじゃないんですよ!休日におしゃれするのもこのゲームの醍醐味ですよ!!」

そうなんだ。知らなかった。僕は、「 神の剣 -デュランダル 」で頭がいっぱいだった。いろんな楽しみ方ができるのが、この「ラスト・オンライン」の売りだった。


「えー、ジャージとかある?!」

「ふふふー。実はあるんですよ!おしゃれなジャージも、抜かりがないんですよ『ラスト・オンライン』は!」

と、洋服の事になったら、いきなりテンションが変わった奈緒子におどろきを隠せない僕ら。現実世界でも洋服をたくさん持っているのだろうか。と思った。


「サラちゃん『ラスト・オンライン』はかわいい水着とかもあるんですよ!私が選んであげますから!!」

「えー!いいよ!」

水着!?と思ったが、ここで食いつくと、またサラにからかわれそうだったので、聞こえないフリをした。女子達が、キャッキャウフフと女子談義をしていると、さらに無機質なCPUの音声が響いた。


「ドラゴノスが『竜の肉』をドロップしました。」

「ドラゴノスが『竜のなみだ』をドロップしました。」

そう、このゲームは、モンスターを倒すと、経験値、ゴールド、たまにアイテムを手に入れるのだ。


「おおお、さらにアイテムまでゲットした!『竜の肉』だって!サラ!ほしがってたやつだよ!ファンタジーな食材」

「なんと!いきなり手に入っちゃったわね!!食堂のおばちゃんにしゃぶしゃぶにしてもらいましょう」

「いや、ここはガツンと焼き肉なんじゃない?」

としょうがないことで、僕とサラが言い争っていると


「そんなことより水着をですね!」

と、奈緒子が話をもどして、サラにいう。


「わかったわかった!全部やるから!!」

「約束ですよ!!」

根負けした、サラのその言葉に奈緒子がうれしそうに微笑んだ。

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